専業主婦が保育園について思うこと

yuco
6 min readMar 11, 2016

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「保育園作れよ」に共感の背景聞く 解決の手がかりは?:朝日新聞デジタル

日本では、保育所は親が働くための施設とみられていますが、海外では、乳幼児期の子どものよりよい発達のために必要な施設と考え、共働きではない家庭の子どもも通えるようにする動きが広がっています。日本でも、すべての子どもに保育を保障するという政策に変われば、保育所の量と質の両方について、もっと充実させようという方向になると思います。

上記の記事のように、諸外国では、親の就業形態にかかわらず、子どもの発育のためや親がこれから仕事を探したり職業訓練を受けるために保育園に預けられるところが多いらしい。日本でも、保育園もっと作ってくれないかなー。それで専業主婦にも預けられるようになったらいいのに。

自治体の、目的を問わずに利用できる一時保育を週1〜2回利用しているが、2歳の息子は喜んで通っているのでとてもありがたい。予約を入れてない日にも「きょうはほいくえんないの〜?」と訊いてくるくらいなので、私が正社員になり毎日保育園に通わせ、その間にお金も稼げるような甲斐性がなくてすみませんと思っているくらいだ。

1歳半過ぎくらいに預けはじめたころは、別れるときには毎回泣いていたので少し辛かった(それでも自分の時間は必要だと思っていたので、預けること自体に迷いはなかった)けど、そのあとは迎えに行くまで泣きもせず普通に過ごしていたそうだ。それでも最初は遊びにも積極的には加わらずまわりを観察モードだったらしいのだが、ときどき預けるようになって数ヶ月経つと、徐々に遊びに積極的に参加したり、言葉が話せるようになったのもあるが、自分からこうしたいという要求を言うようにもなったそうだ。顔なじみの先生もできたし、預けても泣かずにさっさと遊びに行くようになったし、家で「保育園楽しい?」と訊くと、「たのしいよ~」と言うようにもなった。平日毎日フルタイムでなくても、ときどきああいう環境で過ごすことは子どものためになると思う。

最近は、ほかの子の名前も覚えて遊ぶようになったと保育士さんが教えてくれた。1歳半ばで引っ越し、その後地元のママ友というのを作ることができていないので、よその子と遊べるのは貴重な機会である。

でも私が利用している区の一時保育は、1ヶ月前の同日の電話受付開始時刻からリダイヤルを繰り返して先着順で利用できるかどうか、というくらいの人気ぶりだ。日によっては80回とかリダイヤルして、やっとつながったら「(1ヶ月後のその日は)もう満員になりました」と言われたり。なので病気とか急に預けたいときには使えないし(たまたまキャンセルが出て取れることもあるが、取れるとは限らない)、週3日パートに出るのでその曜日だけ、のような使い方もできない。かならず予約ができるとは限らないので。最大月10回まで利用できるが、電話予約がそんな状態なので、そもそも10回も予約をできたことがない。熱を出したなどで欠席したりするので、実際の利用回数はさらに少ない。

私はこの1月にインフルエンザにかかってしまったのだが、このときはちょうどその頃に予定を入れるつもりで多めに一時保育を予約していたのと、たまたまキャンセルが1日取れたのと、夫がたまたまどうしても外せない夜遅くなる仕事がなかったのと、やや離れたところに住んでいる義母に預かってもらえたので発症後最初の4日くらいは切りぬけることができた。

発症後5日目は一時保育もとれなかったが、まあその頃になればかなり回復しているだろうし1日子どもを見ることはできるだろうと思っていた。しかし、予防注射を打ち発症後早いうちに病院で薬をもらっていたのに、なかなか治らず、その日にも38度以上の熱が出て、熱冷ましを飲みながら児童館に連れて行ったり、しんどかった。あとテレビを見せっぱなしで1時間ほど寝たりもしてしまった……。なのでしんどいときに100%頼れるわけではないが、こういうときに何度も預けていて子どもも喜んで行ってくれる先があるというのは本当にありがたい。おかげでインフルエンザを息子にうつさないで済んだ。

子どもを幼稚園に行かせるような専業主婦の家庭は保育園を見下している、のような言説があるが、本当かと思う。それが本当なら保育園でやっている一時保育があんなに人気で予約困難なわけがない。

専業主婦だった私の母も、保育園に行くと集団生活にも慣れるし、2歳くらいになると、親も毎日毎日朝から晩までつきあっていると体力的にもつらいので、ときどきでも預けられるのいいねと言っているし、一時保育の帰りに声をかけてきたおばちゃんにも「お仕事もされてえらいわねぇ」と言われたし(適当に言葉を濁したが)、まわりで保育園否定論というのをまったく見ない。

3歳児神話とか、子どもにはお母さんが一番なので一切預けるべきではない、とか言っている人は、ネットやメディアを見るといるらしいけど実際に会ったことはなく、広い世の中にはそういう人もいるらしい(けど少数派だよね)くらいの認識である。

ただし保育園という施設の性質上、少人数の大人で多い人数の子どもを見るものだし、保育にあたる人は仕事でやっている以上入れ替わることもある。子どものために無制限でなんでもできないのは当然だ。彼らの労働者としての権利は守られなくてはならない。そんな中でも一時保育で接する保育士さんたちはよくやってくれていると思うし、感謝しているが。

ただ、保育士さんはプロだし、親は素人だから親よりも保育士さんと過ごす方がよいに決まっている! という、3歳児神話に反発するあまりそのままひっくり返したような意見を見かけるが、それも極端に走りすぎというか。幼児は、スキルがあろうがなかろうが主たる養育者に愛着を感じながら精神的に成長するのも事実のようで、家庭で親とべったり過ごす時間と、同年代の子どもたちやプロの保育士さんと家庭外で過ごす時間がバランスよくあるのがいいと思う。

保育園に預ける時間としては、平日フルタイムで預けるのだったら問題ない範囲だろうが、一般的な保育園が夕食を出したり風呂に入れたりするものではない以上、特に0~1歳児を生活リズムが崩れるほど長時間預けるのはよくないと思う。幼児の睡眠不足が発達中の脳に及ぼす悪影響については、三池輝久著『子どもの夜ふかし 脳への脅威』が勉強になった。

子どもは主たる養育者に愛着を感じて成長するもので、その養育者に虐待を受けたり、主たる養育者がたびたび交代するような環境は発達に悪影響があるそうだ。このあたりは岡田尊司著『愛着障害~子ども時代を引きずる人々~』に詳しい。なので、保育士さんが親より重要な人になってしまうほど長時間預けるのはやはりよくないのだと思う。

保育園問題についてはいろいろと思うところがあるので今後も少しずつ書いていきたい。

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yuco

前世紀からネットで遊んでいますが、最近は日中は3歳息子&0歳娘と遊んでいます。