国家予算で育成したエンジニアに五輪でボランティアの恩返しをさせるプランに対する批判(と対案らしきもの)

「五輪にはボランティアで働けるエンジニアが必要」発言の真意を聞く — ZDNet を読みました。コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)会長 荻原紀男氏は次のような仕組みを提案します。すなわち政府の予算でエンジニアを育成し、そのエンジニアにボランティアで「恩返し」させるというのです。このプランは様々な問題を抱えています。

最大の問題は「ボランティア」を強制することなど誰にもできないのであって、このプランの結果はなんら保証されていないということです。入学契約書で「1ヶ月間のボランティア労働」に同意させるとでもいうのでしょうか。それは労働基準法や消費者保護法など様々な法律上の問題を抱えることになるのではないかと思います。(弁護士ではないので正確な法律判断はできませんが)

批判は以上です。そして対案らしきものもいちおう提出しておきます。それほど深く考えていませんが。

まずは「五輪関連で100億円のセキュリティ投資」などの政策をブチ上げます(金額はテキトーです)。その特需を見せつけることで民間の人材投資を喚起します。次にエンジニア育成事業を手がけるNPOを助成します。NPOを通じて無償ないし薄謝の講師を同意できるため、すべての講師をそれによって生計を立てている「プロ講師」として雇うよりは高い費用対効果が得られます。そして前段のセキュリティ投資事業の委託先選定において、後段のエンジニア育成事業の卒業生を雇った企業を優遇するといった具合に二つの施策をリンクさせることも有効ではないかと考えます。

なおエンジニア育成事業を手がけるNPOはたくさんあります。Code.orgCodecademyCoderDojoなどのNPOは有名です。ボランティアでエンジニアを育成するというアイデアは決して非現実的なものではありません。NPOにとって資金が潤沢であることなどまれなのであって、わずかな助成金であっても高い費用対効果をもたらすでしょう。

荻原氏の「国家予算で育成したのちボランティアで恩返しさせる」というプランよりも、私の「NPOが主体となって育成した人材を五輪という舞台でデビューさせる」というプランのほうが、よほど現実的ではないでしょうか。

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