優秀な人ほど転職市場に出てこない世界の話

Yuka Iwasaki
7 min readJul 23, 2019

先日、最近痛いほど感じている転職市場のことを軽い気持ちでつぶやいたところたくさんの反応をいただいた。

「元々そうやったやん」という声もあるかも知れないけど、ここ数年は特に顕著に感じるし、共感してくれた方が多かったのもそういうことだと思う。
今だから感じている今のこの世界をきちんと言語化しておきたいと思う。
過去に同じような話を数多させていただいてきたのでもしかしたらどこかで同じ話をしてしまっているかもしれない。

またここで言う私が感じているこの世界は、現在の日本でも特に東京、インターネット業界の話である。また転職の仕方によって、その人が優秀か優秀でないかとかそういう話がしたいわけではないのでご理解いただけると幸いだ。

世はまさに、超売り手時代

最近のこの界隈はお陰様で以前と比較するとお金の集まる業界になっている。インターネット業界のコストはいろんな事業モデルが出てきたもののやはりコストにおける人件費の割合は非常に大きく、事業成長に対する「人」の重みが特に強い業界な気がする。お金の使用用途はもちろんいろいろあるが、その中でも人に使うというのは大きな用途の一つである。

「世はまさに、超売り手時代!!(CV.大塚周夫)」となっている現在、採用に注力するのは当たり前の世界になっている。むしろそれをやっていないと成長のスタート地点にも立てないような気すらする。
過去のような「エージェントにお願いして待っていたら優秀な人が来る時代」はとっくに終わってしまった。

今までのスタンダードな転職活動。この頃はエージェントを握るのが人事の仕事だった

採用の勝敗は「転職を考える前」に決まっている

超売り手時代の今、採用が上手な会社(採用の優先度が高い会社)が何をしているのか。シンプルである。採用したい人が転職活動を始めるより前に声をかけて、時間や頭を使って口説いたりして採用しているのだ。

転職しよう!となる前にいろんな接点を持っている

転職を考える前から接点を持って自社の魅力を伝える等、採用に力を入れている会社には優秀な人が集まり、なんらかの理由でそれが出来ず受け身で待っている会社は「良い人が来ない…」となるのである。非常にシンプル。

ちなみに弊社では「採用は息と一緒!(≒しないと死ぬ)」という価値観なのでOKRではなく、チームのヘルスチェックの項目にいれて毎週確認している。みんなが健康かどうかと同レベルに採用が常に進捗しているかは重要だと考えている。(蛇足だが正社員採用って入社までにタイムラグが余裕で3ヶ月以上あるので3ヶ月回しのOKRに入れるのも難しいなと感じる。この辺は詳しい方がいたら一度話してみたい)

今すぐ転職したいわけではないけど…という場合の「副業」

「今すぐに転職するわけではないが興味はある」という場合、一度一緒に働いてお互いを見定めてみるのに副業で関わってもらうのがベストだと思っている。
実際に最近の転職活動を見ていると、いわゆる過去の転職活動を一切せずに副業先にそのまま転職したり、一度3ヶ月とか決めてフリーとして数社手伝って一番面白かったところに転職する方が増えている。

面白いことにまだ副業市場では優秀な方と出会う難易度が転職市場と違って非常に低い。そのことに気付いた賢い企業からお互いハッピーになれる最高の採用チャネルとして副業を認識し始めているのを肌で感じる。

勝手に例を出すとミラティブさんはそれを本当に気持ちよく上手にやっている。

そういう企業様に使ってもらえると良いなと思って、YOUTRUSTを提供している。転職市場には出ないような優秀な方を最初は副業からでも採用したい、という企業様に使っていただければ幸いだ。

採用担当だけでは素敵な人に出会いきれない時代

皆さんも「XX社の人事から全然わかってないスカウト届いた〜!」という経験があるかもしれない。これだけいろんな専門職が出てきて、職種が細分化されている中で人事が全てを網羅するのは残念ながら非常に難易度が高い。また、どこまで人事が頑張ったとしてもやはり当事者以上にそこの職種の人たちの気持ちが分かる人たちはいない。

優秀な人ほど転職意欲は低く、人事が口説く難易度が上がる

人事が打ったスカウト、人事のする面談…人事は他職種の理解に努めてきたが、転職を考えていない他職種の人を口説くのは非常に難易度が高く、これができる人事がいるなら本当に大事にしたほうが良い。
余談だが私は15年来の筋金入りのジャニオタなのだが、ジャニオタじゃない人が書いた知ったような文章は一瞬でわかるし、あまりいい気持ちがしない。そういう話なのだと思う。

そこでスクラム採用の出番である(スクラム採用の説明はリンクをご覧下さい)。人事だけで採用をしない、採用活動の主役は現場のメンバーだという考え方だ。

この時代に素敵な人を採用するほぼ唯一の方法

最近はHERPも代表の庄田さんが自ら採用PMに就任した、という話があった。

採用PMの説明は庄田さんのブログに詳細があるので割愛するが、要するに全社採用をプロジェクトと認識し、それを推進するのが人事の新しい役割だという話だ。これからは人事だけで採用活動していては採用はできない、という意味でもある。

もう採用は人事だけの仕事ではない。一緒に働くひとを選ぶのを人事が独占するのは辞めないといけない時代なのかもしれない。そうしないと素敵な人ほど採用できない世界になってしまった。

もしあなたが人事ではなく「うちの人事は全然良い人連れてこない…」と思っているなら、考えを改めたほうが良いかも知れない。良い人を連れてくるのも口説くのも自分たちの仕事なのだ。

最後に:YOUTRUST社もメンバー募集してます

少しでも興味もってくださった方がいれば、お茶でもランチテレカンでもオフィス訪問でもお話させてください。こういう採用市場の話をざっくばらんに聞きたいとか超ライトなのもウエルカムです。
(twitterで気軽にメッセください)

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