開催1か月前にイベントを中止することになりました

Haruka Furukawa
welcomebark
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7 min readJan 10, 2020

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2019年11月5日にBARKという新ブランド・新会社を発表しました。
同時に、「BARKATION by BARK(2020年2月19–20日)」イベントの開催を発表し、2020年1月10日、今日、イベントの中止を発表しました。

この急展開に「どうした?」という感じる方も多いと思うし、とても大きな決定だったので、自分のためににもチームのためにも、この記事を書こうと思います。

長くなりそうなので目次:

1. BARKとは、BARKATIONとは
2. 11月のローンチから年末まで
3. 中止にした理由
4. 今回の学びと、今後について

  1. BARKとは、BARKATIONとは

BARKとは、に関しては以前投稿した記事に書きましたが、 “BARKのCELEBRATION” として打ち出した “BARKATION” について、前身団体であるSlush Tokyoから引き続き、なぜオフラインのイベントに拘っているのか、書きます。

“本当の意味でのボーダレスでフラットな(国籍、文化、年齢、性別、業界など関係なく、誰もが平等にチャンスを得られる)環境で、挑戦をしている人/チームをCelebrateする。”
私たちは、この文化を社会の当たり前にする、という目的で活動をしています。

海外に行って日本についての印象を聞いてみると、「観光には最高だけどビジネスするイメージはない」「仕事しに行こうと思ったことはないな」とか言われることが多い。また、男女平等だとか年功序列だとか外国籍の場合の働きにくさだとか、議論されていることがたくさんあるし “inclusivity” という意味で日本という国がロールモデルになるのはまだ難しい… 本当に?

それって、ほとんどマインドセット次第でなんでもなるんじゃないか。
「できる」って思ったらできる(根性論的な意味ではなく)、というか、「あ、なんだ、できるんじゃん」って体感したら次のチャンスから、今まで挑戦できなかったことに手を挙げられるはず。

例えば、未経験でも「挑戦させて」とか、「偉い人」に意見を言ってみるとか、英語で話すのが怖くても話してみるとか。実体験として「あ、なんだ、できるじゃん」を増やしたくて、経験の場所という意味でオフラインで人が集まる場所(=イベント)に拘っています。

2. 11月のローンチから年末まで

ローンチ前、夏の間にたくさんの、たくさんの議論を重ね、チームとして過去最高だと自負したイベント企画を持って走り始めた11月。

年末までの2ヶ月は文字通り、怒涛の準備期間。
ゼロからブランドを構築するということ。会場のデザインこのままでいいの?マーケティング戦略変える?営業資料も見直したい、チームの構成も考え直すか…などなど。

毎日脳フル回転で試行錯誤の連続で、チケットが1枚売れる毎に、投稿にコメントが一つ付く毎に、作っていたシステムが一歩前進する毎に、「是非コラボしましょう」というメールが来る度に、オフィスもSlack大盛り上がりしたし、強いブランドから卒業し正直最初は不安だったチームも、少しずつ「大丈夫だ、間違ってない、絶対うまくいく」と自信を持ち始めた。

が、やっと軌道に乗り始めた頃には年末。

いよいよイベントが直前期になり、現実的なリソースを見ながら「何を削るか」「どこを妥協するか」という話し合いが増えていく。

さすがに不可能かなと思っていた企画が「まさかの、これ、実現できるかも!?」となっていたり、BARKチームとしても力が付いてきたな、という実感の中、削るものを日々議論するのは苦しかった。正直、一週間の中で、一番参加したくないミーティングだった。

本音を言うと、みんな、何も削りたくない。妥協したくない。スタートダッシュは遅れたが、なんとかやり切れる、と思っている。なんなら、新しいアイディアがどんどん生まれて、毎日新しい提案をされる。

と、同時に、残り1か月。

基本的に “Just do it.” “Everything is possible” なチームだけど、体力と時間軸を考えて、どう判断しようか…

決して楽しくはない、現実的な話を、年末の静かなオフィスで重ねました。(唯一、真剣な中でたまに爆笑が起こるのが救いだったな。ピンチな時ほど面白い、このチームが大好きです。笑)

3. 中止にした理由

“Done is better than perfect.” vs “Don’t ship Shit.”
頭の中でぐるぐるぐるぐる考えが回っていた。

途中で諦めるというカルチャーを作りたくないし、このムーブメントを止めちゃいけない、という意見と、中途半端にイベントを開催しないで、一度時間をかけて、活動の本質を問い直したい、と言う意見。どちらも正しくて、すごく考えた。最終的に「なんでこの活動をしているんだっけ」という話に立ち返ることになった。

私たちの活動の目的は「イベントを開催する」ことは手段の一つに過ぎず、本当の目的は「未来を創る者たちが、最大限羽ばたける土壌づくり」である。

2日間のイベントはあくまでもきっかけで、参加してくださった皆様がそれぞれ持ち帰った先でBARKが提案している文化と概念を実現して欲しい。「あ、そういえばBARKATIONでこんなことあったな」とたまに思い出してもらって、「あの時みたいに挑戦してみよっかな」と思ってくれる人たちと一緒に、少しずつ新しい文化を作っていきたい。

だからこそ皆様に愛されるコミュニティの元となるコンテンツと空間を作って、「よかったな、この感じ、忘れないようにしよう」「あの友達にも共有したいな」と感じてもらい、少しずつ共感の輪を大きくしていきたい。

このまま準備を進めて、ギリギリ「開催」はできても、皆様がこう感じられるクオリティの結果を作れるのか。議論の末、今回はもう少し時間が欲しい、と中止の決定をしました。

4. 今回の学びと、今後について

2月のBARKATIONの開催は中止になりましたが、今回もちろんこのムーブメントは止まりませんし、BARKの活動は継続します。

夏、本当に長い時間をかけてチームとして議論と経験を重ね、ビジョンを固めました。しかし、ビジョンが固まったところでプロダクトは固まらないし、それがすぐに結果に繋がるとは限りらない。スタートアップの皆様からしたら当たり前かもしれませんが、今まで、強いブランドを担いで活動していた私たちにとっては痛いぐらいの学びでした。

今回の企画を持って国内外の様々な方々とお話をさせていただき、ビジョンとしてたくさんの方々に賛同・応援をいただきました。だからこそ、よりoutcomeを良いものにしたいです。

どうしても既存の型に捉われてしまっていたところはあったので、

  • 参加者の皆様からは何が求められているのか
  • 最適な体験設計ができていたのか
  • 私たちが理想とする「人の集まり」はどんな形なのか

もう一度時間をかけて Why/How/Whatを練り直し、再度挑戦します。

三歩進んで二歩下がる、を日々繰り返している成長途中のチームではありますが、ミッションの実現のために試行錯誤を続けてゆきます。

これからもよろしくお願いします。

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Haruka Furukawa
welcomebark

CEO at BARK. Used to run Slush Tokyo. Ex-barista with coffee running in veins, now brewing startup ideas.