NOKIA Steel HR

Yukihiro Matsumoto
8 min readJan 20, 2018

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「ツイッターのインフルエンサー」(笑)とみなされたようで、NOKIAから「今度出た心拍測定機能付きNOKIA Steel HRのモニターになってもらえませんか」とのDMを受け取りました。もともと私はMotorola Moto360 SportやMi Band2などを日常的に使っているウェアラブル好きなので、大喜びで引き受けました。

既存のデバイス

先にも書いたように私がこれまでに使っていたのはMotrola Moto360 Sport (Gen2)とMi Band2です。Moto360はAndroid Wear2.0搭載のスマートウォッチです。Android WearはLG G WatchRに続く2台目ですが、G WatchRは1年ちょっとで電源が入らなくなってしまったので、買い替えた経緯があります。たいへん気に入っているのですが、バッテリーが1日ちょっとしかもたないので出張時に充電用アダプタを忘れると2日目以降は使えないという弱点があります。

Mi Band2はXiaomiのフィットネストラッカーです。こちらはスマートウォッチとしての機能はほとんどなく、歩数、心拍数、睡眠時間の計測ができます。こちらはシンプルなぶんバッテリーのもちがよく、充電しなくても2週間くらい持ちます。基本的に歩数と睡眠時間の計測が主たる目的です。

Moto360を左手に、Mi Band2を右手に装着するのがこれまでの私のスタイルです。Moto360にも歩数計測や心拍数測定の機能はありますが、こちらは活用していません。私はスポーツマンではないので単体の心拍数測定には関心がないのと、バッテリーのもちの関係もあってMoto360は睡眠測定に使えないからです。

Steel HR

そこでNokia Steel HRです。Steel HRにはいくつかバリエーション(36mmモデルのホワイト、もしくはブラック、または40mmモデルのブラック)があるのですが、私のところに届いたのは40mmモデルのブラックです。

みかけはスマートウォッチというよりもトラディショナルな腕時計です。シックな感じですね。バンドはシリコーン製で高級感はありませんが、柔軟で肌触りもよくいい感じです。5気圧防水だそうですから、水泳とかしても大丈夫と聞いています。やったことはありませんが。

いいところ

まず最初にSteel HRのいいところを紹介しましょう。それはバッテリーの持続時間です。以前からMi Band2をもっていましたし、あちらは公称21日持続するということで、実際1週間弱の海外出張などであれば、充電アダプターを持っていかなくても問題がなくてありがたい限りなのですが、さすがに21日もつわけではなくて、2週間くらいでバッテリーがカラになります。今回、Steel HRとMi Band2を同時に満充電にして使い始めましたが、予想通りMi Band2はちょうど14日でバッテリーがカラになり動作しなくなりました。一方のSteel HRは最初の5日間バッテリー残量が100%のままで、壊れちゃったんじゃないかと心配しましたが、その後順調に残量は減少しました。で、残量が10%を切り、さすがに、と思いつつ充電したのが、ちょうど4週間後です。実にMi Band2の2倍です。びっくり。

これならかなり長い出張でも充電のことは心配する必要はなさそうです。

機能

Steel HRの主要な機能は以下の通りです。

  • 歩数計
  • 心拍計
  • 睡眠計
  • 運動の自動認識

プログラマーは日中、デスクに向かいっぱなしになりがちなので、犬の散歩などでできるだけ歩くようにしているのですが、これが測定できるのはけっこう楽しいです。田舎に住んでるとのどかな生活はありがたいのですが、移動がほとんど自動車になるのであまり歩かないんですよね。東京出張時の方がはるかに歩くという。

それから、睡眠時間が不規則になりやすい私にとって一番関心があるのは睡眠の測定です。いつ眠って、いつ起きたのか、その間の睡眠の質などが測定したいのはある意味当然の欲求です。

