海外音楽系スタートアップとプロダクトいくつか

Yuya Yamamoto
18 min readJan 17, 2016

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音楽系のサービスのかんたんな紹介。
前から興味を持っていたいくつかのプロダクトは、既に資金がショートしたらしく消えてしまっていました。マネタイズ含めグロースさせるのは簡単ではないな〜と改めて感じます。

ただそんな中で、やっぱりMusic Change Your Lifeということで、ワクワクするようなサービスだったり、音楽をもっと楽しもうぜ!というものも。

2016年も5%が過ぎたところで、メモがてらに25こピック。

1. musical.ly (サンフランシスコ)

好きな音楽を選んで自分たちのMVを撮れるSNSアプリ。

音楽を使うので、ダンス動画だったりパロディー系ファニー動画が多い。流行りの縦長動画スタイルで、最近のApp Storeでも上位。

ちらほら女子高生使ってるけど、3代目JSBが使ったらバズりそう。

設立 2014年

2. SOUNDS. (パリ)

好きな音楽をなんでもシェアできるアプリ。

インスタグラムやスナチャに音楽を載せたい!というニーズのみに見事に答えている。海外ティーンズが感情コメントとともにシェアしている感じはLINE MUSICに近しい。

2015年のSXSW Startup Spotlightでも選出されている。

設立 2014年

3. Songkick (ロンドン)

コンサート情報のデリバリーサービス。

2015年には、世界で最も多くのコンサート/ライブイベントを扱うサービスになり、すでにSpotifyやSoundCloudへのAPI提供している。マネタイズはチケット送客のレベニューとアドの模様。

個人的に大本命なので日本でも早くインフラ化してほしい。

MAU 1000万人 (*2015/6)

設立 2007年

4. JUKELY (ニューヨーク)

月額25ドルでライブコンサートへ行き放題なサービス。

アクセラレータ事業Techstars NYC 2013出身。ありそうでなかった毎日イベント行き放題のサービス($25 per month.)を提供。現在世界へ展開中で、ユーザーは1か月に平均2,3のイベントへ足を運ぶとのこと。DJイベントには相性良さそう。

ユーザー数 2700万 (*2014/11)

設立 2013年
2015年 シード Spotify investorsなどから$8.0M資金調達

5. WillCall (サンフランシスコ)

ライブイベント情報のデリバリー&チケッティングサービス。

チケットがアプリ内で購入可能。同類のサービスと特別差別化できている点も見受けられず、San FranciscoとNew York、Los Angelesの3拠点でしか使えない。

設立 2012年
インキュベーター 500 Startups
全3ラウンド 計2.1億円資金調達 (*2014年 Ticket Flyが買収)

6. Fan.si (カナダ)

ファンとアーティストのコミュニケーションプラットフォーム。

ファン月額課金やマーチャンダイジング販売、チャットなどのいわゆるファンクラブサービスだったが、運用に難航したらしくHighValleyという別サービスも始めてる。(微妙)

設立 2013年
2013年 シード 500Startupsから$0.3M資金調達

7. Splice (US)

クラウド楽曲共同制作プラットフォーム。

自身のDAWをコネクトすることで、インターネットを介して他人と作曲など共同作業ができるという優れもの。現在FL Studio,Ableton Live, Logic,ガレバンに対応。
コンポーザーは引きこもりなので、未来は確実にこうなってくるだろうな〜。元ソニーらがファウンダー。

設立 2013年
2013年 シード Union Square Venturesなどから $2.7M資金調達
2014年 シリーズA True Venturesから$4.5M資金調達

8. Xceed (スペイン)

イベント情報&チケッティングサービス。

他の同類サービスよりも、ハウス/エレクトロ/ヒップホップなど深夜のクラブイベント寄り。イベントオーガナイザーに優しい設計になっており、イベント告知のリーチ数等アナリティクスやゲストリストの管理が簡単。

設立 2013年
2015年 シード $0.65M資金調達

https://xceed.me/

9. DICE (ロンドン)

イベント情報&チケッティングサービス。

チケット購入の手数料が一切かからず、アプリ内で出演者の楽曲が聴ける(Spotify API)。同類サービスの中ではデザインが素敵。ただしロンドンのサービスなので、現在はUK内のクラブ/ライブハウス/フェスのみ対応。

Apple iOSの“Best of 2015 Apps.”にも選出されている。

設立 2014年
2014年 シード $1.7M 資金調達
2015年 シード $2.1M 資金調達

10. Hive (サンフランシスコ)

アーティスト向けマーケティングツール。

「Hive」は登録者のデータを集め、自分のファンがどこにいるのか、一番インフルエンスしてくれるのは誰なのか、どこでライブするとお客さんがたくさん来そうか、などを教えてくれる。アーティストMA的な。自分のファンのアナリティクスという面では日本のアイドル・タレントにも相性良さそう。

設立 2014年
YC S14生
2014年 シード $0.12M 資金調達
2015年 資金調達(金額非公開)

11. Mixlr (ロンドン)

ライブミックスのブロードキャストサービス。

アプリケーションを使用することで、簡単にミックスラジオが流せます。終了後も、流した音源を簡単にMixCloudなどへエクスポートすることが可能。
当初SNSでよく使っている人を見ましたが、今はどうなのでしょう。

設立 2012年

12. ToneDen (サンフランシスコ)

ファンコミュニティー&アーティストサポートプラットフォーム。

イメージ的にはサウンドクラウドに近しく、楽曲のストリーミングももちろん可能。現在22万アーティストが登録しており、サウンドクラウドでフェイマスなアーティストもすでに多く利用。

