【オーストラリア東海岸】

秘境の岬、バイロンベイ留学ルポ

Kodai / A Four Leaf NPO
A Four Leaf
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15 min readJul 23, 2016

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海外に行く。と言ってもその形は100人いれば、100通りある。サーフィンをするなら、ハワイに行くか?オーストラリアに行くか?ハワイはアメリカだから、アルバイトをするビザの取得が難しいが、オーストラリアは30歳以下であれば、自由に就労が出来るワーキングホリデービザというプログラムがある。この制度を利用すれば、現地でアルバイトをしながら、1年間滞在できるというのであれば、この制度を利用しない手はないだろう。

短期滞在であれば、気の知れた仲間と観光ビザで入国して、シドニーから東海岸をレンタカーで安宿に滞在したり車中泊等をするのも楽しいけれど、何かのチャンスとして与えられたこの特別な1年間であるワーキングホリデー制度を利用出来るのであれば、自分が滞在したい地で仕事をしたり学校へ行ったり、ボランティアををしても良いし、点々と場所を移動して旅をしても良い。

目的は必ずしもサーフィンである必要はないが、自然を愛する人と都市部やナイトライフを好む人では、求める環境が全く異なってくる。ここに登場するバイロンベイは、都市やナイトライフとは全く無縁であり、むしろ自然の環境を保つ事によって、他には類を見ない有機農業やオーガニック、ファーマーズマーケットの盛んな地域へと発展し、今ではオーストラリア中からでなく、世界各地からそこを訪れる人が増えるようになった街である。

▼一度は行ってみて欲しい、芸術とロハスの街 バイロンベイ

知る人ぞ知る、“地上でただひとつの場所”、バイロンベイ。 ゴールドコーストの南、オーストラリア最東端の岬に位置する街には良質の波と、それと同時にイルカや亀、運が良ければクジラやマンタまで見る事が出来るマリンライフに恵まれた天国のような環境にある。昔から大型店舗やフランチャイズのマクドナルドやスターバックスのような企業は一切受け付けず、個人スーパーやカフェ、ハンバーガーはホームメイドで、有機野菜が挟まれる絶品。

サーファー達の溢れる海辺のビーチで座り込めば、少し遠くの方からドラムの音が響きわたり、夕暮れの前には気づくとドラムサークルとなり、そこで踊りだす人も溢れる無料のクラブに早変わり。

マーケットで行われているキャンドル作りワークショップの作品。子供たちで溢れかえる人気ブース。

昔は治安が悪くドラッグがあふれていたと言われるバイロンベイだが、今は年間100万人を超える観光客を国内外から集める観光立国として成功したモデル例として高い評価を受けており、週替わりで行われるバイロンベイ郊外のファーマーズマーケットは世界の中でも滅多にない規模のマーケットだ。

早起きして町中にあるカフェで朝食を取っていると、気づけば周りはマックブックを広げて、朝食をとりながらビジネスミーティングをしているグループや仕事をしている人が集まっていた。朝から仕事?と思わせられるが、どうみても優雅に仕事をしているようにしか見えないから、そんな生活を見て羨ましくなる。

どこのお店もそこそこ値段設定が高い事やファストフードではないのでサービスが遅いという事をがネックだが、海外留学やワーホリに来ていてそんなに焦る事はない。もちろん、注文を忘れられていたらショックだし、差別がないとは言い切れない。この街は、ホームメイドの食事がテーブルまでやってくるの時間が「長い」と考えるのか?それとも、ファストフードが 「短すぎておかしい」と考えるのか、普段は考えもしない事を、感づかさせてくれる場所なのかもしれない。

そうかと思えば、街の中心にはウールワースと呼ばれる、オーストラリア全土に広がる大型スーパーがある為、常にオーガニック栽培された高価な食材以外にも、選択をする事が出来るのがバイロンベイの良いところだと思う。このウールワースの料金設定はとにかくやたら安い。ペットボトルの水が高いと言われるオーストラリアだが、こういった大型スーパーマーケットで購入をすれば$1以下で買えてしまう。日本で言えばイオンのようなホームブランドを扱っており、学生やワーホリに取って生活の命綱だ。チョコレート菓子のTimTamだって大安売りされる事があるし、パンやお米にお肉、チーズ、甘いものやお菓子も良心的な価格だ。

▼小さな街にある語学学校BBELS

バイロンベイは人口たった数千人という街に、年間で100万人の人が訪れる観光地である為、街で出会う8割・9割の人が観光客、留学生、またはワーホリの人たちという事になる。バックパッカーホステルに滞在して、旅人との出会いを楽しむもよし、アーティストの集まるキャンプ村に行き、特別な夜を過ごす人もいれば、留学生やワーキングホリデーのように、ホームステイやStudent Houseと呼ばれる学校が管理をしている一軒家を学生寮にした家で学生同士で英語を学びながらバイロンベイ生活を楽しむ人もいる。

前述のように観光客が100万人であっても、恐らくほとんどの人が英語を第一言語、またはネイティブレベルで操る人である。そして、シドニーやゴールドコーストと比べると明らかにアジア人が少ない為、英語の環境として日本人にとって最初は圧倒されるかもしれない。

