Arriba X 深夜便 Vol.3 【ETH Tokyoでプライズを獲得されたスリーエフさんに舞台裏を聞く!】

Ryotaa
Arriba Studio
Published in
17 min readJun 22, 2023

※本記事はTwitter Space”Arriba X 深夜便 Vol.3 【ETH Tokyoでプライズを獲得されたスリーエフさんに舞台裏を聞く!】”を記事化したものです。

Arriba深夜便について

Arriba Studio のファウンダー達がweb3領域で挑戦するキーパーソンに深夜突撃するトーク企画 ゲストの人物的ストーリーや、チームの話、変化の激しいweb3領域で直近の戦い方をどこまで広い視点から見た上で実行しているか、苦悩ポイントはどこか、投資家との向き合い方、などなど、Arriba社の投資・支援意思決定で重要な観点を交えつつキーパーソンに切り込みます。

(今回のスペースはこちらからお聞きください!)

今回のテーマ

【ゲストはスリーエフチーム、eth Tokyoお疲れさま会。ハッカソンを趣味でやって賞を取るチームの話!!】

前回大きな反響をいただいたArriba X深夜便のvol.3は、ETH Tokyo記念号緊急配信

たまたまArriba Studioでリサーチャーを務められているスリーエフさん率いるチームが複数グラントを総なめにされたということで、ゲストでお招きします。

起業や資金調達といった堅苦しい重圧なく趣味でグラントを獲得する「スマート」なハッカソンの向き合い方などを伺えればと思っています。スリーエフさんはトークン個人投資家としても知る人ぞ知る方でリサーチャーとして迎えるのはいつも恐縮しているのですが、いよいよ事業に踏み出すのかなど、メンバーからのツッコミも期待したいです。

出演者

Guest🎙

Speaker🎙

Moderator🎙

南国:こんばんは!今回のハッカソンの審査員を務められた宮坂さん、まずはお話を伺いたいです!

宮坂:今回、1700人以上が集まり、59カ国からの参加者がいたと聞いています。また、web2の経験者が初めてweb3に触れるというケースが多かったようで、その点も良かったですね。中には寝ずに頑張った方もおり、本当に応援したいですね(笑)

南国:日本人の審査員は2人だったと聞きましたが、いかがでしたか?

宮坂:そうですね、日本人審査員はおそらく2名だったと思います。審査員に選ばれたきっかけは、私たちが投資をしている企業のメンバーからイーサリアム関連の方と話す機会を紹介してもらったことで、それが審査員として参加することにつながりました。

「ゲストのご紹介」

南国:華々しい成績を挙げた皆さんをお迎えします!まずはスリーエフさんからお願いします!

FFF:よろしくお願いします。前々からArribaにリサーチャーとして参加していて、実は佐藤さんと宮坂さんとは以前から知り合いです。

南国:今回ハッカソンに参加した感想をお願いします!

FFF:今回が初参加で、お祭りのような雰囲気で楽しく参加しました。少人数での開発経験もあまりなかったので、それが新鮮で楽しかったです。

南国:チームメンバーのYuzuさん、あゆたさんも含めて自己紹介をお願いできますか?

FFF:スリーエフと申します。普段はTwitterで盛り上げ役を務めています(笑)。本業はシステムエンジニアで、副業としてArribaのリサーチャーを務めています。今回のチームを発足させたのですが、実は英語が得意ではないため、最初にあゆさんに声をかけました。また、一人だけでの開発は難しかったため、Yuzuくんにも声をかけました。その結果、WorldcoinとCurvegridからは2番目のプライズ、Polygonとスクロールからはpool prizeをいただくことができました。

佐藤:Yuzuさんとあゆさんは元々知り合いだったんですか?

Yuzu:そうですね、元々知り合いで、先日シンガポールで行われたtoken2049に参加した際には一緒に食事に出かけたりしました。

FFF:私はtoken2049には参加していないのですが、Yuzuさんとは何かで知り合い、あゆさんとはMaskNetworkが主催したweb3カンファレンスで出会った記憶があります。

佐藤:なるほど、元々親しい友人というわけではなく、知り合いを通じてチームを組むことになったんですね。

南国:続いてYuzuさん、自己紹介をお願いします!

