【2014年版】フィリピンのモバイルインターネットユーザー動向

Yusuke Obinata (Obi)
Asia Tech
Published in
7 min readNov 26, 2017

こちらのオリジナル記事は2014/8/6に公開されました

イギリスの調査機関On Device Researchが、今年6月半ばにフィリピン国内900人のモバイルインターネットユーザー(スマホ・ガラケー含む)に調査を行った最新レポートが公開されている。
こういったレポートは数値にバラつきがあるので何とも言えない部分もあるが、今年6月に出た最新のニールセンレポートによると、フィリピンのインターネット浸透率は過去4年間で約2倍の52%(2010年は27%)になっており、うち、デスクトップからインターネットにアクセスするユーザーは激減しており、2012年後半には63%だったのが2014年には35%になっている。 一方、モバイルデバイスからインターネットにアクセスするユーザーは増加の一途にあり、現在はデスクトップ利用と同じ35%に。 モバイルからインターネットを利用しているフィリピンユーザーは単純計算で約1765万人か。

■スマホ普及率

現在のフィリピンのスマホ普及率は15%と、他の東南アジア諸国に比べると最も低い。

※シンガポール87%, マレーシア80%, タイ49%, インドネシア23%

しかし、フィリピンのスマホ普及はインドネシアとマレーシアを足したスピードよりも早く進むと予測されており、2015年には3倍以上の50%になると予測。

■言語

モバイルインターネットユーザーのうち40%が英語を好み、60%はフィリピーノ(タガログ語など地場の言語)を好む

■フィリピン人はどのスマホを使っているのか?

現時点ではサムスンのシェアが43%と圧倒的。数%以下の多くのブランドを合計した結果「その他」が29%となっている。次に続くのがソニーの7%、チェリーモバイルが7%。

Huaweiは2015年までにフィリピン国内マーケットシェア10%を目指し、今年6月には低価格帯の機種をローンチするなど力を入れている。Oppo、Xiaomiなども注力。

また、ローカルの”3強”メーカー、MyPhone, Cherry Mobile, Starmobileが$50–250の低価格スマホを提供しており、成長を加速させている。

2013年の携帯電話販売数は2800万台。
うち2290万台(82%)はガラケー510万台(18%)はスマホであった。

■女性ユーザー

東南アジア平均と比べると、女性のモバイルネット利用率が高い。

  • フィリピン:男性56% — 女性44%
  • 東南アジア全体:男性63% — 女性37%

■モバイルネット利用の大多数は若年層

全モバイルネット人口のうち、16–34歳の若年層だけで88%を占める


■ラップトップよりもタブレットが人気

Q. モバイル機器以外に現在どのデバイスを所有しているか?

  1. タブレット 30%
  2. ラップトップ 25%
  3. デスクトップ 23%
  4. スマートTV 7%
  5. スマートウォッチ 3%
  6. Fitbitなどのフィットネストラッカー 2%
  7. Eリーダー 2%

最も多いのはタブレットであった。また、英語話者はフィリピン語のみの話者の2倍以上ラップトップを所有しているという面白いデータも。

■85%が6ヶ月以内に新たな電子機器の購入を予定

■通信キャリアについて

シェアトップはSMARTでシェア54%(利用者数4600万)

2位はGlobeでシェア29%(利用者数2450万)次いでSunなどが続く。

また、SMARTのLTEネットワークは世界でも5番目に遅く、Globeは7番目に遅い・・

■ネットし放題プランを選択するユーザーの増加

あなたが使うモバイルインターネットプランは?の問いに対して、

半数が無制限プランにしているとの答えが。

・スマホユーザーの40%が1日に5時間以上スマホを利用

■80%がFacebookメッセンジャーを利用

どのチャットアプリを週に一回以上利用するか?
1. Facebookメッセンジャー 82%2. Viber 27%3. Skype 27%4. Yahooメッセンジャー 17%5. Twitter 16%6. WeChat 15%7. Line 10%8. Kakao Talk 9%

9. WhatsApp 8%

また、スマホユーザーの32%が月に6つ以上アプリをダウンロードしているというデータも。

■ソーシャルメディア

フィリピンはなんといってもFacebook大国。

インターネットユーザーの94%がFacebookを利用。アメリカでは54%ということを考えると非常に高いことが分かる。

また、フィリピン人はネット上の消費時間のうち42%、1日に4時間をソーシャルメディアで費やす。中国では1.5時間/日、インドネシアでは2.9時間/日だ。

■過去三ヶ月に半数以上がオンライン決済を利用

Q. 最近三ヶ月以内で利用した決済サービスは?

1. G Cash 12%

2. Paypal 11%

3. Smart Money 10%

4. PayCash by Pesopay 8%

5. BancNet 8%

全人口の73%が銀行口座を持たず、クレジットカード浸透率はわずか3%というなか、Eウォレットが普及し始めている。中でもキャリアのGlobeが提供するG CashやSmartが提供するSmart Moneyが人気。一通SMSを送るだけで利用開始でき、通常のプリペイド利用のように近隣店舗などでチャージし、他のユーザーへの送金や、オンラインショッピングではデビットカードのように利用出来る。

■音楽ストリーミングサービスが人気

Q. どの音楽ストリーミングサービスを週に一回以上利用するか?
1. Spotify 13%
2. Spinnr 11%
3. My Pinoy Radio 10%
4. SoundCloud 8%
5. Radio Republic 6%
6. Amplify 3%

モバイルインターネットユーザーの半数以上が音楽ストリーミングサービスを利用している結果に。SpotifyはGlobeと提携し、Globeのデータプラン契約者には無料でSpotifyプレミアムサービスを提供開始したことからユーザーが増えている。

▶元データはこちら

Philippines mobile internet trends from On Device Research

Originally published at asean-tech.blogspot.com on November 26, 2017.

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