ゴールドコースト空港に降り立つと待っていてお出迎えをしてくれたのが学校のフランス人スタッフ。まだオーストラリアに来て1年経たないというが、英語はペラペラで不自由はない。オーストラリア人向けの学校ではなく、外国人、インターナショナルの大人の為の学校である為、スタッフも多国籍で、オーナーが外国人である事も珍しくないが、訪問させて頂いたバイロンベイのBBELSは、ファミリービジネスでありオーストラリア人のマイケルがオーナーを務める学校だ。

学校はもともとバックパッカーズホステルだった建物を利用して、各部屋をクラスルームに改装。キッチンと冷蔵庫はそのまま利用し、学生の食料置き場になっていたり、ランチタイムに料理をする事も出来るようになっており、いくつかに分かれるバルコニーでゆったりと食事を楽しむ事が出来る。1階には日本人の奥さんを持つオージー(オーストラリア人)がカフェを商っており、やたらと日本人にフレンドリーで嬉しい。長年勤務しているスタッフが多く、日本人カウンセラーのKyokoさんもその一人。基本は午前中しかいないのだが、それだけでも十分安心だし、勤務体制もフレキシブルなようで仕事のしやすさを感じられる。スタッフや先生の満足度は学校の質に直接反映される。

語学学校には、英語が苦手な人が英語を勉強しに集まってきているのだから、バイロンベイの中でも学校内だけ、異常にアジア人比率が高いという現象がおきるので、「ワーホリに来て日本人ばかりに会いたくない」という理由や「単純に日本人が少なそうだからバイロンベイに行く」という方には、推奨できない。自然やサーフィン、穏やかな生活、民族音楽やヨガ、オーガニック、有機栽培、ローフード。どのキーワードも平和でスローライフを連想させるものが集まっているように、マインドもピースフルな人が集まりやすい傾向にある。なれ合いと感じてしまうかもしれないが、趣味が近い人が集まりやすい為、自分を解放してくれる気分になる。国籍を超えて友人の輪が広がりやすいのもバイロンベイの魅力であるような気がする。

▼Student House ではなく、Student Hostel

学校側の好意で滞在させて頂く事になったのが、元々バックパッカーホステルであった学校の建物に、そのまま残っている部屋で、驚く事に学校のラウンジからそのまま部屋に入る事が出来る。共用のシャワーやトイレや建物の1階にあり、夜はキッチンを使えるわけだから、便利この上ないのだが、朝に部屋を出たら学生が溢れる学校内であるわけだから、なんとなく落ち着かない。遅刻をしなくて良いのが最大の特権で、ホームステイでトラブルがあった際や繁忙期でどうしても部屋やホームステイ先が手配出来ない場合に利用されるStudent Hostelは4人部屋、食事は自炊で1週間の宿泊費が$200。レートによるが日本円でおよそ16,000円だが、これは安いのか?高いのだろうか?

学校のすぐ隣にあるユースホステルYHAの1週間の宿泊費がYHAの会員料金で$230、1年間の会員費は$25だから、1週間の料金は約2万円である。東京の池袋にあるサクラホステルで似たような共同部屋に宿泊すると1泊3000円、1週間で21,000円となるわけだから、ほとんど宿泊先事情に関しての料金の物価は変わらなそうだ。

時期等によって料金が生き物のように変わるのが宿の値段。必ず事前に公式サイトを確認。上記は2016年7月現在

日本と違うオーストラリアのホステルの良いところは、その施設の充実度かもしれない。YHA にはプールがあるし、夜はきっと旅人で盛り上がるだろう。不特定多数が出入りする欧米のドミトリースタイルの共用部屋は慣れていないとストレスかもしれないが、パーティや出会いを求めている人、英語に自信がある人やお酒に自信がある人は存分に楽しめる。初めての知らない土地で不安であれば、学校のStudent Hostelの方がセキュリティ的には安全だし、二日酔いで授業をサボる事もないので、勉強重視でいるのであれば、Student Hostelが向いている。

BBELSのStudent Hostelの様子。ソファは学校ラウンジでWiFi完備。サーフボード置き場もある。

この他にStudent Houseという滞在先があり、それこそが家を丸ごと借り上げて、学生寮として運営をしているシェアハウススタイルの滞在方法で、むしろこのStudent Houseでの滞在が最も人気な方法である。Student Houseは2人部屋を利用するのであれば、Student Hostelよりも安くなるし、学校までは自転車で行ける距離にある。夜も多少騒いでも平気だし、自由が利くのがStudent Houseである。そして、自由よりも地元での触れ合いを重視したい人はホームステイというオプションがあるのだ。

▼Student Hostel vs Student House vs Homestay

どの滞在方法が良いのか?覚えておかなければいけないのは、すべての滞在方法にはトラブルがないようにシステムを管理・マネージメントを担当する部署があり、滞在先手配の為には2万円弱を手配料として支払う必要がある。料金は学校や国によってまちまちだが、約1万円から2万円が相場だろう。