Yuzu:初めまして、Yuzuと申します。普段はDMTPというプロトコルでCTOを務めています。イーサリアム系のハッカソンには数回参加しており、今回が4回目の大規模ハッカソンになります。

佐藤:実はDMTPはArribaが出資している企業で、まさかFFFさんと一緒にハッカソンに参加するとは思っていませんでした(笑)。もともとはトークン投資もされていたんです?

Yuzu:はい、開発を始める前は趣味でクリプトを触っていました。

南国:あゆたさんも自己紹介をお願いします!

あゆた:初めまして、あゆたと申します。現在はNFTプロジェクトやweb3エンターテイメントプロジェクトなどに関わっています。以前はシンガポールでAstarという企業のコアメンバーを務めていました。自分自身は可愛いものやエンターテイメントが好きで、それらをウォッチしています。今回はFFFさんからハッカソンに誘われて、楽しそうだったので参加しました。よろしくお願いします!

南国:宮坂さん、このチームのプレゼンテーションは覚えていますか?

宮坂:全体的なプレゼンテーションは聞いていましたが、個別には聞いていなかったので、後からキャッチアップしました。

「ハッカソン参加の経緯」

南国:それでは早速、質問させていただきますが、なぜ今回初めてハッカソンに参加しようと考えたのでしょうか?

FFF:半分はお祭りだし、せっかくなので参加しようという気持ちがあり、残りの半分は転職活動に役立つかもしれないという考えがありました。本業があり、海外のハッカソンに参加するのは難しいので、今回日本で開催されるハッカソンには期待していました。

Yuzu:僕も半分はお祭りという感じでしたが、自分自身の学びの場になると考えていました。今回のハッカソンのスポンサーには現在注目を集めているプロジェクトも多く、そこから質問をしたりフィードバックをもらえるのは素晴らしい機会だと思いました。

南国:最近はエコシステムに投資しているようなプロジェクトがハッカソンに協賛するケースも増えてきていますよね!あゆたさん、初参加した感想はどうでしたか?

あゆた:まず、楽しそうだったので参加した、という気持ちがありました。実は今年の目標として、ハッカソンに参加するというものを掲げていました。自分でプロダクトを作りたいという思いがあったので、チームで短期間、集中的に作る経験をするために今回のハッカソンは最適だと感じました。自分はデベロッパーではないですが、英語を通じて役割を果たすことができたのはとても良かったです。

佐藤:これは、FFFさんが設計し、Yuzuさんが開発し、あゆたさんがプレゼンするという役割分担で始まったのですか?

FFF:そうですね。自分はフロントエンジニアとしてサイドを作り、ブロックチェーン部分はYuzuさんに任せ、コミュニケーションなどはあゆさんに任せました。

佐藤:また、3人とも「お祭り」というキーワードを挙げていましたが、個々のプロジェクトは一人で開発することが多いと思います。こういったイベントで他の開発者とコミュニケーションを取ることができるのは素晴らしい機会だと思いますか?

Yuzu:Token2049はカンファレンスで、様々な人と話すことがメインでしたが、ハッカソンは3日間ほど集中してずっと開発するので、その点ではまた違った魅力があります。

あゆた:自分はAsterのコアメンバーだったため、Token2049ではブースにいました。ただ、eth Tokyoの時は参加者として参加したので、仲間と一緒にプロダクトを作ることができてとても良かったです。

佐藤:同世代の方が多かったのですか?

あゆた:様々な年代の方が参加していました。その場でチームを組むこともありましたし、年齢はあまり問題ではなかったと思います。

Yuzu:逆に、私は初めてチームを組んで参加するハッカソンでした(笑)。

「どのようにしてKizuna Protocolを作るに至ったのか?」

FFF:私が最初に考えていたのはweb3レシート買取アプリで、一週間前に90秒でアイデアをピッチするイベントがありました。しかし、そのアイデアが十分に受け入れられなかったため、方向転換を決断しました。その時、Yuzu君もピッチをしており、一緒にプロジェクトを進めないかという話になりました。その時注目していたのがWorldcoinで、日本ではそのアプリを利用することができず、SDKも誰も使用できなかったため、これは大きな課題だと感じていました。

