人は空白を埋めたがる生き物である−イノベーションの近道

Yutaka Shiiya
4 min readJan 10, 2017

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人は不思議な生き物です。

仕事中や勉強中など、脳が活性化している時には、新しいアイデアは出て来づらい。

お風呂に入っている時や自転車に乗っている時、寝る前のボーッとしている時など何も考えていない時間ほど新しいアイデアや面白いコトを思ついたりする。

その時、人の頭では何が起こっているのか?

「脳は空白を嫌う」ものである

人の脳の仕組みとして

  • 空白の原則
  • 焦点化の原則
  • 快・痛みの原則

というものがある。

「脳は快を求めて痛みを避ける」性質があり、「脳に空白が生まれる」と本能的に痛みを避けようとして、必死に「空白を埋めようとする」。

アイデアが出やすい時は、この空白が自然な状態で生じている時で、自分は何も考えていなくとも、脳は勝手に空白を埋めようとしている。

では、なぜ何も考えていないタイミングでいいアイデアが出てくるのか?

人は日々忙しくしていると、心や身体に余裕がなくなる。その間、沢山の事柄や問い、選択肢が頭の中に存在し「空白が無い状態」「空白が小さい状態」になっている。

それを一旦リセットしてあげて、自然に空白が作られる瞬間が、余計な事が無くなり、シンプルに物事や問いを整理して、良いアイデアが生まれやすくなっている状態です。

さて、

自分に「空白を作ってあげる」ことで、脳が空白を埋めようとする状態になったとして、今回タイトルにある『イノベーションの近道』にどうつながるのか。

『イノベーション』とは何でしょう?

イノベーション

全く新しい製品やサービスを生み出すことで、技術革新と訳されることが多い。米国の経営学者クレイトン・クリステンセンは「一見、関係なさそうな事柄を結びつける思考」と定義した。インターネットの登場など、これまでの産業のあり方を覆すようなものは「破壊的イノベーション」と呼ばれる。

「一見、関係なさそうな事柄を結びつける思考」

がイノベーションを生むことだとすると、私は「空白を作ること」こそイノベーションへ近道だと考えるのです。

イメージとして、

頭の中に何も無い空間が存在し、
そこに自分の過去にあった事や見聞きした事、考えている事などがポーンと飛び込んで、それらが融合する事で何らかの意味をもったモノ(イノベーションの種)に変わる状態です。

色々なことを同時並行的に考えたり、インプットを沢山することの方が、それぞれの情報を結びつけやすそう見えますが、人間の脳(意識)はそれほど賢くないので、単純に情報過多で混乱するだけです。

「頭の中に空白をつくる」ことで、Aという情報と一見全く関係のなかったZという情報が出会う場ができて(広い会議室に偶然AさんとZさん2人だけの状態)、初めてその2つの違いや共通点などがわかるようになることで、イノベーションの種が生まれます。

ただ、そうなるといつその瞬間が訪れるのかは、誰にもわかりません。「時と場合」、偶然に任せるだけでは近道にはなりません。

その「空白を作る」方法の一つが『瞑想』です。

瞑想』と言うと宗教的に神に祈りを捧げたり、座禅を組んだり、仰々しく考えてしまうので、個人的にはメディテーション(Meditation)と言っています。

「空白を作る」行為であれば何でも良いのですが、「瞑想」はその方法や手順が確立している為、書籍を読んだり、周りの人に聞いたりしながら始めることができます。

私自身、これをはじめてから様々な気付きが生まれ、今まで混乱していた日常や人生(笑)がまとまりのあるモノとして体感できるようになってきました。

ただ、今でも「瞑想」を定期的に続けられているかというと、そうではありません。。

人は不思議な生き物です。

今年はまた、メディテーションを日常に取り込む習慣をつけたいと考えています。

脳のもう一つの仕組みとして「焦点化の原則」というのがありますが、それはまた今度、、

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