バイロンべイの留学やワーホリでも例外ではなく、学校に行く場合は滞在先手配料が発生するのだが、それを計算しても長期滞在をしたら、ユースホステルYHAの共同部屋より安くなる。物価高騰が激しく、シェアハウスを見つけるのが大変、または見つけても金額が高かったり最低の滞在日数が決まっている為、見つける事が困難である。その為、ルームシェア体験をしたければStudent Houseがベストの方法だ。

ホームステイは相手が人間の為、差別を防ぐ為にも、学生がステイ先を選ぶ事は出来ずにランダムでマッチングされていく。けれども現地の人の生活を学びたい人にとっては最高の方法で、バイロンベイにはアーティストや一風変わった仕事をしているホストファミリーも多い。英語環境に浸りたい人やスローな生活を求める人はホームステイを選択すると良い。

学校からも歩いて数分、近郊には難易度に分かれていくつものサーフスポットが溢れる。

◆ バイロンベイはこんな人におすすめ

オーガニックや有機農法の勉強をしている方
マクロビやヨガなどの健康への意識が高い方
料理人として仕事を探している方、又は目指している方
サーフィンやボディボード等マリンスポーツが好きな方
のんびりとLOHAS留学を楽しみたい方
アウトドアやキャンプなど、私は自然派!という方
音楽やアート等、新しいイマジネーションを求めている方

▼ワーキングホリデーで来るなら

バイロンベイ周辺で仕事を探すのは至難の業かもしれない。そもそも人口が少ないから仕事の数が少ない事に加え、周辺の土地の値段があがり田舎なのに家賃が高い。周辺には動物系のファームや果樹や野菜系のファームの仕事も多い。周囲は世界遺産級のトレッキングに囲まれているのでアウトドア好きなら退屈しないだろう。アボカドやライチ、日本には馴染みのないカスタードアップルなどが収穫期に働き手の需要が高まる。コットン系のファームも多いそうだ。綿がどうやって植物から出来てくる行程を見るのは興味深い。

左端が1月、順番で右端が12月。色が濃い程需、需要が高まる。オーストラリア政府機関発行のHarvest Guideより抜粋。

特筆すべきファームはやはり周辺のオーガニックファーム。大規模で行っているところもあれば、個人レベルでお手伝いさんを募集しているWWOOFもある。このシステムを使えば、労働力と引き換えに住み込みの滞在費と食費が無料になるので、沢山のオーガニックファームを見てまわる事が出来る。

より楽しい留学、より充実したワーホリにするには?

言うまでもなく、英語力がオーストラリアでの生活の質を左右するのは間違いない。そして行動力・原動力ともなる体力、そして最低限のパソコンやスマホを操るデジタル力がある事によってストレスなく移動や仕事探し、情報収集が出来る。SNSを利用して英語で手に入れられる情報は無限に広がり、だからこそ情報の正しさを判断する為の英語力が必要となる。

留学カウンセラーは留学に一緒に行くわけでもないし、保護者でもなければ友達でもない。留学やワーホリの手続きはやろうと思えば自分でも出来る。

しかし、TwitterやInstagramなどのSNSやネットで見つかる体験談や個人の話が全ての人に当てはまるわけでなく、中途半端な情報だけで渡航をすると痛い目を見る事もあるし、むしろ思ったようにいかない事がほとんどなのが現実だ。少しでも現地での生活を快適に、有効活用できるようにするのが留学カウンセラーの役割であり、いくつもの国や都市、制度と学校の質、環境や雰囲気、現地の人の種類を見てきた体験を生かしたプランニングは、自分では気づかなかった引き出しを開ける作業にも似ている。だから、カウンセリングという言葉が使われるのかもしれない。

無料留学相談・留学カウンセリング・留学進路相談、呼び名は何であれ、次の活躍の場を英語環境でと考えている人がいれば、闇雲に検索をするのだけではなく、是非無料個別相談(カウンセリング)を受けてほしい。申込をするかしないかはその場で決める必要はないし、留学に行く事を決める必要もない。

その際に参考にしたブログやサイトで興味を持ったのであれば、是非そのサイトの運営者に興味がある事を伝え相談をしてほしい。

ア フォーリーフ海外留学NPO ウェブサイト / http://a-four-leaf.com/byronbay/

バイロンベイフォトアルバム / https://goo.gl/H04igf

BBELSの校長マイケルと学校ラウンジにある壁アートの前で。

Mediumの留学ルポルタージュでは、主にライターが実際に訪れた都市や学校、体験した印象や個性豊かなプログラムを紹介します。こんな面白いプログラムがあるのか!こんなに素敵な学校があるのか!海外留学・英語教育に関わり続ける毎日で出会う「留学の形」の一部を皆さまと共有できれば幸いです。

※無料留学相談は完全予約制です。詳しくはウェブサイトをご覧ください。www.a-four-leaf.com

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Kodai / A Four Leaf NPO
A Four Leaf

is dedicated to English Education for Japan's Future, as a Counselor spreads by blogging, speaking of culture and practicing yoga. 未来の英語教育と留学を考えるヨガ好き留学カウンセラーです。