UIデザインの中心教義:Trygve(1979)~Cooper(2014)

石橋秀仁 (Hideto Ishibashi)
3 min readFeb 23, 2015
トゥリグヴィ・リナカウ (Trygve Reenskaug) の論文(1979)に掲載されている、モデル・ビュー・コントローラー(MVC)アーキテクチャの説明図

「ユーザーのメンタルモデル」と「ソフトウェア実装モデル」と「ソフトウェア設計モデル」の三者間のギャップが課題であり続けてるんですよね。1979年のMVC登場以来ずっと、2014年の“About Face 3”まで。

The essential purpose of MVC is to bridge the gap between the human user’s mental model and the digital model that exists in the computer.

アラン・クーパー (Alan Cooper) のAbout Face 4 (2014)に掲載されている、実装モデル・メンタルモデル・表象モデルの違いの説明図

あ、クリッペンドルフも。

クラウス・クリッペンドルフ (Klaus Krippendorff) の『意味論的転回―デザインの新しい基礎理論』(2009=2006)に掲載されている、二次的理解としてのデザイン意味論の説明図

要するに、

  1. デザイナーの頭のなかにある「ユーザーはこのように理解(モデリング)する」という理解(モデリング)
  2. デザイナーが「頭のなかにあるモデル」を実現しようとした時に、技術的な制約のもとに決定される実装上のモデリング
  3. 実際にユーザーの頭のなかで起こる理解(モデリング)

のそれぞれ(つまり1–2間、および2–3間)に、ギャップがありますね。そのギャップこそが、UIデザインの最も中核的な課題であるということです。

近年のMVC論争の多くが「MVCの主目的」から外れたテクニカルな話にばかりなってしまっているのは残念です。

The essential purpose of MVC is to bridge the gap between the human user’s mental model and the digital model that exists in the computer.(再掲)

MVCの本質的な目的は、人間のメンタルモデルと、コンピュータ内のデジタルモデルの間のギャップを埋めることです。

情報建築家からは以上です。

--

--

石橋秀仁 (Hideto Ishibashi)

ソフトウェア開発者/情報アーキテクト(IA)/アート・ファン https://hideishi.com