ストレスで心臓病にならないために!
知って得する傾向と対策

Yuko S
Yuko S
Feb 23, 2017 · 5 min read

「仕事がありすぎて、今日も残業・・・」「自分のペースで仕事ができない・・・」など、仕事に伴うストレスは、心臓病になる原因の一つであることがわかっています。
今回は、ストレスと心臓病の関係、ストレスで心臓病にならないための秘訣について、これまでの研究をひもときながらお伝えします。

どのようなストレスが心臓病の原因となる?
どのようなストレスが心臓病の発症に影響するのでしょうか?
約1万人のイギリス公務員を対象に11年間にわたり仕事における肉体的・精神的努力と報酬の比と、心臓病の発症について検討した研究があります1)(図1)。

図1.仕事における努力と報酬の比と心臓病発症との関係(文献1より引用改変)

図1より、仕事における努力と報酬の比が高い、つまり「がんばっているのに、認められない・報われない」と感じていることが心臓病の発症を高めることが分かります。ここでの認められない・報われないこととは、サラリーのほか、仕事の上で得られる評価、雇用の安定性や見通しが得られない状態を指します。
しかし、国際競争の激化と経済不況により、私たちを取り巻く社会はこのようなストレスが生じやすい環境となっています。では我々は、どのようにしてストレスに対処し、心臓病を予防したらよいのでしょうか?

ストレスによる心臓病にならない秘訣 その1:独りにならないこと
ここにストレスと心臓病に関わる興味深い研究があります。
この研究は162人のフルタイムで働く教職員を対象に、仕事からの帰ったときの血圧の変化量について、誰と一緒に住むか(独身者、子供のいないカップル、子供と一緒に住む両親)で分類し調査しています2)。

図2.家族構成にて分類した帰宅後の血圧変化量(文献2より引用改変)

調査の結果、帰宅後に最も血圧が下がるのは、子供と暮らす両親で、次に子供がいないカップル、独身者ではほとんど下がらないとなりました(図2)。この結果より、子供や配偶者と一緒に住むことは、血圧を下げる作用がありそうです。一方で独身者は、帰宅後も血圧が下がらないことから、ストレスが高い状態が続いていることがうかがえます。その他の研究からも一般的に結婚をしていて、社会との連携の深い人は長生きをし、社会的に孤立している人は心筋梗塞後の死亡リスクが高いことが分かっています3)。
これより、心臓病にならないためのストレス対処法として、独りにならないことがカギとなりそうです。

ストレスによる心臓病にならない秘訣 その2:ペットと一緒
独りにならないためには、ペットと一緒にいることも有効のようです。
これは結婚しているカップル240組を対象に、数の計算や寒冷試験などのストレスを無作為に与えて、①一人でいるとき、②ペットと一緒、③配偶者と一緒、④ペットと配偶者と一緒の4グループに分けて、心拍数や血圧反応を調べた結果があります4)。

この結果、①一人でいるときと比べて②ペットと一緒の方が数の計算時や寒冷試験などのストレス時の心拍数・血圧の反応を抑え、回復も早かったことを示しています。ペットと一緒にいることは心臓病に悪影響を及ぼすストレス時の血圧や心拍数の反応を穏やかにするようです。
その他の研究でもペットと一緒にいることが、心筋梗塞後に長生きする要因の一つとなっています5)。

仕事によるストレスにさらされながらも懸命に働く現代人は、心臓病になる危険性をそなえています。家族や社会、そしてペットも含めた“つながり”がストレスによる心臓病にならない秘訣となりそうです。

参考文献
1. Kuper H, Singh-Manoux A, Siegrist J. When reciprocity fails: effort–reward imbalance in relation to coronary heart disease and health functioning within the Whitehall II study. Occup Env Med 2002;59:777–784.
2. Steptoe A, Lundwall K, Cropley M. Gender, family structure and cardiovascular activity during the working day and evening. Soc Sci Med 2000;50:531–539.
3. Berkman LF, Leo-Summers L, Horwitz RI. Emotional support and survival after myocardial infarction. A prospective, population-based study of the elderly. Ann Intern Med 1992;117:1003–1009.
4. Allen K, Blascovich J, Mendes WB. Cardiovascular Reactivity and the Presence of Pets, Friends, and Spouses: The Truth About Cats and Dogs. Psychosom Med 2002;739:727–739.
5. Friedmann E, Thomas SA. Pet ownership, social support, and one-year survival after acute myocardial infarction in the Cardiac Arrhythmia Suppression Trial (CAST). Am J Cardiol 1995;76:1213–1217.

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