ARCSチェーン(IFAが開発する独自チェーン)のプロトタイプの作成、および、ARCSチェーンを利用した非中央集権的なユーザデータの登録・報酬の配布の検証に成功。

Mathias Glintborg
AIre_Japan
Published in
4 min readMar 2, 2020

ユーザ主権型の情報銀行を実現するために、PoCプロダクトの作成を通した技術検証を行っています。下記が検証内容になります。

  • ARCSチェーンは、IFAが開発を行っている、情報銀行基盤向けの独自チェーンである。
  • Stake Technology社の協力の元、Parity Substrateを利用して開発している。
  • 情報銀行をブロックチェーンを用いて実現するために、現在、次の要素の技術検証を行っている。
  1. ユーザがデータを登録すると、報酬としてトークンを入手できること。
  2. ユーザが登録したデータは、そのユーザ以外変更ができないこと。
  3. ユーザは、自身のデータへのアクセス権を持っている企業等を常に制御できること。
  4. ユーザは、自身のデータでアクセスを行った企業などから、
    データ提供費用をトークンとして受け取れること。
  5. ブロックチェーンが、ユーザ体験を損なわない形で、上記機能をユーザに提供できること。
    具体的には…
  6. ユーザ・企業は、トランザクション手数料を支払う必要がない。
  7. ユーザ・企業は、通常のWebアプリケーションのような使い方ができる。
  • 上記検証内容のうち、IFA社は2月中旬時点で、AIreチェーンのプロトタイプの開発、及びプロトタイプを利用して(1),(2), (5.a), (5.b)の技術検証に成功した。
  • AIreチェーンは、Public型のブロックチェーンとして開発されている。そのため、誰もがブロックチェーンのデータを閲覧することが可能であるため、何らかの不正が行われた場合にはすぐさま検知が可能であるという性質を持つ。
  • (1)に関して: データ登録及びトークン配布処理を全てParity Substrateのランタイムモジュール(※Ethereumのスマートコントラクトのようなもの)で実現することで、ユーザがデータを登録した場合には、必ずトークンによる報酬を受け取ることができる。これは如何なる者も妨害することができないため、ユーザは自身のデータに関する権利を妨害されることはない。
  • (2)に関して: 登録されたデータのハッシュ値はブロックチェーン上に記録される。そのため、ユーザデータが変更されていた場合、ブロックチェーンのハッシュ値との整合性が付かなくなることから、データ改ざんを容易に検知できる。現在の実装では、ユーザの生データはIFAが管理するバックエンドサーバーに保存しているため、データの改ざんそのものを防ぐことは難しい。将来的には、データストレージとしてIPFSなどの分散ストレージを活用することで、この問題を解決することを検討している。
  • (5.a), (5.b)に関して: ユーザ・企業が送信したトランザクションは、IFAが追加で署名を施す。これにより、ユーザは直接ブロックチェーンと通信を行わたいため、ブロックチェーンの手数料やレイテンシ(遅延)を気にする必要がなくなる。
  • 今後は、技術検証のうち(3), (4)の検証を進めていく予定である。
  • また、開発を行ったPoCプロダクトに関しては、4月中を目処に、ベータテストとして、限られたユーザに公開する予定である。

▼プレスリリースはこちら
https://jp.cointelegraph.com/press-releases/arcsifaarcs

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