高校、大学、NPOの三者連携による多文化な若者たちの居場所づくりの事例集を公開します。

東京都立一橋高校にて、高校、大学、NPOの三者間で連携しながら行ってきました多言語交流部「One World」。その取り組みをまとめた事例集「高校・大学・NPO の連携による多文化な若者たちの居場所づくり一都立定時制高校・多言語交流部の取り組みから」を公開いたしました。

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この事例集はアーツカウンシル東京との共催事業「Betweens Passport Initiative」の一環として作成しました。

本事業は東京に住む若者たちの多様性を育てる人材育成事業です。「東京アートポイント計画」* の一つである本事業は、『移民』** の若者を異なる文化をつなぐ社会的資源と捉え、アートプロジェクトを通じた若者たちのエンパワメントを目的にしています。2016 年から始まったこの事業は、まず『移民』の若者が集うコミュニティをつくることからはじまりました。コミュニティには、土地に根ざした地域コミュニティのような形もあれば、学校や職場といった学びの場や働く場という形もある中、Betweens Passport Initiative では、『移民』の若者が多く在籍する都立定時制高校という学びの場に焦点をあて、放課後部活動「多言語交流部 (One World)」を通じたコミュニティづくりを行なってきました。

多言語交流部 (One World) は、東京都立一橋高等学校・定時制の部活
動として、顧問である角田仁先生を中心に 2015 年に立ち上がりました。
定時制高校の生徒の居場所づくりを目的としてはじまったこの活動は、
高校・大学・NPO の三者連携という形を取りながら、留学生やアーティ
ストとの交流プログラムを通じて、居場所づくりを進めてきました。お
よそ 3 年間にわたり続けてきたこの部活動は、『移民』の生徒や日本人
生徒など多様な背景を持つ生徒が集い、多言語・多文化を学びながら共
に学校生活を営む場となっています。

学校現場などで『移民』の若者達と接しながらも、どのような取り組み
を進めればいいのか試行錯誤している学校教員や、大学の地域連携など
を模索する職員、現場をもつ NPO 実務者をはじめ、これからプロジェク
トをつくりたいと思っているアート関係者まで、この事例集は、幅広い分
野の方へのヒントとなることを願って執筆されました。

高校・大学・NPO の三者がどのように連携し、部活動という居場所をつくり、若者たちのエンパワメントを進めたのか。三者連携のモデル・実施スケジュール・プログラム案・アクティビティなどの具体的な事例をはじめ、居場所づくりの必要性から定時制高校をはじめとする『移民』の若者達を取り巻く環境についても紹介しています。本書で取り上げている事業の事例をきっかけに、『移民』の若者をはじめ、様々な背景をもつ若者の多様性を育てるコミュニティづくりが、全国の高校などの実践の場に広がっていくことを願っています。

* 地域・市民が参画するアートプロジェクトを通じて、東京の多様な魅力を創造・発信することを目指し、東京都とアーツカウンシル東京（公益財団法人東京都歴史文化財団）が展開している事業です。まちなかにある様々な地域資源を結ぶアートプロジェクトを、アーティストと市民が協働して実施・展開することで、継続的な活動を可能にするプラットフォームを形成し、地域社会の担い手となる NPO を育成します。
https://www.artscouncil-tokyo.jp/

** 本事業では、多様な国籍・文化を内包し生活する外国から来た人々を、『移民』と呼んでいます。

【制作】

＜著者＞
一般社団法人 kuriya
＜執筆＞
徳永 智子（群馬県立女子大学 講師）
角田 仁（東京都立一橋高校 定時制 教員）
海老原 周子（一般社団法人 kuriya 代表理事）
＜発行日＞
平成 30（2018）年 10 月 10 日
＜発行＞
アーツカウンシル東京（公益財団法人東京都歴史文化財団）
〒102－0073 東京都千代田区九段北 4 丁目 1－28
九段ファーストプレイス 8 階
TEL 03–6256–8435 FAX 03–6256–8829
https://www.artscouncil-tokyo.jp
©2018 アーツカウンシル東京
＜主催＞
東京都、アーツカウンシル東京（公益財団法人東京都歴史文化財団）、一般社団法人 kuriya

Betweens Passport Initiative に関する問い合わせ
一般社団法人 kuriya : contact@kuriya.co

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