12月3日アショカフェロー来日講演

Nana Watanabe
Ashoka Japan
Published in
4 min readNov 20, 2019
Hasina Kharbhih and Nana Watanabe

ASHOKA Japan設立以来、14人目のアショカフェローが、11月末フェロー講演シリーズのスピーカーとして来日する。私のこれまでの経験によると、世界を変革するレベルの社会起業家に共通することの一つは、海のように深い心と、空のように広い度量を感じさせることだ。一緒にいるだけで、お釈迦様の手の中で遊ぶ幼児のような安心感を覚えることだ。

ハシナ・カービに会った時も、まさにそういう暖かなエネルギーに包まれた。 アショカの女性リーダー会議のために訪れた北イタリアのコモ湖のほとりで、物静かに語る彼女の話に耳を傾ける。 インドの北東の端に、「飛び地」と呼ばれるメガラヤ州がある。バングラデシュ、ミャンマー、ネパール、ブータンの4カ国と接している。この地方の一部は年の半分が雨季であり、世界で最も雨量が多い。ゆえに、年間6カ月は唯一の収入源である農業もままならない。そこで、ハシナは18歳位の時、村の女性がつくる竹と籐の工芸品をフランスと日本に輸出する途をつくった。が、ある年、「環境保護」という名の下に、竹と藤を含む伐採がインドの法律で禁じられた。これが契機となり、村は収入源を絶たれる。子どもたちは、食いぶちを減らすために、他州で「家事手伝い」の仕事を探すため家から出されることになる。そして「行方不明」となる。この「行方不明の子ども」が、人身売買の業者に商品として売られているということを彼女が知ったのは、ずっと後だった。

それからの紆余曲折を経て、2012年頃までに、彼女は世界で初めての「『行方不明の子ども』を見つけ出すためのソフトウェア」を、インド工科大学の協力を得て完成させた。このソフトウェアには、行方不明の子どものリアルタイムの詳細な情報が全て記録される。それを、インド、ミャンマー、バングラデシュ、ネパール4カ国の政府、警察、NGO、ジャーナリストがアクセスする仕組みをつくった。

このシステムが動き出してからは、「行方不明の子ども」を見つかるまでの期間が3カ月から2週間に短縮された。現在、このモデルをタイとフィリピンで導入中である。まさにASHOKA定義の「世界を変える模倣可能なモデル」が誕生した。

マザーテレサ賞をはじめとする人権分野のほとんどの賞を授与したハシナは、謙虚で海のように深い志と、空のように無限の寛容さをもつ物静かな社会起業家だ。

12月3日(火) 6:30pm〜8:00pm 虎ノ門の日本財団の講演に、ぜひいらしてください。45分の講演の後、英治出版創設者の原田英治さんがオーディエンスからの質問を取り入れて、ダイアローグを展開します。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdaiT8mWQYS3KFDL_-nIinMTDVu559pu8COxxYSmi6DFzhE9Q/viewform 申し込みはこちらから(学生は無料です)

【第14回 アショカ・ジャパン スピーカーシリーズ】
日 時:2019年12月3日(火) 18:15開場、18:30〜20:00
会 場:日本財団ビル
東京都港区赤坂1丁目2番2号日本財団ビル
講演者:ハシナ・カービ(2006年選出/インド)
対談者:原田英治氏(英治出版創設者・代表)
内 容:[第一部]ハシナ・カービ講演、[第二部]講演者と原田英治さん(英治出版社ちょう)による対談・Q&A
言 語:英語(日本語への同時通訳あり)
料 金:2,000円(当日現金払い)+ 同時通訳機器代金 650円(必要な方のみ当日現金払い)学生は無料
定 員:100名
申 込:要申込

【The 14th Ashoka Japan Speaker Series】
Date: December 3rd, 2019 6:30 pm ~ 8:00 pm (OPEN: 6:15 pm)
Venue: The Nippon Foundation
Speaker: Hasina Kharbhih (Ashoka fellow selected 2006 / India )
Moderator: Coming soon
Language: English
Entry fee: ¥2,000 + ¥650 (Interpreter equipment) students: free of charge
Capacity: 100 people
Application: Apply online

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