「アジアのアンドリーセン・ホロウィッツ」を目指す、80億円規模の新ファンドMonk’s Hill Venturesとは?

注)こちらのオリジナル記事は2014/5/19に公開されました

東南アジアで、1億シンガポールドル(約80億円)の資金をもとに、Monk’s Hill Venturesがスタートアップ投資を開始する。TechCrunchはじめ、Tech in AsiaWall Street Journal等でニュースになっていたが、気になるので情報をまとめ。

“Entrepreneurs backing entrepreneurs” — 起業経験豊富なチーム

東南アジアで良く語られているのは「シリーズAクランチ」と呼ばれるシード以降のステージでの資金難だが、Monk’s Hillのメンバーは「それよりも深刻な問題は経験豊富な起業家によるベンチャーキャピタルが少ないということだ」と語る。
 事実、彼らはホームページで一番に掲げているコンセプトは、”Entrepreneurs backing entrepreneurs”(起業家による起業家支援)だ。そしてそのコンセプトを裏切らない、全員が豊富な起業経験を持つ強力なチームを組んでいる。

左から:Kuo-Yi Lim, Tom Clayton, Peng T. Ong, Stefan Jung

マネージングパートナーのシンガポール人Peng T. Ong氏は、デーティングサイトMatch.com(2003年にIACが買収)の共同創業者CTOを務めた後、CMS提供のInterwovenを創業しCEOとして1999年のナスダック上場まで導いた人物。シンガポール通信最大手のSingTelのボードメンバーだった経験もあり、最近までは中国のベンチャーキャピタルGSR Venturesのパートナーであった。

同じくマネージングパートナーのKuo-Yi Lim氏は、Twilio, Gengo等への出資で知られる$200M規模のシンガポールVC、Infocomm InvestmentsをCEOとして3年間率いていた人物。

パートナーのStefan Jung氏は、ベイン&カンパニー、BCGの後、最近まではロケットインターネットで、今や東南アジア最大のECサイトになっているZaloraとLazadaの立ち上げを行っていた。また、同じくロケットが率いる$200M規模のベンチャーキャピタルGlobal Founders Capitalで、インドネシア最大の航空券予約サイトTravelokaへの出資をリードしていた人物。

もう一名フルタイムではないようだが、スペシャル・アドバイザーというポジションになっているTom Clayton氏は、セコイアキャピタルが出資した声のソーシャルネットワークBubblyのファウンダー/CEO。 以前にはBEA Systemsという、Oracleが2008年に$8.5Bで買収した企業のモバイルビジネス部長だった。現在はBubblyの売却交渉中だという。

アソシエイトのChristian Sutardi氏も、元ロケットインターネットでフードデリバリーのFoodPandaの立ち上げを行い、以前のブログ記事でも取りあげたLolaboxという美容品の定期購入サービスを創業していた人物という徹底っぷり。

他、インドネシア現地人の女性をオペレーション担当として採用している。

「アジアのアンドリーセン・ホロウィッツを目指す」

Monk’s Hill Venturesは、ジャカルタとシンガポールにオフィスを構え、投資の基本方針としてはシンガポール、インドネシア、フィリピン、ベトナム、タイ、マレーシアのアーリーからシリーズA, Bのテクノロジー企業。シリコンバレーと日本もウォッチしていく予定で、特にEコマース・モバイル・ビッグデータ・クラウドベースサービスの分野に注目しているようだ。 また、アジアに進出しようというレイターステージのグローバルサービス(例としてAirbnbやTwilioを挙げている)にも投資していくという。

2–3年ごとにファンド自体の資金調達も予定していて、東南アジアの最大のテクノロジーVCファンドを目指す。「アジアのアンドリーセン・ホロウィッツになりたいんだ」とClayton氏はThe Next Webに伝えている。

ファンドのLPは明らかにされていないが、ファウンディングチームの過去ネットワークから集めている模様(シリコンバレーとシンガポールが主だと思われる)。

フォントの感じも似てる気が…

HPのViewsのページでは、各パートナーがそれぞれの知識に沿った記事を公開しているので要チェック。
これまでにMonk’s Hillチームはアジアの1000以上のスタートアップのデータベースを作成し、1年前からディールをトラッキングしていたという。
2–3ヶ月以内に最初の投資案件のニュースが出てくる、と語っているのでどういったところに投資していくのか今後も注目していきたい。Monk’s Hill Venturesのニュースの翌日に、Gree Venturesが新たに$50Mの新ファンドを東南アジアで展開するというニュースもあったが、どんどん東南アジアのベンチャー投資がヒートアップしていっている印象がある。

参考


Originally published at asean-tech.blogspot.com on November 24, 2017.

Like what you read? Give Yusuke Obinata (Obi) a round of applause.

From a quick cheer to a standing ovation, clap to show how much you enjoyed this story.