Imminent Issue について

Imminentとは、「喫緊の」「切迫した」という意味です。

ASHOKAフェロー候補の前提は、取り組んでいるイシューが、imminentであるか、つまり自分の生きている社会の差し迫った問題であるかどうかということです。例えば、2015年以来、約100万人のシリアからの難民を受け入れているドイツでは、難民がドイツ社会に一日も早く溶け込み市民権を得られるための様々なイノヴェーションに取り組んでいるフェローが選出されています。また、半ば鬱状態に落ち込む難民の精神的ストレスを軽減するための前代未聞のスキームを実施しているフェローも昨年選出されました。お隣のフランスでも難民に関する取り組みが目立っています。一方、安全な飲み水がない、基本的な人権が守られていない、女の子だという理由で学校に行けない、などのごく基本的な人権に取り組むフェローが、多くの途上国で活動しています。

それでは、日本の切迫したイシューはなにか? 便利過ぎるくらい便利なコンビニエンスストアがそこら中にあって、厳重な銃規制と麻薬規制のある日本は、世界中の人々が羨む清潔で安全で便利な国です。「厳重な規制」は、銃や麻薬に留まらず、人にまで及んでいます。難民や移民を受け入れる為には、大きな覚悟が必要です。「使って要らなくなったら追い出す」という今までの政策ではもはや先進国として通用しない。一旦、受け入れたら、語学や日本で通用するルールの教育を通して彼らが日本に同化する手助けをしなくてはならない。その覚悟はないので、最初から一切受け入れない政策をとっているのは、世界の先進国で日本だけです。

フェローの中でも人間の観察が極めて鋭い教育者と精神科医師(共にASHOKAフェロー)と、彼らの日本社会に対する観察について話したことがあります。「日本人は勤勉で礼儀正しいけれど、”心”の分野では非常に危険だ。内省が浅くその結果ひとを傷つけることに鈍くなっている。」と2人が異句同音に語っていました。私も彼らのように危機感を覚えています。そして今のしごとを始める決意を促したのは、この危機感です。”Safe environment”(誰もがあるがままの自分を表しても周りから受け入れられる『安全な環境』)を、早急に日本に創らねばならない。この想いがASHOKAを立ち上げた私の元々の決意であり推進力でもあります。この「内省力の浅さから来る他者の気持ちへの鈍感さ」が、生きにくい社会を創りだしていると思うのです。

内省するスキルを掘り下げ、自分と他者の感情に敏感になるための能力の開発が、私たちの「喫緊のニーズ」であると、私は思っています。日本に欠けているこのスキルを取り戻すという目的に近づくためのYouth Venture であり、 Changemaker Schools であり,Ashoka U Changemaker Campusなのです。

One clap, two clap, three clap, forty?

By clapping more or less, you can signal to us which stories really stand out.