VR専用カメラは終わった。ルヴァンカップ決勝に見たスポーツ観戦の未来

※写真はあくまでイメージです

ルヴァンカップと聞いて、何の大会か分かる人がどのくらいいるだろうか。
知らない人が多いのも当然、ルヴァンカップは昨年までナビスコカップとして親しまれていたJリーグカップ戦の名称である。
ナビスコカップは1992年にスタートし、「同一冠スポンサーによって開催される最長のカップ戦」としてギネス認定もされているのだ。

ヤマザキナビスコ社がヤマザキビスケット社に名称変更したことにともない、今年途中から、ナビスコカップ→ルヴァンカップへと名称変更された。

さて、そんなルヴァンカップ。浦和レッズの優勝で幕を閉じたのだが、埼玉スタジアム2002で開催された決勝戦の裏側で、非常に興味深い取り組みが行われていたことをご存知だろうか。

それは、Jリーグが Canonの協力を得て実験した自由視点映像である。文字で説明するよりもイメージ動画が公開されたので、早速見てほしい。

これが”自由”な”視点”で見られる”映像” である。

従来の映像とは、特定のカメラが撮影した映像をそのまま見る、つまり視点は”固定”されている。
視点を切り替える方法は、(1)カメラを切り替える(スイッチする)、(2)カメラを動かす。
スポーツでも音楽ライブでもニュース番組でも、視点が切り替わった時は、カメラが切り替わっている、またはカメラが動いている。

それに対して、上記の映像は、「カメラを切り替えていない」「カメラを動かしていない」で視点の変化を実現しているのである。

簡単にいうと、多数のカメラをスタジアム内(フィールド外)に設置して、それらを合成することで、新たな視点の映像を作り出しているのだ。

詳しくは下記を参照のこと。

自由視点映像でスポーツ観戦をカスタマイズ — 筑波大学
http://www.tsukuba.ac.jp/notes/042/index.html

さて、この自由視点映像、私も日本の事例では初めて見たが、以前からこういった技術があることは知っていた。それがNBAで撮影された下記の技術である。

私が初めて見たのは2015年。イスラエルのReplay Technologies社のFreeDと呼ばれる技術だった。その後、同社はIntelに買収されている。ちなみにこの技術、イスラエルの軍事技術から発展したものだそうだ。(イスラエルはITスタートアップが盛ん)

3Dモデルを生成するための計算処理が重く、まだリアルタイム生成が難しかったりと課題はあるようだが、非常に未来を感じる。

私もスポーツxVRなビジネスに取り組んでいることもあり、未来のスポーツ観戦を考えるのだが、一般的にVRカメラ、360度カメラと呼ばれる、ThetaやGoProのようなアクションカメラを複数台つないだカメラで作り出す映像が上記の自由視点映像に敵わないことは容易に分かる。

それがタイトルに「VR専用カメラは終わった。」と書いた理由である。

VR専用カメラは終わった。ただし、ビッグイベントに限る。
これを実現するのにどれだけのコストがかかるだろうか。今回は何台のカメラで実現したのか、どれだけのコンピューターリソースを使ったのか分からないが、高コストであることは想像できる。

VR専用カメラは、一般企業はもちろん、消費者でも扱える価格、使い勝手になってきた。不動産の内見、旅行のバーチャル体験などあらゆるシーンで360度動画を見るようになった。こういったシーンではVR専用カメラは活用され続ける。むしろこれからもっと広がる。

僕が経営するSkyBall社でも、スポーツの新たな視聴体験を創出すべく、自由視点映像とはまた異なる映像体験にチャレンジしている。

例えば下記の映像は自由視点映像のような高い投資なく、実現している新たな体験である。
(1) 中村俊輔のフリーキックを壁になって疑似体験しよう!
(2) 北海道コンサドーレ札幌「都倉賢vs荒野拓馬」360度PK対決!
※Safariでは視聴できません

VR/AR/MR、4K/8K、自由視点映像。
世界では新たな技術が次々と生み出されている。

4年後、僕たちはどこでどんな映像を見ているのか、どんな新しい体験が待っているのか。2020年がとても楽しみである。

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SkyBallでは4年後(未来)の新たなスポーツ体験を創り出したいメンバーを募集しています!

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