【Lab】8/20 Lab Kickoff !!(日本語)

参加メンバー8名が決定した「APAF Lab (以下Lab)」。8月20日に、初めて全員がそろい、全員での活動日である“Living Room Gathering”の顔合わせが行われました。

17か国、105名の応募者から選ばれたLabメンバーは、俳優、リサーチャー、ドラマトゥルク、演出家、ダンサーなどさまざま。おもな活動拠点も、インドネシア、シンガポール、中国、韓国、マレーシア、インド、フィリピン、日本と、全員が異なります。
このバックグラウンドの異なる同世代8名が、これから約2か月、オンラインでお互いの活動や価値観を共有することで、世界観を広げながら、各自のリサーチやディスカッションやレクチャー受講などを重ねていきます。最終的なプレゼンテーション(10月23~25日)は一般公開されますので、どなたでもご参加いただけます。

メンバー一覧

この日は、初顔合わせ。Zoomを使って開催されます。
ここで初めて、互いにどんなメンバーがいるのかを知りました。

画面に新しく顔が増えるたび、ファシリテーターの一人、JKアニコチェが明るく「Hi,〇〇!」と迎え入れていきます。最大3.5時間の時差にも関わらず、メンバーの集合ははやく、開始時刻の10分前にはほぼ全員が集まりました。

1.Introduction:APAFの説明

日本時間14:00、関係者の紹介とAPAF2020の説明が始まります。

当初は作品の上演が中心でしたが、2018年に多田ディレクターが就任して以降のAPAFは、作品をアウトプットすることを目的にするのではなく、メンバーがこの機会に自分の活動と向き合い視野を広げることへ挑戦するプログラムに変わりました。各自が設定したテーマにそってリサーチに取り組むLabは、まさに、”次世代のアーティストとして成長するためのより豊かな土壌をつくる”というAPAFの取り組みを体現するプログラムです。

メンバーには、ファシリテーター3人(JKアニコチェ、アルシタ・イスワルダニ、武田力)が伴走します。まだ固い表情のメンバーを前に、雰囲気をほぐすように明るい声での自己紹介がおこなわれ、少しずつ笑い声も出てきました。

JKアニコチェは、パフォーマンス作家であり、さまざまなフェスティバルディレクターも務めています。昨年はAPAFでもゲストとしてトークしました。

「今年はパンデミックが起きて、集まる場所がありません。みんなが違う場所から参加し、オンラインでコミュニケーションします。けれども、お互いにとても影響を与え合うはずです」

アルシタ・イスワルダニは、俳優・パフォーマンス作家として、昨年のLabに参加していました。

「去年はジョグジャカルタと東京で一週間ずつ、直接、顔を合わせて集まりました。今年は会うのは難しいですが、身体や境界を超えて、参加者同士がお互いの考えや知識や体験をシェアしていきましょう」

武田力は、演出家・民俗芸能アーカイバーとして活動しています。APAFに関わるのは初めてで、大きな期待をこめてエールを送りました。

「今年はコロナにより状況が異なりますが、行動し続けなければいけません。みなさんは約100名の応募者から選ばれました。次の未来を変えるポテンシャルを持っています

これからのリサーチにあたっては、4つの“trigger(トリガー)”が設定されています。メンバーは4つのなかから興味のあるものをひとつ選び、それを足がかりにしてアイデアを広げていきます。

すでにメンバーはLabに応募する段階でひとつずつ選んでおり、ここをきっかけにして、新たな視点や行動を誘発していきます。

2.Ice breaking session:アイスブレイク

メンバーは全員英語が話せるため、通訳はなくスムーズに進みます。真剣に耳を傾け、メモを取っていたメンバーですが、ファシリテーターのJKアニコチェによるアイスブレイクにより、場の空気が一気にほどけていきます。

JKアニコチェの「Bring me……(〇〇を持ってきてください)」の掛け声にあわせ、それぞれが靴や、お気に入りのものを持ち寄ります。

家族との思い出の品や、一緒に暮しているネコなど、個人的な品や生活感が感じられるものが登場するのはオンライン開催ならではのことでした。
最後の質問「Bring me “imaginary object”(空想のものを持ってきて)」の頃には、「イス」などそれぞれの答えとともに、「それってなに?」など質問やコメントが飛び交います。

次のアイスブレイクは、アルシタ・イスワルダニより。「Truth or Lie(真実と嘘)」をひとつずつ挙げ、どちらが真実でどちらが嘘かを当てていきます。

「経済を勉強しています/4人の姉妹がいます」
「趣味は絵を描くことです/趣味はサッカーです」

シンプルなゲームだからこそ、時差も距離もバックグラウンドの違いもまったく感じさせず、同じ場所にいるかのように盛り上がり打ち解けた空気になりました。

3.Get to know each other:自己紹介

ひとり5分の自己紹介では、誰もが意欲的に語り、日本のプロジェクトに参加することや、アジアの同世代のアーティストと協働すること、4つの“trigger(トリガー)”のうちどれに注目していきたいか、さらには自分の活動や自国への問題意識などにも話が及びました。

初日ということもあり、Labの説明や挨拶がおもな内容でしたが、アイスブレイクを通してそれぞれの個性が垣間見えました。つねに全員が正面を向いて画面に写っていることもあり、互いの顔も覚えやすかったでしょう。

これからは週に1~2回集まり、リサーチやディスカッションを重ねていきます。相互にコミュニケーションを取ることが増えていくなかで、それぞれの関係や発想から、どんな化学反応が起こるのかが楽しみです。

4.Snack time (Online welcome party):打ち上げ!

3時間のZoomでの顔合わせ後は、“初日打ち上げ”もあります。
もちろんオンライン開催です。

利用ツールをZoomからSpatial.Chatに変更。それぞれ食べ物や飲み物を用意し、自由にオンライン上を移動して、話したい人と話せる場です。

Lab初参加の感想のほか、村上春樹の話題で盛り上がるグループや、音楽を流してカラオケでデュエットする人たちなど、それぞれが思い思いに過ごします。さらにはパートナーや子どもも登場し、互いの自宅に遊びに来たホームパーティのような雰囲気でした。

全員がはじめて顔を合わせてから5時間。
2020年度のAPAF Labは、集まれない不便さを感じさせないほど風通しのよい空気のなか、スタートを切りました。

次回以降は、それぞれの舞台芸術における活動テーマや関心領域に踏み込んでいきます。

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Asian Performing Arts Farm (APAF:エーパフ) 2020
APAF_tokyo

東京芸術祭における舞台芸術の育成プログラムです。OpenFarmでは【会期:10/20~25】に向けプロセスを公開していきます/APAF is a Tokyo Festival program supporting the development of young artists. https://apaf.tokyo