DuckDuckGo(プライバシー保護型検索エンジン)を使ってみた感想
利用者のプライバシー保護と利用履歴等を記録保存しない検索エンジン
検索エンジンといえばGoogleですよね。「ググる」なんて日本語もあるぐらいです。でも、Googleは検索結果表示のためのアルゴリズム(サイト評価の得点の付け方みたいなモノ)をしょっちゅう変更しています。現在は、特に専門性、権威性、信頼性を高く評価しており、「価値がないサイト」とみなされたページはインデックス(検索エンジンがそのページをサイトページとして認識すること)さえされなくなったように思います。
たしかに利用する側のユーザーとしても、できるだけ正しい情報、信頼性の高い情報を収集したいと考える人がほとんどでしょう。しかし、今のGoogle検索では、あまりにも政府機関や大手企業、大手メディアなど、権威性のあるサイトばかりが収集されていて、ときに「ほしい情報が見つからない」という事態に陥ることがあります。
GoogleとDuckDuckGoの検索結果比較
先ほど、メルマガ配信に関わる法律についての記事をMediumにアップしました。
この記事を書くにあたって、複数のサイトを参照したんですが、今回も一部欲しい情報がGoogle検索だけでは見つからず、他検索エンジンで調べる必要が出てきました。
具体的にいうと「特定電子メール法 ペンネーム」で検索したんですね(詳細は上の記事を読んでください)。「特定電子メール法の表示義務、氏名はペンネームでもOKなのかどうか」調べたかったのです。
でも、Googleでは「ペンネーム」というワードで書かれた特定電子メール法関連の記事は上がってきませんでした。
そうなると「そういう視点で書かれた文章は、インターネット上に存在しないのだろうか?」と思ってしまいます。しかし、実際にはそんなことはありません。
ふと思い出して使ってみたのが、DuckDuckGo。ご覧のように、ドンピシャな記事が上がってきました。
一方、同じキーワードで検索したGoogleの検索結果ページはこちら。
これ、第一ページなんですが、上位表示されているページはどれも「ペンネーム」というワードが入っていませんよね。どうなっちゃってるの、これ?と思いませんか。
実はDuckDuckGoを使う前にBingでも検索してみたんですが、こちらも「これだ!」と思えるようなページはヒットしませんでした。
確かに、DuckDuckGoで上位に上がってきたページは、権威性も専門性もないサイトだったかもしれません。でも、あたかも「誰もそんな内容で文章をアップしていない」ふうに見えてしまうGoogle検索の結果はユーザーとして納得できないと思ったので、こうやって愚痴をこぼしています。
DuckDuckGoとは?
DuckDuckGo(ダックダックゴー)はプライバシー保護に特化した検索エンジンです(ブラウザもあります)。ユーザーの検索履歴も記録されません。
Googleなどの検索エンジンが、個人情報を積極的に収集することはよく知られるようになりましたね。これに対して開発されたのが、プライバシー保護をモットーとするDuckDuckGoです(正直、名称はちょっとダサいと思います^^;)。
創立は2008年ですが、元CIA職員エドワード・スノーデンによってアメリカ政府が組織的にGoogle、Yahooなどを介して個人情報の収集を行っていたということが暴露された2013年より、急激にユーザーを増やしている模様です。
複数の検索エンジンを使うこと必要な時代かも
DuckDuckGoの方がGoogleよりも検索精度において優れているというわけでもありません。検索ワードによっては、DuckDuckGoの方が「使い物にならないな」ということもありました。
でも、今回は助かったので、レビューとして記事を上げておきます。
ネット上での検索を重ねる際、「フィルターバブル」という状況に陥る恐れが指摘されています。これは、検索履歴を収集する検索エンジンが「ユーザーに好まれる検索結果」を作り出すため、検索結果に上がってくる情報にバイアスがかかってしまう現象です。
DuckDuckGoは、基本的にデータを収集しないので(まったく記録しないというわけではない)、このフィルターバブルに陥りにくいともいわれています。
ウェブライターの私は、数年前からGoogleだけでなくBingを併用するようになりました。今後は一つの検索エンジンに頼るのではなく、複数の検索エンジンを利用する時期なのかもしれません。もっとも、どんな検索エンジンを利用するにしても、検索結果として提案された情報から適切なコンテンツを分析選定する能力が必要不可欠であることに変わりはありませんが。