広告・マーケティング業界の「歪み」

現在、オープンイノベーションの概念を経営課題解決に持ち込んだ、新しい形の経営コンサルティング事業を展開しております。

クライアントの経営課題の特定から解決方法提示までをコンサルタントが務め、具体的な課題解決における実務担当者を各分野(経営戦略、財務、マーケティング、人事など)のプロフェッショナル人材が実行・解決していくという事業です。

その中で、私がリーダーを務めるのが【広告・マーケティング業界】
これまで、業界の数百社以上の企業経営者とディスカッションして、実際に数多くのプロジェクトをご一緒することで、業界の共通課題と言うモノがおぼろげに見えてきたので書きまとめたいと思います。


「事業会社」または「機能会社」

まず、広告・マーケティング業界に対応する会社は、メルカリーやLINEのように自社ビジネスやサービスを展開する「事業会社」としての一面は少なく、広告代理店・制作プロモーション・マーケティングベンダーなどに代表されるように、企業がビジネス推進しく上で必要なバリューチェーン上に、メディアバイイング機能、ウェブ広告運用機能、クリエイティブ制作機能など特定の部分を受けている「機能会社」としての一面が大きくなります。

その中で「機能会社」が顧客マーケットから求められた「機能」を追求することを企業の競争戦略の優先事項として掲げる比較的短期的(ミクロ的)な施策が得意な企業が多いことは比較的安易に判ります。

ただ、それが同時に、村社会化を生み出している感も否定できません。

提供サービスの競合優位性を見出だせずに価格競争の戦略をとることや、現在の事業ドメインから抜け出すような決断や検討が出来ない企業など、長期的(マクロ的)な視点での経営戦略が欠けている企業が多くあります

「機能会社」の抱える「歪み」

実際にご相談頂くことが多い、組織強化やリーダー育成などの人事戦略や、M&Aや中期経営計画策定などの財務的戦略(カネ)などは、独自のサービス面での競合優位性(モノ)を優先してきたが故の業界共通の「歪み」ということではないかと感じています

「事業会社」は、その事業(サービス)を世の中に展開するための財務戦略、その事業フェーズごとに必要な組織計画上の人事戦略、それに事業やサービスをより良いモノにするための開発投資等が比較的に計画立ててやすい傾向にあります。

一方で、ここで定義している「機能会社」は、顧客のビジネス推進のバリューチェーン上の機能としての役割を果たしていることが主なミッションであるため、経営戦略の重要な指標や情報が、顧客やマーケットの動向に影響が及んでいることが多く、独自での計画が立てづらいことが、この「歪み」を生じさせている大きな要因と考えてます。

また広告マーケティング業界を取り巻くのトレンドやマーケットの変化は他の業界よりも大きく変化も速いことも経営陣の検討事項に対して、最終的な決断を下すことができない「歪み」の要因となってます。

考察の結果

上記が「事業会社」と「機能会社」の定義。そして、広告マーケティング業界に面して感じている「機能会社」の「歪み」となります。

「機能会社」として顧客マーケットから求められる「機能」を、会社の主なミッションとして遂行するビジネスモデルである限り、競合優位性を持つ「機能」を追求していくことは大切な戦略です。
ただ、これと同様もしくはこれ以上に、他に優先する戦略があることを意識して、企業の保有する経営リソース(ヒト・モノ・カネ)の最適な活用方法や、全社的に向かうべき方向性を策定する必要があると考えます。

オープン・イノベーションが叫ばれる中、広告マーケティング業界の企業もまだまだ「自前主義」が強く、本来の経営改革や成長戦略に取り組んでいる企業は少ないと思います。

・事業の中核を担うリーダー層の離職リスクを低減したい
・コンサル要素を取り込み、より経営戦略の上流からアプローチしたい
・利益体質な経営を目標に掲げて、業務生産性を向上させたい
・労働集約モデル抜け出すために、大手の優秀な顧客を獲得したい
・クリエイティブ機能強化のために、戦略的M&Aを実施したい
・社内の様々な職種に合わせた人事評価・報酬制度を改定したい

これらのような「〇〇したい」という既存の経営改革に対しての施策でも、これまで積極的に取り組んだことのない社内の知識や見識では、なかなか「解」が導き出せていないように考えてます。

一部、村社会化している広告マーケティング業界の中の人(ましてや数十〜数百名の自社の従業員)からは、モノの戦略についての「解」は出てくるかもしれません。
(この認識が、自前主義を助長している原因かと考えてます。)

ただ、人事戦略や財務戦略について、「解」を導き出すコトについては、他の業界の方が、圧倒的に進んでいるコトが多いことも知っておく必要があるかと思います。

例)
・人事戦略 = リクルート、メルカリ
・財務戦略 = ソフトバンク、トヨタ

今回、明確な業界の目指すべき成長戦略やマクロ的な経営リスクについては割愛しますが、業界の共通課題と打開するための方向性を下記にまとめさせて頂きます。

・経営課題の優先順位再考の必要性
・社内(同業界)を、思考する上の限界としないこと

この2点を認識しながら、適切な経営戦略を推進して頂けると幸いです。


以上、長文となり恐縮です。

私自身、幅広い業界や特性の異なるビジネスに関わっている「機能会社」の特徴に魅力を感じて、「商社」「広告代理店」「コンサル会社」という「機能会社」に分類される業界でビジネスを経験してきました。

その中で、日々、様々な方とディスカッションしていくために自身も認識しておかないといけない視点や、社内外の知見や経験による経営課題の解決を推進するコンサルタントとしてして大切にしている見解を交えて書き記しました。

諸先輩方から見ると、稚拙な考察であると思います。失礼しました。
今よりも、広告マーケティング業界が面白く良い世界になりますように。
何らかの気づきがありましたら幸いです。

Yukiyasu Oono
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