Event Report (JP): “Riding the Big Waves of Diversity — IRORI #2”

Haruka Furukawa
welcomebark
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11 min readMay 29, 2020

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IRORI #2 “Riding the Big Waves of Diversity” 無事終了しました!今回はPlusOne社と初めてのコラボ開催。110人以上の申し込みがあり、非常に盛況でした!ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。1時間という短い時間でしたが、今回もかなり濃密でした…!

🙂今回のゲスト🙂

  • 村上 臣さん(Linkedin Japan代表)
  • Piotr Feliks Grzywaczさん(Pronoia Group CEO)
  • Rochelle Koppさん(Japan Intercultural Consulting CEO)
  • Jon Suさん(PlusOne CEO)

「なんでそうするの?」の深堀りを楽しめ

「グローバルで働きたい、何から始める?」というイベントテーマに直結するこのテーマからパネルがスタート。

「やはり、文化の違いがあること。」とRochelleさんより即答。

相手の行動に「あれ?」と違和感を感じたとき、人間は否定的に反応しがちだが、「なぜ相手がそのような行動をするのかと深く考える」習慣付けを、とRochelleさん。

Piotrさんは、「自分のバイアスに気付くこと」と加える。例えば、Piotrさんは英語で話しかけられることが多いが、実は日本語の方が話しやすいという。それも見た目で判断したバイアス。グローバルな環境だと、自分の小さなバイアスと毎日向き合うことになる。自分の常識が通用しない場所で、好奇心を持ってチャレンジすることは欠かせない。

さらに、自分と異なるスタイルの人に会ったときに、違いをポジティブに捉える「共感力」も挙げた。

文化の壁を壊したい、そんな想いが言葉の端々から伝わってくるJon Suさん

続いてJonさんは「コミュニケーション力」に注目。相手の目線で、どのように意思を伝えるかを常に意識することが必要だ。

「No」の言いにくさが話題に上がると、コメント欄には「分かる」「アメリカ人の僕でもNoは言いにくいです」「いいえ、という言葉自体が弱めのニュアンスでは?」という興味深いコメントが相次いだ。(次回の記事で取り上げようと思う。)

「常識なんて存在しない」それが世界では当たり前

次々と挑戦する村上臣さん、彼の背中から学ぶことはまだまだありそうです

ここで話題はShinさんのキャリアへ。40代で初めての外資(しかも代表!)へのチャレンジ。恐怖感はなかったのか?転職を考えている参加者へのアドバイスを聞いた。

英語はもっと早くやれば良かったと痛感している」とShinさん。こちらから何かをお願いするときに、発音が聞き取れない、と逃げられることも!と冗談交じりに語った。ゆっくりでも正しい発音の練習を、とアドバイス。

また、「意図的に色々な人と触れ合う」こと。常識なんて存在しないということを知る、と強調。日本人同士にとっては当たり前のことも、世界では全く通用しないことばかりだ。

現在は翻訳ツール、週一のトレーニングや発音矯正、同僚に指摘してもらう、など熱心に勉強中。偶然にもRochelleさんの著書「英語の品格」を日々辞書のように参照し英語力を磨いているとのエピソードも。(きっとここで数人Amazonに走ったでしょう。笑)

世界が認める和の心

Rochelleさんのセミナーでは「日本人は非常に親切で丁寧。計画力と実行力が高く、成果に求めるクオリティも高い」と評判だと言う。

Piotrさんは「少しぶっ飛んだ発言になるかもしれませんが」と前置きした上で「グローバルという言葉はラテン語で “絶対的・全体的”という意味。国際展開だけでなく地球について、平和について、等も含めて総合的に考えられる点では本質的に日本人は得意だと感じる」と語る。行き過ぎた資本主義・消費主義の考え方ではなく、わびさびといった思想を無意識的に持っていることは日本人の誇るべき特性だと再認識する。

また、同感、共感、思いやり、承認、感謝…など、細やかな感情表現ができることは重要だという。このスキルに語学力をつけると、グローバルでも通用する非常に強い人材になると言う。

言葉選びが非常に美しいRochelle Koppさん、さすが画面越しでも伝わるプロの品格…

グローバル企業で働いて、特に活きていると思うことは?

Walt Disney Companyで働いていたJonさんからスタート。「良い点ばかり。ネガティブなことはない。」と即答。毎日様々なメンバーと働くことで、小さなミスを重ねながらも、自然に学ぶ姿勢が身についた、と語る。
現職でもこの経験を生かし、様々の国籍のメンバーとも円滑なコミュニケーションが取れている。

Linkedinについて村上さんは「グローバルで一つのビジョン・ミッションに向かっていて、全世界を動かすオペレーションのフレームワークができている」点に驚いたという。世界中の支社に、一つのミッションの達成に向け、オペレーションの細部まで仕組み化されているだそう。

普段自分の生活の中ではできない経験をすること。全く違う文化で仕事をしている人と接点を持つこと。これがグローバルな環境だからこそ得られる経験だったPiotrさんは振り返る。

