「ツイッターのインフルエンサー」(笑)とみなされたようで、NOKIAから「今度出た心拍測定機能付きNOKIA Steel HRのモニターになってもらえませんか」とのDMを受け取りました。もともと私はMotorola Moto360 SportやMi Band2などを日常的に使っているウェアラブル好きなので、大喜びで引き受けました。

既存のデバイス

先にも書いたように私がこれまでに使っていたのはMotrola Moto360 Sport (Gen2)とMi Band2です。Moto360はAndroid Wear2.0搭載のスマートウォッチです。Android WearはLG G WatchRに続く2台目ですが、G WatchRは1年ちょっとで電源が入らなくなってしまったので、買い替えた経緯があります。たいへん気に入っているのですが、バッテリーが1日ちょっとしかもたないので出張時に充電用アダプタを忘れると2日目以降は使えないという弱点があります。

Mi Band2はXiaomiのフィットネストラッカーです。こちらはスマートウォッチとしての機能はほとんどなく、歩数、心拍数、睡眠時間の計測ができます。こちらはシンプルなぶんバッテリーのもちがよく、充電しなくても2週間くらい持ちます。基本的に歩数と睡眠時間の計測が主たる目的です。

Moto360を左手に、Mi Band2を右手に装着するのがこれまでの私のスタイルです。Moto360にも歩数計測や心拍数測定の機能はありますが、こちらは活用していません。私はスポーツマンではないので単体の心拍数測定には関心がないのと、バッテリーのもちの関係もあってMoto360は睡眠測定に使えないからです。

Steel HR

そこでNokia Steel HRです。Steel HRにはいくつかバリエーション(36mmモデルのホワイト、もしくはブラック、または40mmモデルのブラック)があるのですが、私のところに届いたのは40mmモデルのブラックです。

みかけはスマートウォッチというよりもトラディショナルな腕時計です。シックな感じですね。バンドはシリコーン製で高級感はありませんが、柔軟で肌触りもよくいい感じです。5気圧防水だそうですから、水泳とかしても大丈夫と聞いています。やったことはありませんが。

いいところ

まず最初にSteel HRのいいところを紹介しましょう。それはバッテリーの持続時間です。以前からMi Band2をもっていましたし、あちらは公称21日持続するということで、実際1週間弱の海外出張などであれば、充電アダプターを持っていかなくても問題がなくてありがたい限りなのですが、さすがに21日もつわけではなくて、2週間くらいでバッテリーがカラになります。今回、Steel HRとMi Band2を同時に満充電にして使い始めましたが、予想通りMi Band2はちょうど14日でバッテリーがカラになり動作しなくなりました。一方のSteel HRは最初の5日間バッテリー残量が100%のままで、壊れちゃったんじゃないかと心配しましたが、その後順調に残量は減少しました。で、残量が10%を切り、さすがに、と思いつつ充電したのが、ちょうど4週間後です。実にMi Band2の2倍です。びっくり。

これならかなり長い出張でも充電のことは心配する必要はなさそうです。

機能

Steel HRの主要な機能は以下の通りです。

  • 歩数計
  • 心拍計
  • 睡眠計
  • 運動の自動認識

プログラマーは日中、デスクに向かいっぱなしになりがちなので、犬の散歩などでできるだけ歩くようにしているのですが、これが測定できるのはけっこう楽しいです。田舎に住んでるとのどかな生活はありがたいのですが、移動がほとんど自動車になるのであまり歩かないんですよね。東京出張時の方がはるかに歩くという。

それから、睡眠時間が不規則になりやすい私にとって一番関心があるのは睡眠の測定です。いつ眠って、いつ起きたのか、その間の睡眠の質などが測定したいのはある意味当然の欲求です。

歩数にしても睡眠時間にしても、こうやって測定すると、なんとなく自分の体のベンチマークをとっているような気になるのも嬉しい点です。

一方、あまりスポーツなどはしないので、運動の自動認識などの出番はありませんでした。この辺はもうちょっと活用できるといいなあ。

精度

というわけで、左手にSteel HR、右手にMi Band2という生活を4週間続けてきたわけですが、左右でほとんど同じもの(歩数、心拍、睡眠)を測定することになるわけですよね。そうすると、その結果を突き合わせることができるのですが、実際のところ、歩数では10〜20%の誤差がありました。どちらかが一方的に多いとかではなかったので、「歩いている」ことを認識する加速度のしきい値の違いとかセンサーの感度とか、そういう複数の要因が絡み合っているのだと思います。まあ、「いっぱい歩いたな」という日は歩数も多かったので、致命的なほどのズレはないということでしょう。もともと歩数測定などはそんなもんでしょうし。

