出会いの物語

Shelly
afterwecameback
Published in
Jul 14, 2023

スイスに留学中の12月、友達に誘われてモントルーのクリスマスマーケットに行った。その帰りに一緒に来ていた他の日本人の友達と日本語で話をしていると、隣のボックス席に座っていたアジア系らしき女性が「あの…もしかして日本からの留学生さんでベルン大学に通ってる…?」と話しかけにやってきた。私たちが「はい」と返事すると、「やっぱり!いきなり話かけてごめんなさいね。日本語で話してて『ベルン大学』『〇〇大学(日本の大学)』って言葉が出てきたからつい…。ほら、日本人に会うのって珍しいでしょう…?」と言う女性。話してみると、どうやら一緒にいる男性は旦那さんで、彼女の娘もベルン大学に通っていて日本の大学への交換留学を考えているという。電車の乗り換えまでの時間10分程話して少し仲良くなったあとに、「連絡先交換しない…?もし何かスイスで困ったことあったら連絡して!」と女性に言われてWhatsappで連絡先を交換することとなった。その後チャットで「先ほどはありがとうございました。お話しできて嬉しかったです。」と私が連絡すると、「図々しく話しかけてしまってごめんなさい。何かあったらできる範囲でお手伝いしますよ」とAさんからもメッセージが。「ちゃんとご飯食べれてますか…」と心配しながら、スイスのスーパーに売っている日本のものに近いお米のブランドや、美味しい日本食・韓国料理のレストランを教えてくれた。

Aさんの「何かあったら聞いてね」という言葉に甘えて、私はスイスにいる日本人の美容師さんを紹介してもらったり。彼女も自身が教師として受け持っている日本語クラスに遊びに来ないかと私や他の日本人学生を誘ってくれたりした。また家にもお邪魔してランチを食べることにもなった。彼女は、鳥手羽の甘辛に、おでん、アボカドとサーモンのサラダ、オクラのネバネバ漬けを作ってくれ、久しぶりにたくさんの日本食に囲まれながら、おしゃべりを楽しんだ。楽しみすぎて結局5時間ほど居座り、最初は緊張気味だったAさんの娘aちゃんとも友達となって、彼女とK-popのパーティーに行く約束もした。

このランチ会のあと、約束通りaちゃんとK-popパーティーに行くことなり、Aさんが「その前に夜ご飯ぜひ食べに来て」と言うのでまたお邪魔することに。最終的には私がスイスから去るまで、合計4–5回ほど家に伺うことととなった。aちゃんとは、K-popパティーを始め、スイーツショップや地域のイベントに行くなどしてベルンでの生活を楽しみ、私が留学から帰国後にAさんとaちゃんが日本に来たときには、aちゃんと浴衣を着て街歩きや遊園地に行くなどして日本の夏を一緒の時間を過ごした。aちゃんとん仲良くなってからは、私にとってAさんは「aちゃんママ」になったのだが、Aさんと私の間でのメッセージでのやりとりは続いた。Aさんは私がaちゃんと遊ぶたびに、「aちゃんと仲良くしてくれてありがとうね」「いつもとても楽しかったと言って帰ってくるわ」とママ友に話すときかのような言葉を私にくれるのだった。

私にとってAさんは「友達」なのか「友達のママ」なのか。はっきりしない間柄だったのだが、プロジェクトを通してAさんと話をする中で「友達」寄りの関係性になった気がする。「友達のママ」「娘の友達」という関係性ではおそらくしないような「パートナー」に関するプライベートな実体験や考え方などを話すことができたというのがその証拠である。

Aさん以外にも、今回のプロジェクトを通して話を聞かせて頂いた女性たちと「年の離れた友達」になれたように私は感じられた。そのような関係性を築ける相手ができたというのは、このプロジェクトをやって良かったことの一つだと思う。

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