Rochelleさんはグローバルな企業で働くメリットは、学び、成長する機会が増えることだという。規模の大きい仕事に取り組む機会があるとその分成長ができる。

努力は必要だが、それに見合った様々なスキルが身に付くと言うのは全員共通の見解だった。

Global Business vs Global Environement

Piotrさんはここでグローバル「企業」ではなく「環境」であることが大事だと強調。「実はほとんどの日本の大手企業はグローバル企業だと気付いて欲しい」と言う。

では日本法人と海外法人で働くことにはどのような違いがあるのか。そこにはシステムや文化の違いが大きくあると指摘。LinkedinやGoogleのような企業は、どの国のオフィスを訪れても「その会社らしい」雰囲気やシステムがある。村上さんも「まさにその通り。Linkedinは特にカルチャーに力を入れているが、どこの支社に行ってもほっとする。」と言う。

「国内向けのサービスしか作っていない日本のIT企業が実は一番ドメスティック。製造業やメーカーは海外でも売り上げがあり、支社も作る。そう言う意味ではグローバル化は進んでいる。ただしこの支社のトップは駐在の日本人に担当させる。海外法人の場合は、現地人CEOを雇い、支社を有機的に繋げる。その上で全世界を動かすフレームワークを持っていることが強みだ。」と、村上さんは続けた。

さらに、組織重視の日本企業と個人重視の海外企業では企業文化に大きな違いがある、とPiotrさんが補足。Meritocracy(=実力主義)がな環境では、性別や国籍は関係なく評価がされるため、ダイバーシティの中で「弱者になる」ことはあり得ないという。人事や組織開発を経験した彼ならではの視点も興味深い。

終始勢い全開のPiotr Feliks Grzywaczさん、いつも応用的な視点を次々撃ち込んでくれる

セッション後半は参加者から直接の質疑応答タイム。

Q1

将来グローバルで働けるようになりたい!学生のうちに身につけるべきスキルは?

村上さんから回答:英語!やっていて全く損がない。特に「喋る」ことに慣れておく。また、グローバルで活躍している人のキャリアパスを知ること。市場から学ぶ姿勢は今後役に立つはず。

Q2

MBAはどう活きた?

Jonさんから回答:人脈を作ることに大いに役に立った。PlusOneの最初のお客さん、最初の投資家、最初のチームメンバーは皆MBA時代のコネクションで出会っている。
また、MBAは起業準備として、ビジネスの基本を学ぶには良いという。

元々プロダクト開発の経験はあったが、(経営目線の)数字には弱かった。PlusOneの最初の資金調達プランは、MBA在学中に教授や同期に協力してもらいながら作ったそうだ。

Q3

海外で働く上で語学も大事だが、専門性も大事では?大学での専門は今のキャリアに活きている?

Rochelleさん:実は大学は歴史専攻。ここでは情報収集、分析の方法論を身につけた。これは経営コンサルタントという現在の仕事の基本となっている。

Piotrさん:大学では言語学、心理学、経営学、マーケティング、カウンセリングなど様々な分野を勉強した。ですが大学が大嫌い!PhDに2回挑戦したが、いずれも途中でやめている。これは一つの分野に深く集中するのではなく、分野間の橋渡し(anti-disciplinary)に興味があったから。最近はようやく求められるようになったことだが、当時は存在しない考え方だった。自分が夢中になれることを見極め、自分が楽しいと感じられる道を選んで欲しい

Q4

コロナが大きく影響している今、ファーストキャリアとしておすすめなのは?

村上さん:今の就活は大変そう。自分も就職氷河期に就職した。自分だったら、資金調達後のスタートアップを選ぶ。資金の心配をしなくて良い、かつ成長できる環境を選ぶと思う。

Rochelleさん:コロナに対する企業の対応を見る。これは本質的な企業の文化が端的に現れるので、企業選びの参考になるかも。

Piotrさん:就活はやめる。10代でも起業できる世の中。SNSなど使えるツールを使って自分の実力を試してみる。失敗してもGoogleのような企業は起業家を雇いたがるので心配ない。

Jonさん:自分が同じ環境にあったら起業する。自分のやりたいと思えることを見つけて、挑戦してみる

Q5

起業のきっかけは?

Jonさんから回答:自分も色々な国で働いて、苦労したことが多い。そんな経験を基に、テクノロジーを通して異文化間の壁を取り払いたい、という強い想いからPlusOneという会社を作りました。

…と、ここでタイムアップ⏳

きっといくらあっても時間が足りないであろう濃密さ。改めて、ありがとうございました!

最後はPlusOneのLive Demoで締め!

VRを使った英会話学習アプリ。ホモ・サピエンスならぬHolosapiens(ホロ・サピエンス)にガイドされながら様々なビジネスシチュエーションで会話のトレーニングをします。

「会話内容がリアル!あるあるこういう場面」
「話す速度まで数値計測してくれるのはAIならでは」
「VRなら間違えても恥ずかしくない」
…などコメント欄も盛り上がりました。

見逃した方はこちらから:https://www.plusone.space/

セッション後はゲストも交えてmax4人でみっちりディスカッション。1時間経っても議論は尽きることなく、非常に盛り上がりました!

このご時世、自身のキャリアについて考える人も多いはず。
ぜひこの記事が将来世界で活躍するあなたの役に立つと嬉しいです。

BARKはこれからの世界を作る起業家を育成・支援する非営利団体です。
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Haruka Furukawa
welcomebark

CEO at BARK. Used to run Slush Tokyo. Ex-barista with coffee running in veins, now brewing startup ideas.