シュトレン・エンデュアランス・レース
最近はいろいろなクリスマスケーキがそれぞれの店で出ていて面白いですよね。普段お菓子屋さんで売ってるケーキの上にサンタクロースなんかが乗っている昔ながらのものや、クラシックなブッシュ・ド・ノエル、パネトーネなんかもよく見かけます。
私は洋酒に漬けたドライフルーツがものすごく好きなので、ドイツのクリスマス菓子のシュトレンが気に入っているのですが、今年は手違いから、なぜかクリスマスイブの日に3本ものシュトレンを手に入れました(そもそもシュトレンて、12月の頭ぐらいに作って、アドベントカレンダーみたいに毎日薄くスライスして食べるものらしいんだけども…)。
どこのもおいしかったのでエセ・グルメレビューしてみます。
今回食べてみたのは
①帝国ホテル『ガルガンチュワ』
②広尾『A.Lecomte』(銀座店)
③中目黒『TOLO PAN TOKYO』(リンクはパン好きのポータルサイト内ページ)
のシュトレンです。
さて、ケーキに限らず、お菓子という存在が全く人間の飢えを満たす上で必要のないものである以上、プレゼンテーションからがお菓子体験の始まりなわけですが、外装はどのようになっているのか。
まずガルガンチュワから。
旧帝国ホテルの設計者フランク・ロイド・ライトの意匠を忍ばせるアールデコ風の袋です。素敵ですね。
次、 A.Lecomte。
パティスリーというよりはブーランジェリーといった趣のシンプルな袋。
最後はTOLO PAN TOKYO。
袋ねえし。まあ、袋なんか食べられないからな。パン屋さんらしいプラクティカルな考え方かもしれん。
次は中身。
ガルガンチュワから。
銀の模様のついた、クリスマスらしいかわいい箱です。贈り物にぴったりです。ただ、旦那氏(シュトレン食べられないマン)に頼んだらものすごいでかい鈍器みたいなサイズが来てしまった。なお我が家でシュトレン食べられるのは私だけ。
次、A.Lecomte。
シュトレンらしいあっさりした包装に、素敵なカードがロイヤルブルーのリボンで結んであります。シュトレン自体は膝の皿ぐらいのサイズでしょうか。(?)
TOLO PAN TOKYO。
あっハイ。 さっき見ました。角のシール、マスキングテープなんだけど。一番シュトレンらしい包装とも言える…豆腐屋さんのおとうふぐらいのサイズ。
早速スライスしてみます。まずガルガンチュワから。
大きめのドライフルーツがいっぱい入ってますね!おいしそう。 生地の肌理はスポンジケーキよりは繊細です。成分表を見てみると、
…干しぶどうとレーズンって違うものなのかよ。黒イチジク(初めて聞いた)。レモンピールとオレンジピール両方入ってるのか。ナッツはくるみとアーモンド…
食べた感じは、かなりパウンドケーキっぽいです。ガルガンチュワには一本10000円のファッキン王侯貴族のパウンドケーキ『オーチャード』っていうのが売ってるんですが、それがギュッと詰まったような感じで、多分とっつきやすいシュトレンだと思います。スパイスもそこまでしつこくなく、中国茶なんかでもいけそうです。おいしい〜
次はA.Lecomte。
側が分厚いです!「おくるみ」の名の通りですね。中のドライフルーツが心なしか少ない気が… 成分表によると、
フルーツはレーズン、いちじく、プラム、あんず、オレンジ。ナッツはアーモンドと松の実!ほぉ〜
食べてみると、外側の砂糖がカリカリしてて、中の生地とのコントラストがおいしい。カリッ、しっとりって感じですね。生地がすごくしっとりしてるので、ドライフルーツ少なめでちょうどいいです。すごく洗練された味って感じ。こういう歯触りにコントラストがあるやつ、好きなんですよね。うまい〜
最後はTOLO PAN TOKYO。
これはすごい、フルーツがぎっしりだ! 生地の肌理も、肌理ってレベルじゃねーぞ!重量感ありまくり。成分表チェック。
レーズン。クリームチーズ?!りんご?!あんず、柚子?!みりん?!生姜?!すごい独自路線だけど大丈夫かよ。ナッツも入ってないな。うーん。
これが、おいしいんです!ドライフルーツ好きにはたまらない味でした。ドライフルーツはどれも味が濃く、中でもリンゴの歯触りと酸味が素晴らしいコントラスト。ナッツが入ってないのを全然感じさせない歯触りのバラエティです。クリームチーズを使ったどっしりした生地と良く合います。生姜とカルダモンもかなり効いてるので、パンチがあるのにしつこくない!これはすごい〜
3本食べ比べた結果「同じシュトレンと言っても、どれも個性豊かでおいしかったです。みんな違ってみんないい。」みたいなすごいつまんない感想になっちゃったし、いつまで食い続ける羽目になるんだろ…
でもシュトレン本当においしいよ。食べてみてね!
Merry Christmas!