陸前高田市の成人式に行ってみて。

Ayaka Ueda
Ashoka Japan
Published in
4 min readJan 13, 2019

たかぷろの高校生たちと写真を撮って、「おめでとう」を伝えて帰ってくればいいや。

それくらいの気持ちで向かった成人式。

だけど、開会式直前、家族の席から立ち見できるから、ちょっとのぞいていこうと思って、会場に入った。

開会してすぐ

「東日本大震災で亡くなられた方々に黙祷を捧げます。黙祷」

それまでざわついていた会場が
一気に静まり返り、緊張した空気が流れた、ように私は感じた。

会場にいるこの町の人たちは、おそらく特に疑問を感じず、普通にやっていたけど、これって普通のことじゃない。

成人式ってもっとお祭りみたいなパーティーみたいな感じだと思ってた。
少なくとも私の地元町田ではそうだった。

黙祷をしながら思った。

ああ、そうだ、ここは、東日本大震災の被災地だ。
あの時の悲しみが苦しさが、まだこの町にはある。
ここにいる新成人のみんなは、どんな気持ちで今ここにいるのだろうか。

私は、急にいろんな感情が心に芽生えて、心が重くなった。

市長の挨拶。

「あの時、大人たちは、前を向けなかった。
それくらい悲しくて苦しくて、辛かった。
だけど、君たちが笑ってくれた。
だから、ここまでくることができた。
本当にありがとう。」

現職の鳥羽市長は、震災で奥さんを亡くされた。
そして、息子さんは、新成人として目の前に座り、壇上で話す父の姿を見ていた。

続いて、新成人代表挨拶。

「ここに来られなかった仲間の分まで、
僕たちは懸命に生きなければならない。
僕は大学を卒業して、この町の力になりたい」

そう強く語っていた。
彼が見つめる会場には、何席か空いている席があった。

陸前高田市の新成人187名。

銀髪の子も金髪の子も赤い袴の子もいろんな子がいたけれど、
誰一人話さずに、壇上で話すその人の声に耳を傾けていた。

一人一人の存在が、素直に尊いと思った。

私は、この町に、この町の人に、出会わせてもらって、ここで生きている。
今や、もっと世の中を良くしたい。そんなことまで思って行なっているこの町で始めた活動には
一緒に取り組んでくれている町の人たちがたくさんいる。

でも、今日改めて感じた。
私がここにいる根っこの部分には、
若者の心では到底抱えられないほどたっくさんの様々な想いを抱え込んだ
尊い若者の存在が、小さな炎を絶やすことなく今を生きる若者の存在が、
今もあるんだ。

たかぷろの元高校生メンバーの新成人は8人。
出会って五年。
この世代は、たかぷろ立ち上げの時のメンバーです。

「誰かのために何かしたい」

そうこの子たちが伝えてくれなければ、たかぷろはありませんでした。
今、私が陸前高田で暮らしていることもなかったと思います。
この子たちがいたから今の私がいる。
感謝の気持ちしかない大切な存在です。

新成人のみんな、おめでとうございます。
久々に会えて本当に嬉しかった!
めでたいな~~めんこいな~~~♡
私も、みんなのおかげで、今この瞬間を懸命に生きられてます。
大人って、楽しいよ、どう生きるか全てが自由だ!
みんなと、もっと一緒にこれからの人生を楽しめたら、いいな!!

新成人のみんなとたかぷろの開拓ポーズ!感慨深い!!

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Ayaka Ueda
Ashoka Japan

「高田と僕らの未来開拓プロジェクト」@陸前高田 / Ashoka Japan leverage/ 東京生まれ東京育ち / 大学卒業後、陸前高田市広田町へIターン移住 / 社会人2年目 / 地域活性化×キャリア教育で日本の田舎の教育を変える共育者。