NHK連続テレビ小説とモダンガールの話

最近のNHK連続テレビ小説は「進歩的で自立したモダンガールの活躍譚」が増えてますね。赤毛のアン翻訳者、日本女子大学創立者、暮しの手帖創刊者でしょ。

「報道現場が保守化しているので、ドラマ制作現場がバランスをとろうとしている」という見方は深読みが過ぎますかね。

念のため補足しておくと、「進歩的」「保守的」は伝統的な対義語です。昭和においては、それぞれ「左翼的」「右翼的」の同義語でもありました。

要するに「どんどん根本的に変えていかなくちゃダメだ」というのが左翼、「あまり変えなくてもいい」というのが右翼です。

「持てる者」はいまのルールに満足しているし、ルールを変えて「勝ち組」から転落するリスクを嫌います。だから右翼は既得権益と結びつきやすく、左翼は弱者と結びつきやすい傾向があります。

NHK連続テレビ小説では、女性が徐々に男性並みの人権を獲得していく時代に、そこで活躍する女性が描かれています。「被差別者・弱者である女性」が主役であることは、なおさら「進歩的」(リベラル、左翼的)な印象を与えます。

冒頭で「モダンガール」という言葉を説明なしに用いてしまいましたが、これも特別な意味を持つ言葉です。大正デモクラシーの時代に社会進出していった女性たちのことを「モダンガール」(モガ)と呼びます。モガの多くが「職業婦人」でもあったようです。

この「職業婦人」という言葉は、大多数の女性が「イエ」に縛り付けられ隷属的な立場にあったなか、女性が職業を持つということの例外性・特筆性を表しています。

それにしてもモダンガールいかしてんな… https://goo.gl/Bri9c2 やっぱりココ・シャネル的ですよね。ココ・シャネルという人物は、旧習に囚われず自由に人生を切り開いていった「ザ・モダンガール」ですもんね。

NHKの話に戻ると、「ニュースは右傾化してるけど、それへの反動としてドラマが左傾化してるのかな」と思った、ということです。無意識・無自覚にそういう組織的反応が出てくるということも、ありえるのかなと。まあ当て推量なので、的外れかもしれませんがね。

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