「メガネ君」

名ゼリフじゃないけど、スラムダンクの心打つサブタイトルはこれだなあ。 
ぼくの中では陵南戦での木暮の3ポイントシュートは、 
全編通して一番感動したシーンかもしれない。

スポーツ漫画ではたいてい、花道たちみたいな「バケモノ枠」がメインキャラだけど、 
メガネ君たちのような凡人枠もある。 
で、読者として気持ちが入るのはバケモノ枠の方だけど、 
同調や共感しやすいのは凡人枠だ。

メガネ君はあの作品では、凡人だけど、 
でもかなり特殊だったなと後になって思いました。 
赤木や三井はもちろんとして、 
あの花道や流川でさえなぜかメガネ君には一目置いて、彼の言うことは聞く。 
リョータはちょっとわからんが、でも特に逆らってるところは見たことないし、 
メガネ君がどうこうしなくちゃいけなくなる前に彩子さんがどうにかしてくれるからね(笑)。

湘北バスケ部の「お母さん」であるメガネ君(笑)。 
その「内助の功」を赤木や三井は知ってるし、花道たちも肌で感じたり、 
あとで聞いたりして、ごく自然に敬意を持っているんだろう。 
実はメガネ君がいなかったら、湘北の問題児軍団は、 
まとまるのにかなり時間がかかるか、あるいはささいなことで分裂してたかもしれない。
「生きた潤滑油」というのは目立たないけどすごく重要なんですよね。

そのメガネ君が最後の最後、実質的な勝利、 
しかもインターハイ出場を決めるシュートを決めたなんて、 
ぼくがメガネ君の立場だったら、あれだけで三年間が報われた気持ちになっただろうな。

余談ですがあの3ポイントシュート、 
「メガネ君」の前話「素人・桜木2」で打ち、 
最後のコマで「入った」シーンが描かれてるのがよかった。 
ああいうシーンって、入るか入らないかわからないところで止めて 
「待て次号!」って引っ張ることも多いけど、 
個人的にはそれやられると逆に冷めるところがあるんですよね。

これは感性の問題だからしょうがないんだけど、 
だからドラゴンボールで初代ピッコロ大魔王との決着シーン。 
「つらぬけー! はーっ!」で終わって、次の週で貫いたのは残念だった。 
それに対してピッコロ大魔王(マジュニア)との天下一武闘会の決着は、 
しっかり同じ週でついたので大満足でした。 
個人的にドラゴンボールのベストバウトはあの闘いだと思っています。

もう一個ついでに。 
作中で花道は、 
失礼でありながらあまりにピッタリでシンプルなあだ名をつける天才ですが(笑)、 
でもあれって、どこか一目置くところがある相手にしかつけてない気がするんですよね。
選手だけでなく監督にも。 
流川も「ルカワ」と呼び、実質あだ名をつけてるようなものだし。 
そうじゃない相手の名前は覚えることすらできない(笑)。

その意味では、メガネ君はやはり特殊な立場だなと感じます。 
一目置かれつつも、決して失礼ではないあだ名って、 
たぶんメガネ君だけだからね。 
いや、メガネ君も結構失礼だし、 
そうじゃなくても一年生が三年生にあだ名つけて 
面と向かって呼んでる時点で充分失礼な話ではありますが、 
そこは今さらということで(笑)。