【急増中の大腸癌】知っておくべきこととは?

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4 min readJun 30, 2020

現在「大腸がん」は、日本人の部位別がん死亡率では2位(1位は肺がん)を占め、男性では3位、女性では1位となっています。

1990年頃までは日本人の部位別のがん死亡率は男女共に胃がんが1位でしたが、大腸がんが1990年代までにかけて増加を続け現在は胃がんを抜いています。

実際に消化器外科医として扱うがんの症例でも、大腸がんが最も多い印象があります。

それだけ日本人の中でも一般的になった「大腸がん」に関する基礎知識を解説していきましょう。

大腸がんとは?

まず、大腸は「結腸」と「直腸」とで構成されています。

さらに「結腸」は、口側から盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸と名付けられており、「直腸」はS状結腸から続き、肛門までの間の部位となります。(下図)

大腸の模試図

それゆえ、大腸がんという名称は

・結腸がん

・直腸がん

を総称したものであり、さらに結腸がんは

・盲腸がん

・上行結腸がん

・横行結腸がん

・下行結腸がん

・S状結腸がん

と細分化することが出来ます。

ひとえに大腸がんと言っても、大腸のどの部位に発生するかによって、引き起こされる症状も異なってきます。

続いて、大腸がんが出来るとどのような症状が出るのか解説していきます。

大腸がんが引き起こす症状

まず前提として、大腸がんが早期がんか進行がんかによって呈する症状は異なります。

・早期大腸がん…自覚症状はほとんどなく、大腸カメラなどでたまたま見つかる

・進行大腸がん…便に血が混じる「下血」が現れ、さらに進行すると腸ががんで詰まり腸閉塞を起こす

すなわちがんが出現して早い段階では積極的に検査を受けないと見つからないことが多いのです。

ある程度がんが進行してくると、がんの表面から出血しやすくなるため貧血に伴い、息切れ、ふらつきなどの症状が出現してきます。

また、S状結腸や直腸など肛門に近い部位のがんが進行すると、大腸の内腔ががんで狭くなり、便が細くなって出てきたり、固形の便が通過しづらくなり、便秘や下痢が続いたりします。

完全に大腸の内腔ががんで潰れてしまうと、便が通過することができず、いわゆる腸閉塞を来たし、お腹が張ったり嘔吐してしまったりします。

では、どの部位に出来たがんは見つかりやすく、どの部位に出来たがんは見つかりにくいのでしょうか?

・盲腸がんや上行結腸がん…がんからの出血は肛門に到達するまでに黒っぽくなり、液体の便が通過する場所のため便が先細る等の症状は出ない

・S状結腸がんや直腸がん…がんからの出血は明らかに血という感じの色のため、異常に気付きやすく、固形の便が通るところなので便の先細りなどの異常に気付きやすい

以上のように、盲腸がんや上結腸がんなど大腸の前半部分にできたがんではよっぽど進行するまで見つかりにくく、S状結腸がんや直腸がんは比較的自覚症状が出やすいため、見つかりやすいと考えられます。

大腸がんを予防するには?

以上のように、あらゆるがんの中では身近なものである「大腸がん」ですが、科学的根拠のある予防法としていくつか挙げられます。

・お酒は控え目に摂取し煙草は吸わない

・適度な運動を心がける

・食物繊維の多い食べものを摂取する

ただし、予防方法を実践しているからと油断せず、40歳以上になったら年に1回は大腸がん検診を受けるようにしましょう。

参考文献・書籍)

・国立がん研究センターがん情報サービス ホームページ

・厚生労働省 ウェブサイト 全国がん登録 罹患数・率 平成28年報告

・消化器外科のエビデンス:気になる30誌から 第2版 医学書院

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