睡眠についてもあまり大きなズレはありませんでした。ありがたいのは、昼間に仮眠をとったときにもちゃんと認識してくれたことです。夜しか睡眠を測定してくれない睡眠計も多い(Mi Band2もちゃんと仮眠を認識します)のに、これは良い。

全般的な傾向として、Steel HRは昼間の仮眠はあまり認識せず(20分くらいうとうとしても認識しない)、逆に夜は早めに認識する(ベッドで静かに本を読んでたら「寝てる」と判定されたことがある)ようです。が、長期的にはそれほど間違いはなかったように思います。過去には、寝る前に「これから寝る」とボタンを押す必要がある機種(Jawbone UP)を使ったこともありますが、そんなのに比べると最近の自動認識はありがたいです。できれば、認識間違いをアプリで訂正させて貰えれば。

心拍計はあきらかに優れています。Mi Band2では心拍計測の間隔を狭めるとバッテリーが早くなくなってしまうので、あまり活用できていませんでした。Steel HRはそもそも心拍計測間隔の設定がなく、ちゃんと1日の心拍数グラフが表示されますが、バッテリー持続時間については上述のとおりです。

結論としては、Steel HRのセンサー精度に不満は全くありません。

不満(今後への希望)

Steel HRへの最大の不満は、ディスプレイが小さく表示できる情報量が少ない点です。ただ、これはバッテリーもちとのトレードオフがあるので、悩ましいところです。現状のままでも、少なくともMi Band2の代替としては充分以上です(もっともSteel HRは市場価格がMi Band2の7倍くらいするので、当然と言えば当然ですが)。せめてNotificationの表示ができればいいのではないか、とも思いますが、この小さなディスプレイでそれが本当に嬉しいのかと問われると自信がありません。Moto360の代替にはちょっと弱いというのは正直なところでしょう。ひとつのライフスタイルとして、左手にMoto360、右手にSteel HRというのが良いのかもしれません。もっともその場合、Steel HRはむしろ36mmのような小さいものの方が扱いやすいかもしれませんね。

残りの不満は些細なものです。さきほど述べたNotificationを表示してほしいとか(電話着信は表示されます)、単体でストップウォッチ機能が欲しいとか。もっともそれでバッテリーが早く消費してしまっては意味がないので悩ましいですね(意識が作るヒトの立場になりがち)。それから、サポートアプリであるHealth MateがGoogle Fitと連携してくれると他のデバイスからの入力なども集約できて嬉しいです。Health Mateは他にもUIとか、データ追加入力・訂正など、もうちょっと改善されることを期待したいです。

まとめ

まとめると「Nokia Steel HR、オススメです」。特にこれまでにスマートウォッチを使ったことのない人にお勧めだと思います。機能を抑えてバッテリーもちやシンプルさに特化しているので、ヘビーなスマートウォッチ派はちょっと物足りないと思うかも。フィットネストラッカー派には腕時計的なデザインでありながらトラッカーとして十分な機能を持つ点がアピールしそうな気がします。


おことわり

もともと[松江移住ITエンジニア Advent Calendar 2016](http://www.adventar.org/calendars/2018)の記事をQiitaで公開していましたが、「プログラミングとは関係ない」という理由で公開停止となりました。まあ、執筆当時知らなかったとは言え、基準は明確ですし、そのことに不満はありません。しかし、せっかく書いた文章が公開されなくなるのはもったいないので、こんどはMediumに書いてみることにしました。

今度はどうかな?

はじめに

これは[松江移住ITエンジニア Advent Calendar 2016](http://www.adventar.org/calendars/2018)の25日目です。

私が松江に引っ越してからおおよそ20年になります。松江移住ITエンジニアの中でも古参と言っても良いでしょう。Ruby関連となれば確実に最長老です。ので、松江に帰ってきた理由や20年後に考えていることを書きます。

TL;DR

「仕事があった」のが最大の理由だけど、人口が大きすぎず、小さすぎず、(私にとって)ちょうどいい感じの都市だったのが20年住み続けた理由のような気がします。それぞれの人がじぶんの「ちょうどいい」を見つけられるといいな。

よいところ

観光地

私はこの20年間玉造に住んでいます。玉造というのは玉造温泉があるところです。つまり、よそからわざわざ観光で訪れるような温泉地が徒歩圏であるということです。実際、玉造温泉街でイヌの散歩をしているまつもとがたびたび目撃されています。

