シン・ゴジラを観てきました

ザ区
2 min readJul 31, 2016

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最高だった。

“エヴァの監督が、特撮オタクとして、ゴジラを撮った”

それが本編を観終わっての印象で、それはまさに僕が期待していたものであり、予告の時点で最高だったが故の、予告の方が面白くて本編はガッカリするんじゃないかとか、巨神兵東京に現るの時のようにやたら怖いんじゃないかとかいう不安も杞憂に終わらせてくれる、コレ!という映画だった。

現実対虚構 と書いての ニッポン対ゴジラ というコピーのままに、日本(政府)がゴジラという事態に立ち向かう様に終始し、(個人的にあんまりいらないと思っていた)今までのシリーズにはよくあった巻き込まれる一般人の人間ドラマ的なものはない。ハリウッドに全くと言っていいほど媚びず、むしろこれは日本以外の人にどれくらい伝わるものなんだろうか、と思うけど、ともあれ僕は日本人なので大変楽しめた。

子供だましではなく、かといって過度にグロやホラーにして大人だましになるわけでもなく、非常に純粋な怪獣映画、日本の特撮映画であった。そこに加えて、随所でかかる伊福部昭の音楽が、これは間違いなくゴジラなんだと安心感すら与えてくれた。ヤシオリ作戦が開始して、ゴジラへの攻撃が始まった辺りでなんだか泣きそうになったのは、満を持して流れる宇宙大戦争とは無関係ではなかったと思う。

なにしろ音楽が良くて、それこそ音楽だけでも、“エヴァの監督が、特撮オタクとして、ゴジラを撮った” 映画であることが分かるのだけど、その上で一曲一曲をきちんとエヴァ及びゴジラの文法に則って演出に使っており、外さない。これは久々に映画のサントラを買わねばなるまい、と決意したのだけど、iTunes Storeにはないし、Amazonは1か月~2か月以内に発送とかなってるので完全に在庫切れっぽい……

これまで、初代ゴジラを金字塔として、シリーズでそれなりの名作や、びっくりするぐらいの駄作など、数多くのゴジラ映画は作られてきたわけだが、今回のシン・ゴジラは、初代とまでは言わないまでも、シリーズの中では頭一つ抜けた作品ではあると思うし、後世に影響を与える(与えて欲しい)大きな作品だと言っておきたい。

怪獣映画好きの溜まりに溜まった鬱憤を晴らしてくれる、いい映画だった。

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