初めての単独深圳会社&工場訪問
Shenzhen Sinbad Motor(高品質なコアレスモータの会社)
今回こちらのニコ技深圳観察会の途中、午前中がフリーな時があったため、Shenzhen Sinbad MotorというHapbeatで採用している高品質なコアレスモータを製造している会社を訪問してきました。独自の手法で高性能モータの代名詞、Maxonモータと同等のクオリティでかつ納期が早く、価格も1/3未満を実現しています。特許があるので、深圳で高性能なコアレスモータはこの会社しか作れないそうです。高性能のコアレスモータが必要になったら是非お問い合わせを。本編はこちら。
ツアー中(1日目、Insta 360訪問時)に発注していたモータが完成した、とのメールが届き、細かいやり取りをする最中、せっかく深圳に来たんだから工場とか見せて欲しいな~、と急なこともあり若干ダメ元でメール送ったらあっさりOK、しかも送迎までしてくれるという...これが深圳か!(違うかもしれない)ということで、私しか知らないと思うので、詳細に説明します。
会社
まず始めにホテルから会社まで車で連れて行ってもらいました。車は日産。聞くところによると日本車はとても人気があるそうで、そこら中TOYOTAやらNISSANの車が走っていました。と共に、BYDという中国の自動車メーカーのシェアもとても大きいとのこと。(実際たくさんみました。)さらに街中のバスは全てBYDのEVバスらしいです...EVシフトがうたわれる今日、そのうち自動車市場が飲み込まれるのだろうか...(既に?)
会社の場所は地図の現在地の場所(おおよそ)です。華強北からは結構離れていて、地下鉄も走っていないので車かバスしか選択肢が無い…と思っていたら既に地下鉄建設中とのこと。なんでも現在11線→2019年修了までに29線まで増やすとのこと。恐ろしい…
会社は巨大な商業施設の18階(うろ覚え)の中にありました。深圳では良くある、1~5階までイオンモールみたいな広大な面積のショッピングエリアで、それ以上は巨大商業ビルという建物です。オフィスはとても綺麗で、一流企業なんだなと再確認。(英語が通じる海外マーケティング担当が居る時点で分かっていましたが)中をさらっと案内してもらい、応接室へ。
広くて綺麗で豪華でした。このあたりにしっかりお金を使うのは流石。その場で中国茶のおもてなしを受けつつ、社長さんと簡単にお話をさせてもらいました。たかだか累計200個発注しただけなのにこの待遇...ずっと恐縮しきりでしたが、これが中国でのスタンダートなのでしょうか...ちなみにこれくらいの企業でも英語を話せるのは海外担当だけらしいです。
工場
工場までは10分ほどで着きました。外観はこんな感じ。
建物の外見が古い工場が多い中では比較的綺麗目の建物でした。工場の中はとても綺麗でした。GENESISの工場と同じくらいな感じで多少広めかな?床と天井が綺麗なので、きちんとしているという印象。工場を回りながらLucaさんが色々説明してくれます。(説明に私の推測が混ざっているので間違っている可能性あります。その場合はご指摘いただけるとありがたいです。)
左のはコイル成形機で独自の手法を用いているとのこと(特許取得済み)1000個/hの生産能力があるらしいです。できたものが中の写真のように小判型で出てきており、右のようにカップ状に成型します。
こちらの工場、基本的にオーダーメイドとのことで、モータ径や長さ、シャフトの長さ、トルク、抵抗などこちらが指定したものに調整してくれます。特に大量数発注する必要も無さそうです。ちなみに今回発注した100個のモータではD軸加工、ブラシ部の接着材&圧着、ロゴの刻印などをやってもらいました。
食事
工場見学後、良く行く飲食店に連れて行ってもらえるとのこと。こちらも10分以内に到着です。致せりつくせりで恐縮です。
食事中、話を聞いてて面白かったのが、中国の人は食事に最も重視するのは味で、おいしければ高くても気にしないそう。そして、中国には数十もの郷土(?)料理が存在するのですが、その料理の種類ごとに一つのレストランが独占するとのこと。つまり広東料理のレストランがあったら、近場に同じ広東料理のレストランがあることはまず無いそうです。そしてその決め手は味で、競争は激しいとのこと。(私の理解が間違っている可能性もあるので注意。違ってたら突っ込んでください)
日本の牛丼屋がコストをいかに抑えるかという競争になっていることを考えると、根本的に考え方が違いますね。そりゃどこ行っても中国で食べるご飯が美味しいわけだ。まあ私のようなケチかつそこそこ美味しければ満足するような人間にとっては日本の価格競争はありがたいですが。(その結果がブラック企業...)
他にもLucaさんがサッカー好きだったり、子供のころドラゴンボールやナルトを読んでいたり、日本と中国の違いとかを話して楽しくご飯を食べました。(本音を言うと疲れました。初対面の人と話すときは基本疲れる陰キャなのでLucaさんがどうのではないです)
終わりに
二日前に連絡するという、日本では非常識なアポの取り方にも関わらず今回とても良くしてもらいました。お客さんだから、ということもあるとは思いますが、200個しか発注していない先行き不透明なスタートアップにここまでおもてなししてくれるのは、ビジネス目的というよりこれが中国の文化なのでしょう。正直驚きましたし、もしLucaさんが日本に来たら進んで案内してあげたいなぁと打算抜きで思いました。やさしい世界、良いですね。