佐藤:Worldcoinは今回のハッカソンのスポンサーでもありましたね。

FFF:はい、その通りです。彼らは合計で2万ドルの賞金を提供していました。Worldcoinは人間の虹彩をオーブという特殊な機械で測定し、そのデータを基にIDを生成するというものです。実際に画像は保存されていないのですが、一人の人間であることを証明できるという特性があります。特に金融の分野で活用できる可能性があるというのが、そのコンセプトです。

宮坂:OpenAIのサムさんも関わられているプロジェクトですよね。これまであまり情報が公開されていない印象だったのですが、今回プライズを出していたのには驚きましたね。

南国:先ほど話にでたオーブをYuzuさんのtwitterでも拝見したのですが、これは借りているんですかね?

Yuzu:World coin側と色々とお話させていただく機会があり、日本で普及させるために一台いただきました。現在はFFFさんの家にあります(笑)。

南国:すごいですね!あと初歩的な質問ではあるのですが、指紋ではなく虹彩なんですかね?

Yuzu:虹彩の方が精度がいいと聞いています。プライバシーを保護しつつ、精度を高く収集できるのが虹彩なんですかね。

佐藤:プライズを取り、World coin側から今後について打診等は合ったのですか?お三方とも本業があるとは思うので兼ね合い等も気になります….

FFF:現在日本のアンバサダー的な立場で関わっているのですが、これを本業として行うことはまだ考えてないですね…あくまでもアンバサダーとして関わっていきたいとは思っています。

南国:Kizuna protocolの名前の由来はなんですか?

あゆた:World Coin以外にもLens Protocolのソーシャルアクティビティのスコアを利用しようとしていて、人の信用などに重きを置いていたので絆が思いつきました。また絆は英語でBond、これは債券という意味もあるので採用しました。BondよりKizunaの方が可愛げがあるというのもあります!ちなみに提案してくれたのはFFFさんです(笑)

「開発について」

宮坂:今回、48時間での開発ということでかなり短かったと思うのですが実際どう過ごしましたか?

Yuzu:どんなものを作るのかは事前に少し話していて、始まってから1日目の夕方ごろにはしっかり固まり、そこからはあゆさんがフィードバックをもらいにいき、FFFさんがフロントエンド、僕がスマートコントラクトなどを担当しました。

FFF:1日目はworld coinなどプライズを多く出している所にコネ作りに行ったり、ゴリゴリ開発はしていませんでした(笑)。2日目は徹夜で作る前提だったので気合を入れてやりましたね。

宮坂:なんとなくわかりました。ただこう言ったハッカソンは作りきれる人と作りきれない人が出てきて、要因はたくさんあると思うのですが、しっかり完成させれたのは本当に凄いと思います。

南国:完成できなかったチームもかなりの割合でいたんですね。

宮坂:審査ではプレゼン資料とソースコードが添付できるようになっているのですが、しっかり作ることができたかを重視しています。極論ピッチだけのものは評価されません。例えばDeFiならバックエンドが大切で、toCならフロントがしっかりできていないとあまり評価されなかったりします。

南国:先ほど冒頭で触れられていた、評判が悪くピボットされたピッチについてですが、その提案は誰が出したのですか?

FFF:最初はYuzuさんからの提案だったと思います。Yuzuくんがハッカソンに頻繁に参加していた経験から、これは違う方向に進むべきだと感じました。

南国:これまで数多くのハッカソンに参加し、また今回も受賞されたとのことですが、現在のハッカソンの傾向・トレンドなどは何でしょうか?

Yuzu:大まかなイーサリアム、クリプトのトレンドが直接反映されているように感じています。例えば今回のように、zkロールアップ、L2などがかなり話題になり、関連したスポンサーも多くいました。10月頃はアカウントアブストラクションが注目されていたので、それに関連したプロダクトが多かったですね。

佐藤:我々投資家としては投資対象を探しているのですが、ハッカソンはまるでお祭りのような、これから実績を上げていく若手エンジニアが技術を学び合う場として、非常に素晴らしいと思います。

南国:2023年はどのようなトレンドになると予測されますか?