設立 2012年
2013年 Node Summit Audience Choice Winners
インキュベーター StartX

https://www.toneden.io/

13. Drip (ニューヨーク)

アーティスト/レーベル専用のサブスクストリーミングサービス。

ストリーミングサービスだが、アーティスト/レーベル単位で課金&利用可能。月額課金額は自由に設定が可能で、エクスクルーシブなコンテンツの有無がポイント。有名どころでは、最近になってMad DecentやOwslaが利用。

設立 2014年
2015年 シード $1.5M 資金調達

14. SoundBetter (イスラエル)

ミュージシャン&エンジニア向けマーケットプレイス。

トラックの売買、レコーディングスタジオ探し、ミックス・マスターをプロのエンジニアへ依頼などがCtoCで可能なサービス。レビューする仕組みもあり、Air bnb for Musicのよう。

設立 2012年
インキュベーター 500 Startups

15. SoundFocus (ワシントン)

iPhoneにアンプを付属できるガジェット。

ハードに加えて、専用のアプリを利用することで好みのイコライジングをアンプにかけることも可能。手放しの通話でも聞き逃すことがなくなったりサウンド環境は断然よくなるけど、少しでかい。Yコン(2013)出身。

プレオーダー $99
アプリ 20万DL (*2015)

設立 2013年
2012年 ノーステージ $0.15M資金調達
2013年 シード $1.7M資金調達

16. SONOS (カリフォルニア)

スマートHiFiスピーカーシステム。

ワイアレススマートスピーカー。専用アプリで音量やイコライジングの設定が可能。複数台のスピーカーを簡単に設定できる点と、アプリが優秀で幾つかのストリーミングサービスへの接続後、専用アプリ内から全ての音源管理ができる。

設立 2005年
2005年 ノーステージ $17.9M e.venturesから資金調達
2005年 ノーステージ $2.2M 資金調達
2005年 ノーステージ $15.0M e.venturesから資金調達
2007年 シリーズB $4.8M e.venturesから資金調達
2010年 ノーステージ $25M Index Venturesから資金調達
2012年 ノーステージ $135M 資金調達
2012年 ノーステージ $99M 資金調達
2013年 ノーステージ $25M 資金調達

17. Blend (ニューヨーク)

クラウド楽曲共同制作プラットフォーム。

Spliceに続き、同類ではこの2つのサービスが第一線。対応DAWはAbleton Live、FL Studio、Logic、GarageBand、Maschine1&2、Reason、ProTools、Cubase、Nuendo、BitwigStudio、AudioStem。DropBoxとの同期が必須になってくる。個人的にはUI/UX部分でSpliceの方が好き。サービス内でステムの売買・ディストリビューションも可能。

設立 2013年

18. Linkfire

アーティスト向けURLマーケティングツール。

50以上の配信ストアやストリーミングサービスへのURL導線と、日付や国などをトラッキングし、アナリティクスを提供。これからデジタル化の中で地味に便利そう。ユニバやワーナーのマネージャーも利用してるとのこと。

設立 2014年

19. Muzeek (オーストラリア)

オンラインブッキングプラットフォーム。

オンラインで簡単にアーティストのブッキングが可能なサービス。招待制でしか利用することができず(アーティストもプロモーターも)、現在5000組が利用している模様。インターフェースがシンプル。

設立 2014年
Winner of national Good Design Award in Australia in 2014
2015年 シード $0.3M 資金調達

https://www.muzeek.com/

20. Jukedeck (ロンドン)

人工知能による自動作曲サービス。

ジャンルや曲調、曲の長さ、BPMを指定すると、誰でも簡単にオリジナルの楽曲をつくることが可能。しかも、生成された楽曲はロイヤリティーフリーなので、映像を撮ったけどBGMがない!という時などに便利。

設立 2015年12月
TechCrunch Disrupt London

21. Moodsnap

イメージに合った音楽をメモリーしてくれるアプリ。

写真にあった感情の楽曲をセレクトしてくれるサービス。Spotifyプレミアム加入がアプリ利用に必須条件というのがハードル高めだが、エモい写真が取れた際にでも。楽曲利用するアプリではSpotify同期が圧倒的に多い。

設立 2012年

22. Concert.Expart

ライブ会場のオートプロモーションツール。

イベント市場拡大に伴い、関わる手間を減らすべくスピーディーにブッキングができることを目的に。カレンダーでのイベント管理や各SNSなどへのプロモートハブとしての機能がメイン。

設立 2014年
アクセレーター Happy Farm

23. Patreon (サンフランシスコ)

クラウドファンディングサービス。

アーティスト・クリエイター向けのクラウドファンディングサービス。特徴としては「per month」制、つまり月額制のファンドサービス。YouTuberだったり、アーティスティックな個人の利用が多い印象。

設立 2013年
2013年 シード $2.1M 資金調達
2014年 シリーズA $15M 資金調達

24. ToneTree

どこでも演奏可能なスマート楽器。

キーボードやサンプラーがレーザーで表示され、演奏できるMIDIコン?のようなガジェット。こういったハードの未来は楽しみです。

設立 2014年

25. 8tracks (サンフランシスコ)

プレイリスト型インターネットラジオ。

参加しているユーザーが制作した「mix」と呼ばれる楽曲集を、投稿・共有できる。今やパンドラ、iHeartRadioに続くユーザー数を抱えるほどに。

MAU 800万 (*2015)

設立 2008年
2011年 シード $1.2M 資金調達
2014年 シード $1.4M 資金調達

ストリーミングサービス関係は除外しました。今後はワイヤレスイヤフォンなどIoT分野とDAWのクラウドコンピューティングが楽しみなところ。

他にも音楽系のプロダクトやサービスを知りたいと思っているので、あれば教えてください。

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