歩数にしても睡眠時間にしても、こうやって測定すると、なんとなく自分の体のベンチマークをとっているような気になるのも嬉しい点です。

一方、あまりスポーツなどはしないので、運動の自動認識などの出番はありませんでした。この辺はもうちょっと活用できるといいなあ。

精度

というわけで、左手にSteel HR、右手にMi Band2という生活を4週間続けてきたわけですが、左右でほとんど同じもの(歩数、心拍、睡眠)を測定することになるわけですよね。そうすると、その結果を突き合わせることができるのですが、実際のところ、歩数では10〜20%の誤差がありました。どちらかが一方的に多いとかではなかったので、「歩いている」ことを認識する加速度のしきい値の違いとかセンサーの感度とか、そういう複数の要因が絡み合っているのだと思います。まあ、「いっぱい歩いたな」という日は歩数も多かったので、致命的なほどのズレはないということでしょう。もともと歩数測定などはそんなもんでしょうし。

睡眠についてもあまり大きなズレはありませんでした。ありがたいのは、昼間に仮眠をとったときにもちゃんと認識してくれたことです。夜しか睡眠を測定してくれない睡眠計も多い(Mi Band2もちゃんと仮眠を認識します)のに、これは良い。

全般的な傾向として、Steel HRは昼間の仮眠はあまり認識せず(20分くらいうとうとしても認識しない)、逆に夜は早めに認識する(ベッドで静かに本を読んでたら「寝てる」と判定されたことがある)ようです。が、長期的にはそれほど間違いはなかったように思います。過去には、寝る前に「これから寝る」とボタンを押す必要がある機種(Jawbone UP)を使ったこともありますが、そんなのに比べると最近の自動認識はありがたいです。できれば、認識間違いをアプリで訂正させて貰えれば。

心拍計はあきらかに優れています。Mi Band2では心拍計測の間隔を狭めるとバッテリーが早くなくなってしまうので、あまり活用できていませんでした。Steel HRはそもそも心拍計測間隔の設定がなく、ちゃんと1日の心拍数グラフが表示されますが、バッテリー持続時間については上述のとおりです。

結論としては、Steel HRのセンサー精度に不満は全くありません。

不満(今後への希望)

Steel HRへの最大の不満は、ディスプレイが小さく表示できる情報量が少ない点です。ただ、これはバッテリーもちとのトレードオフがあるので、悩ましいところです。現状のままでも、少なくともMi Band2の代替としては充分以上です(もっともSteel HRは市場価格がMi Band2の7倍くらいするので、当然と言えば当然ですが)。せめてNotificationの表示ができればいいのではないか、とも思いますが、この小さなディスプレイでそれが本当に嬉しいのかと問われると自信がありません。Moto360の代替にはちょっと弱いというのは正直なところでしょう。ひとつのライフスタイルとして、左手にMoto360、右手にSteel HRというのが良いのかもしれません。もっともその場合、Steel HRはむしろ36mmのような小さいものの方が扱いやすいかもしれませんね。

残りの不満は些細なものです。さきほど述べたNotificationを表示してほしいとか(電話着信は表示されます)、単体でストップウォッチ機能が欲しいとか。もっともそれでバッテリーが早く消費してしまっては意味がないので悩ましいですね(意識が作るヒトの立場になりがち)。それから、サポートアプリであるHealth MateがGoogle Fitと連携してくれると他のデバイスからの入力なども集約できて嬉しいです。Health Mateは他にもUIとか、データ追加入力・訂正など、もうちょっと改善されることを期待したいです。

まとめ

まとめると「Nokia Steel HR、オススメです」。特にこれまでにスマートウォッチを使ったことのない人にお勧めだと思います。機能を抑えてバッテリーもちやシンプルさに特化しているので、ヘビーなスマートウォッチ派はちょっと物足りないと思うかも。フィットネストラッカー派には腕時計的なデザインでありながらトラッカーとして十分な機能を持つ点がアピールしそうな気がします。

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