最近感じている違和感について「私は女性起業家?」
とりとめのない話ですし、もしかしたら不快に思われるかもしれない…と不安を感じつつ、最近感じるようになった違和感を素直に書こうと思います。
私が1人の人間として最近感じている話であって、YOUTRUSTという会社もメンバーも一切関係ありません。またどちらの性が優劣というのを主張する話でも、特定の性別が悪いとかいう主張をするものでは一切ありませんのでご理解いただければ幸いです。
もし同じ気持ちを感じている人がいれば何かの参考になれば幸いです。
背景
私は中高一貫の私立女子校で育ちました。日本の女子校では医学部進学率1位という、割と教育方針のわかりやすい進学校でした(それがいいのかはさておき)。
女性しかいない環境だったので、自分が異性に劣っているとも優れているとも考えたことがなく「人間は努力すれば何者にでもなれるのではないか」という価値観をぬくぬくと育ててきました。
たまに「女しかいないこの教室って自然界からすると異常な空間やな…」と授業中にぼんやり考えることがあったくらいでした。
起業してから何故か「女性」を強調されることが増えた
ありがたくも起業してからいろんな方とお会いする機会が増え、更にありがたいことに皆さん応援してくださいます。素敵な出会いが多くて、一歩踏み出して見てよかったなと、心の底からそう思っています。
その中でたまに、
「女性起業家ですし応援してますよ!」
「まだお若いですし、美人でいらっしゃるのでみんな助けてくれますよ」
「女性社長は人一倍言葉遣いには気をつけたほうが良いですよ」
というお言葉を男女問わずいただくことがあります。岩崎を応援しているよ、ということを伝えたくてそう言ってくださっているので有り難く思う一方で、その言葉の背景に違和感を感じることがあります。
私は女性だから起業したわけでも、女性なのに起業したわけでもなければ、自分は美人だから!なんてもちろん考えたこともないし、女性だからこうあるべき、なんて考えながら事業は作ってません。
なのになぜ「起業家」「社長」の前に「女性」とつけられるのかすごく不思議に感じます(多分、お医者さんとか弁護士とか他の職業でも同じことを感じている方がいらっしゃるかもしれません)。
どうしてそんなことを言うのか?(勝手な考察)
本当に一切悪気はないんだと思います。女性で起業する人が男性と(あえて)比較するならまだ少ないのも事実ですし、珍しいことを強調したいとか、私との間に話題にすることがそれくらいしかなかったとか、個別にはそこまで意味はない話なんだと思っています。
自分が生まれてきた性別で自分らしく普通に生きてるつもりが、区別なのか強調されているのかわからないけれど、なんだかモヤモヤする…ということが増えたので、本を読んだり、同じ違和感を感じている人と話したりするようになりました。
↑もうひとりの自分、あっこゴリラさんもジェンダーや自分らしさについてよく言及されてます。いつか話してみたい…。
自分が自分の性の特徴を認識していなかったことを後悔している
身体的には(脳みそを含め)もちろん差分があります。
特に自分は身体的差分によって思考傾向が異なることを全く認識せず、会社員をやっていたことを今は死ぬほど後悔しています。
具体的には「マネージャーになりたい」と思っていても自分の意思は絶対に上司には伝えられませんでした。自分がそれに値するのか自信が持てず「岩崎さんがなんでマネージャーをやってないのかわからない」とか言ってもらっても「いえ、まだまだです…」と思ってました。
これは「インポスター・シンドローム」という名前のついた主に女性がハマりがちな「詐欺師感覚」らしいのですが、当時の私はそんなことはつゆ知らず、そのドツボにハマっており「やりたい!」の一言が言えずいろんな機会を逃したなと今となっては感じています。
皆さんの周りでも大人数で会議室に入ったときに何故か真ん中の卓ではなく、後ろの方にパイプ椅子を持ってきて目立たないように座る女性を見たことないでしょうか。あれもその思考傾向が影響していることが多いらしいです。
そういう自分の思考傾向、他者との差分を知らなかったことで、無駄に自分で自分を縛ってきたなと感じてます。もし自分のような人がいたら後悔してほしくないと思ってます。
この辺の性による思考傾向の差分については、FacebookのCOOシェリル・サンドバーグのLEAN INで非常に丁寧に記述されているので、もしまだ読んでいない方がいれば是非オススメしたいです(本が苦手な方はこちらの動画に凝縮されてます)。
未来からすると今はまだ古い時代
すごく性格の悪かった偏差値主義の高校生だった私は母親の学歴を馬鹿にしていた時期がありました。母親は「私達の時代は女性が勉強するなら原則女子大だし、頑張って4大出たって看護師か教師かお茶くみしか選択肢なんてなかった」と言っていて「絶対ウソやんw言い訳www」とか思ってたんですが、実際そういう時代だったみたいです。
女性に参政権がなかったとか、自分が生まれる数年前まで男女雇用機会均等法もない世界だったなんて、今では到底信じられないですし、割と最近までこの時代に生まれた自分は超ラッキーだと思っていました。でも逆に、(私も含め)現代のジェンダーへの理解は100年後の人からしたら信じられないくらい低レベルなのかもしれない、と考えるようになりました。
最近は「死ぬまでに、その理解が加速することに寄与したいな」とぼんやり考えています。
努力が報われる世界にしたい
ぐだぐだと長文を書いてしまいましたが、性別とかマジでどうでもいいので「その人の努力が報われる世界」を実現できるように引き続き頑張っていきます。
引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします。