アソビューのサービスに必要な品質を「狩野モデル」の品質定義に当てはめて考えてみた
アソビュー Advent Calendar 2020の7日目です。
アソビューでQAをしている望月です。
今夏に第一子が誕生し、守るべきものが1つ増えたということで、
これからは家族と品質をしっかり守っていけるように頑張ります!
今回はタイトルにもある通り、
「狩野モデル」の品質定義を踏まえてアソビューが追い求めるべき品質についてブログを書いていきます。
(自論なので、ご了承ください)
■アジェンダ
・まず、はじめに
・QAチームが1年前に抱えていた課題
・「狩野モデル」の品質定義とは
・アソビューのサービスに「狩野モデル」を当てはめてみた
・(当てはめた結果)アソビューが追い求めるべき品質とは
・品質を守るため/磨くために、QAとしてやらなければいけないこと
・まとめ
■まず、はじめに
アソビュー Advent Calendar 2019でQAチームが以下のブログを書かせていただきました。
そのブログの中で、「狩野モデル」の品質定義について軽く触れておりますが、「狩野モデル」の品質定義をアソビューのサービスに当てはめて考えたことで、アソビューが追い求めるべき品質/QAが行うべき戦略が見えてきたので、今回はその点について説明していこうと思います。
■QAチームが1年前に抱えていた課題
アソビューQAチームは1年前に以下の課題を抱えていました。
品質基準がフワっとしているので、過剰なQAが行われている
1つの品質を追い求め過ぎてしまうことで、テスト工数が膨らみ/リリースサイクルのスピードが遅くなり、結果、顧客への価値提供が遅れてしまうという原因をQAチームが作ってしまっていました。
(QAがリリースのボトルネックになっていた)
その課題を解決すべく、「狩野モデル」の品質定義を参考にアソビューが本当に守るべき品質はなにか?を考えてみました。
■「狩野モデル」の品質定義とは
顧客満足度に影響を与える製品やサービスの品質要素を分類し、それぞれの特徴を記述したモデルである。(wikipedia参照)
「狩野モデル」では、顧客の求める品質を「当たり前品質」「魅力的品質」「一元的品質」の3つに分類し、定義されています。
【当たり前品質】
満たされて当たり前の品質。
満たされていなければ顧客の不満を引き起こす。
<例>
・サービスの機能要件がきちんと満たされている/満たされていない
・致命的なバグが出ない/出る
・サービスが停止しない(したとしてもすぐ復旧する)/停止する(なかなか復旧しない)
【魅力的品質】
満たされなくても顧客の不満を引き起こさないが、満たされれば顧客に満足感と喜びを与える。
<例>
・他社と比較して、便利な機能がある
・操作の難易度が高くない(操作がわかりやすい)
・ニーズにあったサービスが提供できている(顧客に新しい発見をもたらせている)
【一元的品質】
満たされれば満たされるほど満足度が高まり、満たされないと不満につながる可能性がある。
<例>
・パフォーマンス/スペックが高く、サービスを快適に利用できる
■アソビューのサービスに「狩野モデル」を当てはめてみた
「狩野モデル」のうち、「当たり前品質」と「魅力的品質」をアソビューのサービスに当てはめてみました。
※今回は私が担当しているasoview.com(アソビューの軸となるサービス)を対象にします
asoview.comに当てはめると・・・
【当たり前品質】
①ゲストがアソビューを利用して予約/購入できる
②ゲストのあそび検索→予約/購入のフローに致命的な不具合が出ない
③サービスが停止しない
④セキュリティ面で安全性がある(個人情報が不正利用されないなど)
上記が当たり前に満たされていなければいけないと定義できます。
全て満たされることで、ユーザーは安心してサービスを利用できます。
一方で1つでも満たされていないものがあると、サービスに不満/不安/不信感を与えてしまい、機会損失に繋ってしまいます。
【魅力的品質】
①他社にはない機能がある(ユーザーがお得に感じるサービスがある)
②あそび検索→予約/購入のフロー/操作性の難易度が高くない(誰でも簡単に操作できる
③検索機能が複雑ではないこと(ユーザーのニーズに合ったあそびを簡単に検索できること)
上記が満たされていれば、一度アソビューを利用したユーザーはサービスに対して魅力感を覚え、満足感に繋がります。
(使いやすな〜/自分のニーズにあった検索が簡単にできるな〜/この機能が便利だな〜etc)
満足感を与えることで以下の効果を期待できます。
・ユーザーが、初回利用に続き/2回目以降も継続的に利用してくれる(リピーターの獲得)
※満たされない場合、ユーザーは初回利用したとしても、2回目以降のリピート率は上がりにくいです(F2転換率が上がらない)
【一元的品質】
①サービスのパフォーマンスが高い
上記が満たされていれば、ユーザーは快適にサービス利用することができ、満足感に繋がります。
逆にパフォーマンスが低いと、サービス利用を通じて不満やストレスを与えてしまう可能性があります。
■(当てはめた結果)アソビューが追い求めるべき品質とは
守りの品質(当たり前品質/一元的品質)だけではなく、攻めの品質(魅力的品質)も同様に磨いていく必要性に気づくことができました。
(革新的なサービスを目指すには、攻めの品質も必要不可欠)
もちろん、当たり前品質をきちんと担保した上で攻めに転じることが重要である。
「当たり前品質」「魅力的品質」「一元的品質」の3品質を追い求めること/磨き上げることで、以下2点を達成することができると考えます。
①新規ユーザーの獲得
②継続ユーザー(リピーター)の獲得(F2転換率向上)
→⭐️時代を先進する革新的なサービスへと成長⭐
■品質を守るため/磨くために、QAとしてやらなければいけないこと
言わずもがなですが、QAのミッションは品質を守ること/向上させることです。
とはいえ、QAだけの力でサービス全体の品質を守ることは結構難しいです。(これはほとんどの企業のQAチームがそう感じていると思います)
そこで、何が重要かというと
「QA以外の開発メンバーを巻き込んで品質を守っていくこと」です。
(※他力本願/責任転嫁するという意味ではないので注意)
アソビューのQAはSHIFT-LEFTの概念を基に、要件定義のフェーズからプロジェクトに参画しています。
QAは「最後の砦」という印象が強い職種ですが(テストが最後のフェーズになるため)、DevOps/アジャイルのような早い開発サイクルに対応し、品質を担保するためには、要件定義のような上流のフェーズからQAが参画することが重要です。
その上流フェーズから自分以外のメンバー全員に品質に関して当事者意識を根付かせ、上流工程から品質を磨いていくことが結果「当たり前品質」「魅力的品質」「一元的品質」の担保に繋がると考えます。それを主導(リード)することがQAの本当のミッションと言えるのでは、と最近QAについて学習する中で気付きました。(QAセミナーに積極的に参加して、他社の事例など色んなノウハウを見つけるのが最近の趣味ですw)
例えば、以下のような連携が挙げられます
・SREと連携して、サービスのパフォーマンスを向上させる施策を実施
・開発メンバーと連携して、生産性/サービスの信頼性を向上させる施策(自動化)を実施
※携わるプロダクトやQAが参画する領域によって、求められる品質は異なりますので、それぞれのプロダクトに適した品質をチーム全体で定義する必要があります
■まとめ
ユーザー視点に立つと、やはり安心して利用できるサービス/魅力的に感じるサービス(どこに魅力を感じるかはその人次第)を使いたくなりますよね。アソビューはそんなサービスを目指しています。
そのためにはやはり品質をきちんと管理して守り抜き、そして磨いていくことが大切だと思います。
それは個々の力ではなく、サービスに関わる全てのメンバーが品質に対して当事者意識を持って向き合うことが重要です。
その重要な部分をQAがリードして、競合他社に負けないような魅力的なサービスを作っていけるようにこれから個々のスキルを伸ばしていきたいと思います。
(リリースのスピード向上/品質向上の観点で自動化にもどんどんチャレンジして取り組んでいきたいと思っています)
■最後に
アソビュー!では一緒に事業をつくる仲間を絶賛募集中です。
活気ある企業でバリバリ活躍したい方!お待ちしております!
(QAも絶賛募集中!!)