一年間におめでとうを。

Ayaka Ueda
Ashoka Japan
Published in
8 min readMar 31, 2018

あと数分で社会人になってからの一年目が終わろうとしています。
陸前高田で夢を追い続けたいと東京の企業の内定を断って移住してから一年。

今日も明日もきっと明後日も対して変わらない日常なのだけど、小さくとも喜べる瞬間を増やしたいから、自分の記念日は自分で創ろうと思います。

ということで、このブログは「上田彩果社会人一歳おめでとう記念」となります!いえーい。

この一年を振り返ってみると、あっという間で数ヶ月しか経ってない気もするし、もっと長く数年くらい過ぎた気もする。一人では抱えられないくらいのいろんな経験をさせてもらい、濃い濃い一年でした。

広田町にも桜が咲きました。

そして、3月26日、2017年度の「高田と僕らの未来開拓プロジェクト」が終わりました。

夏と冬が終わり、年明けからスタートした春のたかぷろは、一年間のプロジェクト企画実行を通しての一人ひとりの成長を地域のみんなでセレブレーションして、中高大学生メンバー全員が自信と誇りの翼を手に入れることを目指しました。
そして、翼を手に入れて旅立っていくために、2018年3月18日「僕らの歩みフェスタ2017」を行いました。

実は今回たかぷろで開発したとっておきの秘密兵器があります。

コミュニティーによる360度人間力評価のオリジナル通信簿」です。

このオリジナル通信簿をつくった背景を少しお話しします。

この春でたかぷろを立ち上げて丸四年が経つことになります。
今までたかぷろの大学生に触れ、一緒にプロジェクトをしたり語り合ったりすることを通して、変化してきた中高生を見てきました。「昔からこの子はこうだった、、、」その田舎特有のラベルが外れ、キラキラ輝き始める中高生を何人も見てきました。

でも、同時に違和感も覚えていました。たかぷろの中だけで輝いていてもなあ、、、中高生一人の成長を支えるのは、たかぷろだけじゃないからです。

陸前高田は、学校、地域の人、家族、外部の大学生、、、多様な人々が教育に携わっています。その一人の中高生は色んなところから刺激を受けているんです。
つまり、地域全体がその子にとっての教育現場になっているはず

急ですが、ここで、中高生のキャリアの話に飛ばします。
彼らのキャリアには学校の通信簿が大きな影響を及ぼします。通信簿の成績で高校はほぼ決まる。大学進学か就職もそう。でも、通信簿って、学力に関する一人の学校の先生からの評価のみ。

中高生だって学校、部活、家、地域と関わる場所や人によっていろんな顔を持っているはずなのに。特に田舎では自分の意思ではなくその環境に置かれていることが多いのに。

一方向からの数字での評価のみでその子の未来が決まるのはどうなんだ、、、?

これって、子ども達にとって一番いい環境なのか?いや、良くないよな。

よし、じゃあ、その子のことを360度から評価する地域コミュニティー全体の通信簿を作ろう。

こんな想いでつくりました。
少しと言いつつ長くなりました、、、

これを決めたのが年始。それからものすごいスピードで大学生のコアメンバーと通信簿を作り始めました。

1年間の学び気づきを抽出するワークシートやワークショップをつくり、中高生と対話を通して学び気づきの言語化を手伝い、リアルな成長から言語化した評価項目と文科省が掲げる生きる力の評価項目を照らし合わせながら評価項目を決め、通信簿を手書きで作成し、保護者の方にも通信簿の説明をして評価とメッセージをもらいに行き、地域の大人にも企画の趣旨説明を丁寧に行ない、

通信簿を授与する場となる修了式、その前に行なう1年間の中高大学生のプロジェクト発表会の準備、、、2ヶ月でやったとは思えないくらいの量のタスクをこなし、14歳から80歳くらいまでの方々とコミュニケーションをとりながら、春のプロジェクトを行なってゆきました。

大学生の仲間達は本当にめちゃくちゃ頑張ってくれて本当にすごいパワーでした。ありがとう。

一人ひとりと向き合った。

そして迎えた「僕らの歩みフェスタ」当日。

中高生コアメンバーじゃない中高生や元コアメンバーのOBOG大学生、中高生の保護者、地域の大人など総勢60名ほどが広田町のコミュニティーセンターに集いました。

まずは発表会。中高生と大学生で一年間のプロジェクトの成果を劇やムービーも交え発表。その後中高生メンバーからの自分の成長をプレゼンする時間。生の言葉をそのまま届けろ〜大丈夫だ〜ただただ私は彼らのありのままを信じて祈って見届けました。彼らの立ち姿は本物でした。感動しました。

次に修了式。発表を聞いた大人から感想をもらいながら中高生にリアルな応援をする場。最後には大学生からのサプライズで「オリジナル通信簿」を一人ひとりに授与。一年間一緒に走ってきた大学生からだからこそ中高生にスッと届く大学生の心からのメッセージ。震えました。

中高生からは、
「こんなにいろんな人たちに見てもらってたなんてすごい嬉しい!」
「いつのまにこんな力がついてたのか~」
「お父さん書いてくれたんだ!(嬉)」
のような声をもらいました。

全体写真

今回開発した「コミュニティーによる360度人間力評価のオリジナル通信簿」を通して、

陸前高田だからこそ育つ力”がのちのち見えてくるはずと考えています。

つまり、教育を通したその地域の特色がでてくるんです。地域によって育つ力が異なる。私たちはこの地域で子どもを育てたい、だから移住しよう、とかなったら。住む場所を育まれる力で決める。そうなったら、なんかおもしろくないですか。

なによりも、子ども達が、「陸前高田で育ったからこそこんな人になれた!」と地元に自信と誇りを持ってくれたら嬉しいなと思ってます。

子ども達は生まれる場所を自分の意思で選べない。だから、そこで生まれたからには、その場所を好きになってもらいたい。生まれた場所って自分のアイデンティティの一つだから。

ここからおっきな夢を描けたら、自分の置かれた環境で少しでも花を咲かせられたら、自分の今に誇りを持てたら、、、

今の自分を愛してあげられたら

そんな人生だったら幸せなんじゃないかって私は思います。

中高大学生メンバーたち

Love the life you live. Live the life you love.

- Bob Marleyボブ・マーリー) -

自分の生きる人生を愛せ。自分の愛する人生を生きろ。

地域の子ども達に
自分の生きる人生を愛してもらいたい。
自分の愛する人生を生きてもらいたい。

そのために田舎の地域コミュニティの大人達ができることってあると思う。

そのための血の通ったあたたかなプレゼントとしてこのオリジナル通信簿がこの地域で使われ続けたらいいなあって。

長くなりました。まだまだ書きたいことはあるのだけど、ひとまずこれで終えます。

明日からたかぷろも5年目を迎えます。
変わらない日々の中で少しずつでも変化を起こして、のちのち大きなうねりを起こせるように。社会人二年目の自分自身も心の底から愛せるように。では、今日からスタート!始まります!

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Ayaka Ueda
Ashoka Japan

「高田と僕らの未来開拓プロジェクト」@陸前高田 / Ashoka Japan leverage/ 東京生まれ東京育ち / 大学卒業後、陸前高田市広田町へIターン移住 / 社会人2年目 / 地域活性化×キャリア教育で日本の田舎の教育を変える共育者。