インドでのCSR活動に感じる違和感

インドでは今多くの企業がCSR活動と称して様々な活動を行っている。そもそも、背景に、CSR法という法律がありいくらか収益を上げている企業は、その収益の数パーセントを、NPOやNGOのために使わないといけないという法律もあるせいだとも思う。

私自身が活動している団体でも、CSRという言葉を聞くようになった。しかしながら、多くのインド人はCSRについて、勘違いをしているのではないかと感じている。

企業のCSR活動に興味を持ったのは、アメリカのマイクロソフトに行ったときである。マイクロソフトでは、世界的なIT企業の一つという強みをもとに、ITによって、教育機会を創造したりまた、その企業の多様性を活かして、社員を様々なボランティア活動に積極的に送り込んでいる、しかも、給料もちゃんと払ってもらえる。

そもそも、CSR活動とは何か。CSRという言葉は概念的な言葉であるために、いろいろな所で捉え方が違う。それでも、私なりに一番しっくりとくるのが、以下の文である。

CSR is the voluntary integration of environmental and social considerations into business operations, over and above legal requirements and contractual obligations. Multistakeholders Forum(2004)

私が感じている、インドでのCSR活動の違和感とは、多くのインド人はCSRとは、企業が、とあるNGO、NPOに対してお金を寄付するものだと思っていることだ。今日インドでは多くの企業がCSR活動をやっている、しかしレポートやウェブサイトを見てみると、教育支援団体に、●●ルピーの支援をしただとか、自然保護のために●●本の木を植林しただとかしか載っていない。

一方で、支援を受ける側のNPO、NGOもCSRはファンド、つまり寄付をもらうためのしくみだとしか思っていないのではと感じている。CSRの話をすると、私の近くの人は、皆CSRファンドと呼んでいる。例えば、教育系の支援をしているのに全然教育系と関係のない、鉄鋼業や素材メーカーにCSR活動の一環として、資金をもらっている。

上記の定義にもあるように、CSRはファンドではない、企業が本業のビジネスを行う中で、社会問題や環境問題改善に取り組まなければならないことである。つまり、企業が得た収益をどこかに寄付するということは、CSRではない。儲けたお金を罪滅ぼしのように、寄付をするのではなく、ビジネスのプロセスで、そういった問題の解決に取り組むことである。

確かに、インドのよな貧富の差があまりにも激しすぎる国では、儲かった人がが貧しい人に利益を還元するという考え方も、あっても良いと思う。インドではインド独自の問題があるために、欧米の考え方がフィットしないときもあるからだ。

それでも、企業がお金を渡すからあとの活動は、NPO、NGOに丸投げという考え方は、良くないのではと感じている。企業と、NPO,NGOがお互い同じ立場に立って、社会問題、環境問題の解決を目指してこそ、良いCSR活動といえるのではないかと思う。