参議院法務委員会で「ヘイトスピーチ対策法」の傍聴をしてきた

yuco
3 min readMay 12, 2016

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昨日5月12日、ヘイトスピーチ対策法が参議院法務委員会で可決されました。今までこの法律成立のために働いてきた方々を尊敬します。

参議院の本会議はだれでも傍聴できますが、委員会は議員の紹介がないと傍聴できないので諦めていたのですが、有田芳生議員の事務所宛てにメールを出せば傍聴できるという案内をtwitterで見かけ、メールして行ってきました。昨日5月12日と4月19日の2回、傍聴することができました。

今回提出されていた与党案は、罰則がなく、ヘイトスピーチはいけませんと訴えている理念法ということで、まあそれでもヘイトスピーチに関する法律が一切ない現状よりはマシなんだろうけど、「本邦外出身者」とか「適法に居住する」などという言葉で対象を狭めるのはいかがなものか(不法滞在者やアイヌ、部落をターゲットとしたヘイトスピーチが対象から外されてしまう)、実効性も弱すぎるなどと野党側が詰め、付則や付帯決議などをつけて成立しました。

国会を傍聴したのも初めてで、ネットで知る情報と合わせて、法律に直接書き込まれることのない、法律を作る人の思いや駆け引きを見ることができてたいへん面白かったです。

2012年末に第二次安倍政権ができて、翌13年からヘイトデモは激しくなったのだし、正直言って、ヘイトスピーチにたいへん融和的と思われる安倍政権下でこういう法律ができるとは思わなかった。自民党議員もヘイトデモ等を見た上で、ヘイトスピーチは許さないという思いでやっている、と言っていたのが印象に残りました。

というわけで、この法律でヘイトスピーチをした人を直接罰することはできないのは分かっているのですが、国や自治体はヘイトスピーチをなくそうとする努力が義務づけられます。許可が必要なヘイトデモや公共施設を使ったそっち系の集会はやめさせることが可能になるのでしょうか。

4月19日に傍聴したときにそのへんの話が出ていてあやふやだった気がします。デモは公安委員会に申請して許可を受ける必要があるのですが、本来そのとき国家公安委員長が来るはずだったのが熊本地震のため現地入りしていて来られなくなったそうで、その後の議論も追っていないのでよくわからないのですが。

付帯決議にはネットの話が入っていたので、個人的にはこれでネットのヘイトスピーチ状況が何か変わるのか見ていきたいです。

国会の傍聴は、事前の手荷物検査とかもけっこう厳しいのですね。ペンとメモ帳くらいしか持って入れません。印刷物は持ち込み禁止で、メモ帳にも印刷物が挟まれていないかチェックされます。提出された法案をプリントアウトして持って入ることもできません。議員や記者席の人は法案を見ているので見ながら聞きたかった。

参考URL

ヘイトスピーチ対策法、成立へ 関係者が悩みながら評価したその意義とは

ヘイト対策法案「人権問題ようやく出発点」民進・有田氏:朝日新聞デジタル

参院法務委員会、ヘイトスピーチ対策法(与党案)を全会一致で可決/今国会で成立へ 2016/5/12 — NAVER まとめ

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yuco

前世紀からネットで遊んでいますが、最近は日中は3歳息子&0歳娘と遊んでいます。