Stablecoin Basisについて

Newki(Yuki Tanaka)
3 min readMay 22, 2018

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Stablecoin※の一種であるBasisの紹介記事(Whitepaper)です。

Basisは貨幣数量説※をベースとし、
下記3つのトークン群によって構成されたプロトコル。

・Basis・・・メインのトークン(1USD = 1Basisでペグ)
・Bond tokens・・・債券のトークン
・Share tokens・・・株式のトークン(初期段階で配布済み?)

価格固定のメカニズム

1)BasisとAsset(現状USD)の為替レートを計測
いくつかの測定方法があり、例えばCoinbaseなどの外部のサービスを参照して計測します。

2)Basisのレートが1USD未満になった場合
プロトコルによるBond tokensの公開オークションが実施されます。
Basisを使ってBond tokensを購入することでBasisの供給量を減らします。

3)Basisのレートが1USD以上になった場合
Bond tokens保持者に1Basis = 1 Bond tokenとして自動的に交換し、Basisの供給量を増やします。
(公開オークションでは1Basis未満でBond tokensが購入できるので、差分が利益として還元されます。この部分が投資家がBond tokensを購入する理由になります。)

Share tokens保持者にShare tokensの割合に応じてBasisが付与されます。

Basis供給の順番
Basisを供給する場合、システムは供給するBasisの量を計算します。
そして、一番古くに発行されたBond tokensが最初に交換され、
最近発行されたBond tokensを含め全てのBond tokensが交換された後、
残りのBasisがShare tokensホルダーにShare tokensの保持割合に応じて供給されます。

Bond tokensの有効期限
Bond tokensには5年の有効期限があり、失効すると、交換する権利を失います。

デススパイラル回避

Basisの需要が継続的に縮小している場合、その危機的状況を解消するメカニズムが必要になります。

Basisはこの危機的状況(デススパイラル)の回避のために、Bond tokensに有効期限をつけています。

Basisの価値が下落状態から抜けていない時、古いBond tokensを切り捨てることで、新規発行するBond tokensの価値を上がると考えられるため、それが危機的状況を脱する起爆剤となると考えているようです。

(Bond tokensの交換には順番があるため、古いBond tokensと新しいBond tokensでは、価値が異なり、それにより公開オークションの値付けも変わってくると考えられます。同様に古いBond tokensがなくなった場合、新しいBond tokensの価格も変わってくるわけですね。)

所感

やはり、最後のBond tokens有効期限によるデススパイラル回避がうまくいくのかが一番のキモでしょう。
そんなにうまくいくのかなー?という風に直感的には思います。
(色々批判的な記事もいくつかあるので、それも今後紹介できればと思います)

※Stablecoin
価値が一定となるようにスキーム、アルゴリズムが組まれている仮想通貨

※貨幣数量説
流通する貨幣量が物価水準に比例するという理論

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