FFF:私はDefiであればReal Yieldがトレンドになると思います。また、SocialFiも注目されてくると予想しています。

Yuzu:L2の夏のような状況が再び訪れるのではないかと予想しています(笑)。zk系もop系も10以上の派生が出てきているので、どれが主流になるかは非常に興味深いですね。

佐藤:FFFさんが言っているのはトークン投資家としてその領域が熱いという意味ですよね。我々としては、その期待値が一度下がったとしても、長期的に利用されるプロダクトを支援していきたいのですが、一度大きく上がる必要があるのも確かなので、その視点から非常に学ぶことができました。

宮坂:GameFiは日本が培ってきた資産でもあると思いますし、大きな流れがあると考えています。海外発のプロジェクトはまだクリプト業界の領域を飛び出していないので、マスアダプションするためにはいくつかの要素が変わらなければならないと思います。現在zkやチェーン間の話題も多いですが、テーマを探っているように感じます。

南国:現在、何か具体的なプロジェクトとして進行していることはありますか?

FFF:ハッカソン中にworld coinにアプローチし、アンバサダーとして活動し始めました。最近はworld coinのイベントも開催したので、今後もこのように続けていきたいと思っています。

Yuzu:私も同じくworld coinについては検討しています。明日チームと話す機会があるので、その際に色々と議論したいと思っています。

あゆた:私も同様にworld coinについては検討していますが、個人的にエンタメが好きなので、ブロックチェーンとエンタメを組み合わせた領域で探索したいと思っています。

佐藤:World coinはかなり大規模なプロジェクトだと感じていますが、何か支援できることがあればぜひとも支援したいと考えています。

南国:これからハッカソンに参加しようと思っている人々に向けて、ハッカソンに参加する意義や、グラントを獲得する秘訣などを教えていただけますか?

FFF:まず、ハッカソンに参加することで名前が残るという一つの利点があると思います。グラントを獲得するための秘訣は、やはりスポンサーが求めているものを作り上げることだと思います。我々のチームでは、サム・アルトマンさんが投稿したworldcoinの記事を参考にしており、スポンサーが求めるものをしっかり理解することは重要だと思います。

あゆた:色々な賞がある中で、狙いを定めてプロダクトを作成しているチームが多かったです。チームのメンバーと仲良くなり、自分たちの思いをアピールすることも大切だと思います。

佐藤:私はFFFさんが非常に魅力的だと思っており、様々な領域に手を伸ばしながら実績を上げている点は本当に素晴らしいと思います。次に何をつなげていくべきかはまだ明確でないものの、ハッカソンにVCとしてどのように関わっていけば良いか、少し理解することができました。

宮坂:テーマ性はハッカソンにおいて非常に重要であり、短い時間でプレゼンテーションをまとめ、ソースコードをしっかりと準備することも重要です。今回のプレゼンテーションは、スポンサーや審査員に深く響いていたと感じました。また、日本のweb3PJは全体としてまだ少ないので、そのアンバサダーとしての役割も期待しています(笑)。

FFF:今後、kizuna protocolとしてのイベント等は予定していませんが、world coinとしては引き続き対面イベント等を行っていくので、今後ともよろしくお願いします。

南国:本日はありがとうございました。今回の感想や意見があればお願いします。

宮坂:再度お話を聞けて良かったです。ハッカソンやイベントでは多くの出会いがあり、以前よりもライトに繋がれるパターンが多いと感じています。今後の挑戦にもつながっていくと思いますので、ぜひ一緒に取り組んでいきたいと思います。

佐藤:FFFさんが思っていた以上にマーケティング思考を持っていると感じ、そういう側面を再認識できて良かったです。

南国:ありがとうございました。次回のゲストがすでに決まっているそうですね。佐藤さん、発表をお願いします。

佐藤:来週はJPYC社の岡部さんをお招きする予定です。ステーブルコイン周囲の規制が今後変わっていくと予想されていますので、その点について色々とお話を伺えればと思います。

南国:皆様、本日はありがとうございました。FFFさん、Yuzuさん、あゆたさんもありがとうございました!

今後も「Arriba X 深夜便」を行っていくのでぜひTwitterのフォローをお願いします!

https://twitter.com/arriba_studio

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