商用ブロックチェーンサービスのあり方

Okamoto Ken
BlockchainLock
Published in
5 min readJul 29, 2018

分散型信用ネットワークとしてのブロックチェーンの主要な発明は、複数人の参加者が存在するネットワークの中で、経済的利益に基づきながらも民主的に価値移転の合意形成をする方法を見つけたことです。Ethereumの登場により、その先見的なスマートコントラクトは透明性を確保しつつ、安全に且つ完全に合意事項の実行を保障することが可能となりました。BCLファンデーションはこのブロックチェーンの「本質」の拡大により分散型の世の中がより安全に、低コストに進化していくことを確信しております。

BCLファンデーションではブロックチェーンの力で「世界をアンロックする」という崇高なミッションのもとに、あるべき商用ブロックチェーンサービスのあり方を検討しました。その結果、ブロックチェーンサービスの商業化の鍵は、投資家、取引所、アプリケーションサービス提供者、ユーザーそれぞれに該当ブロックチェーンサービスに参加するインセンティブを与える、「トークンエコノミー」によるインセンティブメカニズムを構築することだと結論づけられました。それぞれの参加者が自身の利益のためでありながらも、情報と価値の同時移転に関わる合意形成の課題を解決していくことで、継続して進化する商用ブロックチェーンサービスのエコシステムが構築されていくのです。

一方で、不動産等に代表される物理的価値が情報と同時移転するには、その移転を保証するゲートウェイが必要です。その情報と物理的価値の統合こそが商用ブロックチェーンサービスであり、商業ブロックチェーンの自治に参加するコンソーシアムパートナーはブロックチェーンの力を借りて、既存のインターネットビジネスを価値の移転と結びつけて、次のレベルのサービスへと進化させることができます。しかしながら、現状の商用ブロックチェーンサービスの利用のほとんどは、仮想通貨投資家と仮想通貨交換業の金銭価値の交換のみに限定されています。このように考えると、商用ブロックチェーンサービスの本質的価値は、金銭価値に留まらない価値の移動が一気通貫で行われることを保証するサービスにあるといえます。

この情報と価値の同時移転は世界数社の代表的なインターネットコングロマリット企業が中央集権的に提供することである程度実用的かつ、リーズナブルな価格で実現されています。しかし、ビジネスの独占は最終的にはそのエコシステムの全ての参加者の平等な利益分配には結びつかず、大きな企業のみが利益を独占し続けことを意味します。そのような状況であるからこそ、商用ブロックチェーンサービスのトークンエコノミーによる適切な利益配分は既存のビジネススキームを大きく変革することができるのです。

これらの前提に立ち、BCLチェーンが社会のインフラとして発展していくためには、BCL自治に参加するより多くのコンソーシアムパートナー企業が自己の利益に基づきながらも、自発的にBCLエコシステム拡大に向けて働きかけるトークンエコノミーの設計が必要でした。そのためにBCLファンデーションでは、BCLチェーンに、1.より貢献度の高いコンソーシアムパートナーがより多くのブロック報酬を得られるアルゴリズムを実装し、2.各コンソーシアムパートナーが自社の価値移転ビジネスを安全かつ迅速に開始するために、BCLトークンと引き換えに、自社専用のサブチェーンとアセットをBCLチェーン上に発行できる仕組みを導入します。この設計により、各コンソーシアムパートナーはBCLネットワーク全体のセキュリティと信用を享受しつつ、自社のチェーン上で自社独自の価値移転ビジネスを探求することができます。結果としてBCLネットワークの主要なコンソーシアムパートナーとしての地位を確立すると同時に、BCLネットワークのブロック報酬を受けることで、自社の価値移転ビジネスを更に発展させることが可能となります。このようなコンソーシアムパートナーが多数参加することで、最終的に商用ブロックチェーンサービスとして、BCLチェーンの地位が強固なものとなっていきます。

また、BCLファンデーションの主要な目的は実際にユースケースのある商用ブロックチェーンサービスを世に送り出すことです。その最初のユースケースとしてスマートロックと、スマートコントラクトの組み合わせによる、新しい価値移転ビジネスのあり方を検討しました。価値の移転とは通常シェアリングする動産もしくは不動産へアクセスする「鍵」を渡すことを意味します。それ故に自分の大切な資産を保護するために、信用のある借り手を選ぶことは取引成立の重要な要件です。BCLチェーンはこの借り手と貸し手のマッチングを行い、お互いの信用をスマートコントラクトとIoTデバイスで保証します。

このユースケーズに留まらず、BCLチェーンは幅広い価値移転ビジネスの商用ブロックチェーンサービスのインフラとしてデファクトスタンダードとなる事を目的とした、日本初の野心的、本格的商用ブロックチェーンプロジェクトです。BCLファンデーションはブロックチェーンの力を通して世界中の眠った資産の価値移転を活性化し、世界をアンロックします。

BCLファンデーションの今後の活動に是非ご期待下さい。

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