夢を語ることの重要性

黒田旬
Ashoka Japan
Published in
4 min readFeb 29, 2020

今月は2月16日に学生団体おりがみと協力して無回転卓球のイベントを千葉県で行いました。
折り紙は東京オリンピックを目標にスポーツイベントを開催しそれでオリンピックを盛り上げ、ひいては異文化交流・地域スポーツなど様々なインパクトを生み出そうとする団体です。
以前も一緒に千葉駅を利用して小学生や障がい者の方を中心にイベントを行った経験がある団体です。今回は大学生を中心に無回転卓球を楽しんでもらいました。
夏のオリンピックをひかえ各地でスポーツイベントが盛り上がっています。
今までスポーツにそれほど関心がなかった人たちもこれを機会にスポーツに関心を持っているので、今こそ無回転卓球を体験してもらって、ひいては日常的な運動習慣と健康増進につなげていきたいと思います。
5・6月には地元の教育委員会と協力して地域の小学生を対象にしたイベントの開催も決定しました。
今度は無回転卓球ラケットの製作から入り、体験だけではなくプラスαの面白さを味わってもらえるよう計画中です。

またコロナウイルスの関係で残念ながら延期が決まってしまいましたが、
アショカのプログラムでアメリカに行くのに合わせアメリカの社会起業事情について勉強しました。
自分も大学生ということで強烈な印象を受けたのがteach FOR AMERICAという大学生によって設立されたNPOです。
アメリカの優秀な大学生に厳しい選考を課し、それを通った精鋭をアメリカの貧困地域に派遣し2年間学校で教師をさせるという活動です。
この貧困地域の学校で教師をするという難題をこなす高い意欲と問題解決能力を買い、終了後大学生は一流企業からオファーが殺到するそうです。
そして何よりも大切なのは2年間の勤務を終え企業や政府など様々な分野に散らばった後も彼らは教育に対する高い関心を持ち続け、それぞれの分野でアメリカの教育をよりよくするのに一役買ってくれるということです。
そんなNPOですが最初はやはり試練の連続でした。
比較的中流の家庭に生まれ教育機会にも恵まれた自身は大学で経済的格差による教育格差を実感します。
恵まれた環境で育ち教育を受けた学生は楽ではないにしてもそれなりに勉強すれば単位が取れるのに対し、経済的に恵まれずに苦学してなんとか大学に進んでた学生は大学でも苦労します。
そして卒業を目前にして「何の仕事に就きたいかわからない」そんな課題を抱え、自身が感じた教育格差解消を目指し活動することを決めます。彼女には同じような課題を抱えるのは自分だけではないという確信がありました。
そしてその理念に共感し賛同する者を集め、なんと一年目にして2億円を調達。全国から8000人の応募を受け(選考し実際に赴任するのは800人)「スタートを大きく切り、最初から全米的な活動にする」をモットーに活動を開始します。
大学生が始めたこのNPOは大学生の希望就職先ランキングでトップになるなど、今ではアメリカ有数のNPOです。

teach for americaのストーリーはとても大切なことを教えてくれました。
それは夢を語り続けることです。
自分はちょっと恥ずかしかったりもしますが、夢を語ることで回りにそれに共感し賛同する人が集まってきてそれがやがて大きなムーブメントになる。
一人でできることには限界があります。
でも自分と同じ夢を共有し、それを一人一人が小さなことで実行することがやがては社会を変えていくのです。
teach for americaの代表は大学のネットワークを生かし自分の夢をたくさんの人に広め、活動に必要な莫大な資金も可能な限り人に会いteach for americaのことを伝えることで集めました。
当初から赴任する学生に給料を払い、彼らに研修なども実施していましたがそれをまかなえる資金を常に集めていたのです。

アメリカは小さい政府により公共のサービスが補えない部分を補おうとNPOが盛んです。日本でもNPOが増えてきていていますが、今の日本の財政状況を鑑みると今後はますます国や自治体の代わりにNPOや市民の手でやっていく必要が出てくるかもしれません。
そんな時にアメリカのNPOから学ぶことはたくさんあると思います。
本やインターネットで調べられることはもちろんですが、秋に延期され少し先になってしまいましたがアメリカでのアショカプログラムでは実際に自分の体で勉強してくる構えです。
引き続き応援よろしくお願いします。

--

--