まさに神業!街中のトイレを神速で見つける4つの極意

Sho Mizutani
Basically Fiction
Published in
6 min readNov 30, 2016
Photo via PublicDomainPictures via Visual Hunt

あなたが街中をぶらぶら歩いていて、急に堪えきれない尿意や便意を催したとしたら、焦ると思う。なぜなら、僕はこれま何度も焦ってきたからだ。

それが大であれ小であれ、背中をひた走る冷や汗をやりすごし、目的地まで最短時間且つ最少労力(溢れてしまわないように!)でたどり着きたいのはユニバーサルな願望だろう。

頻尿と脆い胃腸を併せ持つ僕は、ある意味で毎日がサバイバル環境であったため、自然とスピーディーにトイレを見つける力が育まれてきた。

そんな生活に役立つトイレの見つけ方の極意を授けたい。想定されるシチュエーションは、都内の街中を歩いているときだ。

まず立ち止まって冷静になる

何事も、状況を俯瞰して見つめることが大切だ。あなたが突然の火事に出くわそうと、目の前でひったくりが起きようと、しつこいキャッチに引っ掛かろうと、まずは立ち止まって冷静になるべきだ。突然の便意も例外ではない。

冷静に、自分が今いる土地がどのような場所なのか考えよう。大きくはハイブランドが軒を連ねる「ハイエンドなエリア」か、カジュアルで騒がしい「雑多なエリア」の2つに分かれる。それ以外の街は東京には存在しない。

今回は「ハイエンドなエリア」で便意に襲われたことにしよう。「雑多なエリア」編は次回に譲るとする。

トイレを貸してくれそうな建物を想像する

立ち止まって冷静になったら、自然と頭に浮かぶのは「どこで用を足すべきか」という国会答弁に使われそうなくらい鋭い質問だ。思い出して欲しい。あなたは今、ハイエンドなエリアにいる。つまり、公衆トイレは期待できない。

そのようなエリアにはコンビニも滅多にないので、その線は諦めよう。あったとしてもトイレを貸してくれない狭量なコンビニが多い。

かといって、ブティックやブランドの路面店といった建物類も期待できない。洋服屋でトイレを使った記憶があるだろうか?ないだろう。なぜなら彼らは、トイレはお客様のものではなく、従業員のためにあると思い込んでいる。そのような人たちにトイレを借りられるか聞くのは時間の無駄だろう。トランプ次期大統領にフランスの首都を尋ねるようなものだ。首をかしげて終わり。例え借りられたとしても、その借りを返すための洋服代数万円の出費は惜しい。

狙うべきは百貨店、書店、モール、などの大型商業施設だ。

銀座には三越がある。代官山にはT-SITEがある。田園調布には東急スクエアがある。

商業施設に飛び込む

目的地が決まれば、あとは進むだけだ。Todoリストも、マイルストーンも、プロコン整理もいらない。足を動かす、ただそれだけで仕事は終わる。

あなたは百貨店に飛び込む。1階にトイレがあることはほとんどないので、真っ先にエスカレーターに乗り込み、2階以上を目指そう。
多くの場合、女性トイレは男性トイレより手前のフロアに位置する。例えば2階に女性トイレがあり、3階に男性トイレがある、といった具合だ。そして男性には気の毒なことに、3階にも女性トイレはある。

目的のフロアに着いたなら、あなたの目線は上を向いているはずだ。トイレを指し示す表札は天井からぶら下がっているのだから。

全ての意識を青の夫君と赤の夫人のアイコンに集中させよう(たまに白黒もあるから注意して)。そうすれば、すぐにトイレの表札を見つけられるはずだ。たいてい、エスカレーターを降りた付近に表札はあるのだから。

表札を見つけたあなたは、記された矢印に沿って歩く。走ってはならない。

ごく稀に、トイレまでの道順や距離感を見失ってしまうことがある。そんな場合でも、百貨店のトイレはたいていフロアの奥隅であなたを待っているから安心してほしい。(たまに左右壁際の真ん中にあるから注意が必要だ)

いざ、トイレへ

いよいよトイレに入れるわけだが、まだ油断は禁物だ。あなたが大を求めているように、他の多くの人もまた、その便座の温もりを求めている。高い確率で便座は埋まっているのだ。

気持ちを緩めると、お尻も緩んでしまう。最悪の事態を想定して、トイレに入ろう。

また、マナーとして多目的トイレは極力使わないこと。

トイレが埋まっていた場合

起こってほしくないことだが、現実はときに残酷だ。そんな場合でも、対処方法を持ち合わせておけばいくらかやりようはある。

もし便座が3つ以上あるのであれば、その場で待つほうが賢明だ。2つ以下の場合は、すぐに諦めるのではなく、まずは5秒間だけ耐えてみよう。その間にドアの向こうの気配に耳を傾けてほしい。気配に応じて、待機するべきか、別のフロアに移動すべきか判断できるはずだ。

  • 水の流れる音がする → 待とう
  • ガサゴソと音がする → 中の人はおそらく身支度を整えている。すぐに水洗のせせらぎが聞こえるはずなので、希望を持って待機しよう
  • カラカラとトイレットペーパーを巻く音がする → もっとも悩ましい。お尻を丹念に拭く人もいれば、数回で終える人もいる。さらには拭き始めなのか、拭き終わりなのかも分からない。自身の体調と相談だが、「○秒まで待つ」と心の中で約束をして、時間が過ぎたら潔くその場を離れることが妥当だ
  • 全くの無音の場合 → 中の人は座りながらスマホをいじっている。さっさとその場を離れよう

便座が3つ以上あろうと、あるいはあなたがその場に5分以上待機していようと(その間に何回、小を足す人たちから白い目で見られることか!)、全く進展がない場合もこの世の中には残念なことに、ある。

あまり推奨はできないが、その場合のティップスをいくつか。

  • 咳払いをする
  • 足踏みをする
  • (到着したばかりのフリをして)ドアを開けようとする

狙いは明確だ。あなたが待っているという事実を中の人に伝えるためだ。プレッシャーを与えれば、人間は少しは早く動く生き物だ。

ただし、これらは紳士協定違反すれすれの行為なので、その後に起こり得るトラブルについては一切関知しないことをご承知おきいただきたい。

参考になっただろうか。いずれ、特定の街を想定して紹介したいとも思う。雑多なエリアのシミュレーションも訓練しておいたほうがいいかもしれない。

お伝えしたかったのは、僕はトイレに対して人並み以上の思い入れがあるということと、いずれは各地のトイレをレビューする記事シリーズをつくり、パブリケーションにしていきたいということだ。

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