Fieldwork to Fukushima Daini NPS on Oct. 11th

Re+Fukushima Lab (M.Kimura&K.Yuzawa)
Ashoka Japan
Published in
6 min readOct 16, 2017

私たちリプラボは11日に第4回フィールドワークとして福島第二原発を行いました。

今回の視察では宮城の学生団体『東北若者10000人会議』さんが参加してくださり、学生団体同士のコラボとなりました👀✨

<視察の目的>
この視察の目的は大きく2つあります。
1.福島第一原発事故の原因の理解、原発の仕組みを理解し福島第一原発をイメージできるようになるために欠かせない第二原発を知る
2.第一原発よりも出力が大きい第二原発がなぜ爆破せずに済んだのか、大惨事を回避できたワケを東電職員の方から事故当時の様子を直接伺い、自分の言葉で発信できるようになる
この2つの目的を意識しながら視察することで、ただの視察ではなく1人1人が原発事故を《自分事》として捉えることができると思っています。

<雰囲気づくり>
原発視察はどうしても暗いイメージを持たれてしまいます。そのためどこか硬い雰囲気が漂ってしまうところがあり、今までの視察では現にそうなってしまっていた部分もありました。
しかし今回は今までの反省を踏まえ、自己紹介にしてもただ自己紹介をするのではなく自分を知ってもらうために3つのキーワードを紹介するなどしました。
リプラボメンバーと参加者との距離、参加者と参加者の距離を縮めやすくし、雰囲気良く視察ができるようにと、視察前からの雰囲気づくりも大切にしました✨✨

リプラボのメンバー紹介!

<昼食タイム>
お昼は「さくらモールとみおか」で取りました。今年度の4月1日に避難指示が解除された富岡町の”今”を自分たちの目で見て確かめてもらうためです。
さくらモールとみおかは作業員の方、行政の方、そして富岡町に住む地元住民の方でとても賑わっていました🙌
富岡町にはこんなにもたくさんの人がいて、こんなにも活気があるということを参加者は自分の肌で感じることができたと思います。

さくらモールとみおかで美味しい昼食!

<福島第二原発視察>
まず第二原発視察事前説明を受け、イメージを作ってから原発内部に入りました。

四号機原子炉建屋では原子炉格納容器内、燃料プール、続いて海水熱交換器建屋、最後にガスタービン発電機車を案内してもらいました。
建屋内部では「第一原発はここの部分が損傷している」といったイメージを第二原発の炉の内部を見ることで持つことができました。
ニュースなどで「〜が損傷していました」と報道されるものの、実感できない部分があります。しかし、このように内部に入り込むことで理解できる部分が大いにあると私たちは考え、事故を免れた第二原発への視察を続けています。

また、海水熱交換器建屋で震災当時の状況をこと細かく説明してもらい、当時どのような対応を取ったのかを伺いました。海水熱交換器建屋では津波の跡が見受けられる箇所がいくつもあり、震災の恐ろしさも改めて感じさせられました。

<なぜ第二原発は爆発しなかったのか>
第二原発は第一原発よりも後に作られたため、各号機の出力が第一原発よりも大きいです。その第二原発はなぜ爆発が免れたのか。
それは新福島変電所の4回線のうち1回線が奇跡的に生き残っていたためです。(1回線は点検停止中、震災により2回線が停止)
第一原発では全電源が喪失し、原子炉圧力容器が冷却できず水素爆発を起こしました。

第二原発が大きな事故を免れたのは、3.11当時、東電職員の方々や協力企業の方々による仮設ケーブルの敷設が早急に行われたこと、また変電所の職員の皆さんが必死に復旧作業に当たったことが大きかったとされています。
仮設ケーブル設置作業は通常1ヶ月かかるとされていましたが、不眠不休で3日で終わらせるというまさに電光石火でした。このような裏側があったことはあまり知られていません。

<東電職員の方々との意見交換>
密度の濃い第二原発内部の視察を終え、東電職員の方々との質疑応答の時間です。みんなで車座になり、学生と職員がフラットな立場で話しやすい場づくりをしました。

福島第一、第二原発で働く多くの人は地元の方々です。そのため「被害者であり加害者」という複雑な心境で現在も過ごされています。職員の方々は「地元への恩返しをしたい」という気持ちを強く持っていました。
震災当時は東電職員だからといって冷たい目で見られていたこともあったそうです。しかし小さな努力(地域へのまちづくりの貢献、復興推進活動など)を続けることで、少しずつ信頼を取り戻そうとしています。

職員のみなさんと記念撮影

<リフレクション>
福島大学に場所を移し、グループワークを通して感想を共有しました。
それぞれが感じ取ったことを”自分の言葉”にするのが目的です。
「思っていたより第二原発は小さかった」,「東電で働く職員の方々を見て、自分もあんな強い気持ちを持った大人になりたい」などの意見がでました。
また、「第二原発のゴールは??」,「最終的にはどうなるの??」といった疑問も更に深まりました。

リフレクションで体験を自分の言葉に落とし込んでいきます

<視察を終えて>
参加した学生の目線や思いは、視察前後で大きく変化したと思います。自分の目で確かめ、現場の「声」を知ることは非常に重要なことです。

参加者の皆さんには、今回の1日で考えるのをやめず、今後も原発について《自分事》として考え続けてほしいです。私たちも考え続けていきます。

次の視察は1月の第一原発です。これからも、原発や福島について”自分の言葉”で考え・発信できる学生を増やしていきたいと思います。

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