そうでなくても、観光は松江市ひいては島根県の主要な産業で、近場でも温泉、宍道湖、松江城、歴史資料館、原子力発電所などがありますし、ちょっと足を伸ばせば、出雲大社、世界遺産の石見銀山などもあります。昨年、アメリカから友人が訪ねてきましたが、上記の各所に加えて、堀川遊覧、足立美術館の庭園や日本画、皆美館の鯛めしなどを堪能していました。

自然

田舎であるということはあまり開発されない自然が残っているということでもあります。イヌの散歩をしているとトトロの森クラスの森林がごく近所に残っていることも驚異的です。6月頃には徒歩圏でホタルも見ることができます(近年少なくなってしまいましたが)。私は見ていませんが、子供はモリアオガエルの産卵を見かけたそうです。

たべもの

全般においしいです。が、私はお隣の鳥取県出身、家内は逆方向のお隣の山口県出身のため、あまりありがたみを実感していません。

職住近接

私は玉造に住んでいるため、松江市民としては通勤時間が長めですが、それでも車で20分程度で職場につきます。満員電車とか通勤1時間とかは無縁です。このムダにならない時間はQOL向上に直結していると思います。

子育て

島根県は過疎先進地域ですが、ということは競争が少ないということでもあります。島根に来る前に住んでいた名古屋では子供を幼稚園に入れるのも空きがなくて大変でしたが、こっちへ越してきて一番近い幼稚園に連絡したらふたつ返事で「空いてますよ」と言われてこちらが困惑するぐらいでした。

また、子供たちの小学校は1学年2クラス、1クラス25人程度ではからずも少人数教育になっており、先生の目が届きやすいこともあって、教育上のあまり大きな問題はみかけませんでした。

人口

子育ての点でもそうですが、松江市の人口サイズ(20万人程度)は、私にとって丁度良いと思います。これ以上大きいと人間が集中した時に精神的ストレスが発生しますし、逆にこれ以上小さいと、買い物、病院など基本的インフラに欠けることになりがちです。農業をしたいとかアウトドアとかそういう趣味があれば別ですが、私にとっては松江くらいの中規模都市が合っているような気がします。

距離

これは私固有の事情ですが、仕事を依頼された時に、松江から東京までの交通費の負担をお願いしています。つまり、往復で6万くらいの交通費を用意するくらい本気でない人は自動的に断ることができるわけです。気軽に仕事を依頼してくる人も中にはいらっしゃる中で、このような形でフィルターできるのは助かります。

鶏口牛後

人口が少ないということは競争が少ないということでもあり、仕事上でも比較的簡単に突出した存在になれるということでもあります。私が松江に越してきたからこそ、松江市はRubyに注目したのでしょうし、これが以前住んでいた名古屋や、ITエンジニアがゴロゴロいる東京だったら決して注目はされなかったでしょうし、市長や知事が向こうから会ってくださることも、公共事業として応援してくださることもなかったでしょう。

わるいところ

公平を期すために悪いところも紹介しておきます。

給与

一般論で話すと、松江市のエンジニアの給与は東京よりも安めです。私のように場所に関係なく十分にもらっている人はまだまだ少数派です。やりようはいくらでもあるとは思うのですが、平均給与の向上ということになると厳しいのはやはり現実です。

社会インフラの不足

過疎地で人間が少ないということは、社会インフラへの投資を回収することが難しいということになります。電車、バスなどは未発達で、自家用車は必須です。また、買い物も店頭では入手できないものがかなりあります。まあ、Amazonに頼めば大抵のものはとどきますが。というか、次の日に届く日本の運送業ってマジすごい。

生活コスト

田舎は生活コストが安そうと思われがちですが、長く続いたデフレもあって、日本全国生活コストは下がっていて、その結果、田舎だからといって生活コストが劇的に安いわけではありません。まあ、家賃は若干安いけど(以前住んでいた築50年8DKの一軒家は月6万でした)、それでも決定打になるほどではないです。

文化インフラ

一方、文化インフラの欠如は確実です。コンサートなどはめったに山陰に来ませんから、広島や大阪、東京などに出かける必要があります。「全国ツアー」の全国に山陰が含まれることはないのです。それらを愛している人にとっては、かなりのコスト高になることでしょう。

島根県立美術館は企画展などけっこうがんばってると思いますが、東京とかと比べたらかわいそうですよね。

自分にあったところで

というわけで、自分に最適な場所は人によって違うだろうという話でした。しかし、「東京でなければ」という先入観を除いて考えてみると、地方もけっこう良い選択肢になるのではないかと思います。

島根県や松江市はみなさんのお越しを待っています。

Yukihiro Matsumoto

Rubyのパパ

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