一般社団法人“人間と性”教育研究協議会(性教協)主催 第36回全国夏季セミナー岡山大会!

Arisa Nakano
TENGA Healthcare Blog
6 min readAug 8, 2017

この真夏日にスーツで行動することに限界が見えました。夏用と言えども汗だくになることに変わりはなく、次回から脱スーツでの参加を検討しています。7月頃からハンカチを握りしめ、手放せない中野です。どなたか顔面の汗を止める良い方法を知りませんかね?

先日、『一般社団法人“人間と性”教育研究協議会(性教協)主催 第36回全国夏季セミナー岡山大会』が開催され、全国から性教育に熱い600人近くの方々が岡山に集結いたしました。今年のテーマは、『一人ひとりが心とからだの主人公に~みんなで学ぼう性と生~』

この会について、ご存知でない方も多いようなので、以下ご紹介文引用。

性教協とは?
“「科学・人権・自立・共生」の4つのキーワードをもとに、子どもの切実な要求にこたえ、正確な情報を伝え、子どもとともに「性」のあり方や生き方を考えて、たくさんの性教育の実践を積み重ねてきたサークルです。”
(引用元:性教協ホームページ http://www.seikyokyo.org/menu/aboutus.html

1982年に設立され、ずっと子どもたちに伝える「性」や「生」について、模索しながら熱心に取り組まれている団体です。この団体の中には、「障がい児・者サークル」もあります。学校教育や性教育に関わる方には、是非入会していただきたい一押しの会です。

この性教協全国大会では、小学校/中学校/高校/特別支援学校で行われている性教育の授業の再現や、児童養護施設や助産院、NPO法人などの実践レポートや現状報告などがなされます。学ぶために参加されている方がほとんどですので、講義内容について参加者を含めて熱い議論が交わされ、それがお互いの学びとなり、それぞれがその学びを持ち帰って子どもたちのために活かすことができます。
ただ、幾つもある講義の中から、午前と午後に各1つしか講義を受けることが出来ないことが毎年残念でなりません。参加する方は、仲間を見つけて、講義内容をシェアするのがベストです!

さて、今回私が選んだ模擬授業を一部ご紹介します。

<中学校模擬授業 中学生男子へのメッセージ~50分1本勝負のゲスト授業~(沖縄:村末勇介先生)>

これは、受けねばならぬだろう!中学生男子=思春期真っ只中!!と、意気揚々と参加。
①思春期とは…→②男子の性に関する〇✖クイズ→③思春期男子の「性」を知ろう→④未来を幸せに生きていくために…の4部構成でした。
子ども心を掴みそうなクイズが大変いい感じでした!

例えば、

<問題>(〇✖クイズ)

①「思春期の頃は、性的刺激がなくても突然ペニスが勃起してしまうことがあるが、これはスケベな人に多い。」
②「勃起しているときに外部から激しい力が加わると、バナナが折れるようにボキッと折れることがある。」
③「精子を卵子の元に届ける(性交)には、勃起したペニスの長さは4~5㎝あれば十分である。」

<解答>

①✖:スケベさは関係ありません。
思春期に誰もが通る道だそうです。性的刺激がなくても、夜間勃起現象やレム睡眠(浅い眠り)時、ふとした時に勃起してしまうこともあるそうです。私も学生時代は授業中ふとした瞬間に勃起して、机をガタつかせたものです。
②〇。:陰茎は折れることがあります。
陰茎折衝(いんけいせっしょう)と言います。寝起きに子どもが飛び乗ってしまい…というのを時々耳にします。いと恐ろし。
③〇:4~5cmあれば挿入できます。
「太くて、長くて、硬いペニスが良い」という固定概念から抜け出しましょう。実際には、痛がる女性も多いのです。いつもお世話になっている岩室紳也先生は、
「持ち物より、持ち主が大事」という素晴らしい名言を仰っていました。この言葉、響きませんか?

クイズで疑問に向き合いつつ、その解答を得られる。全問正解の参加者も少なかったような…?子どもだけでなく、大人も学べるクイズでした。
大学生以下の方に講演はしたことがないのですが、いつか小中高生に話す機会があれば、クイズを取り入れたいですね!

<児童養護施設での「性の支援」実践>

児童養護施設は、全国に約600程度あります。
子どもを考えているということは同じですが、施設によって、やり方や考え方、方針は違います。子どもは親を選べないとよく耳にしますが、施設も同じ。本来であれば、施設を子どもが選べたらいいのだけれど、子どもは施設を選べません
その施設内で、性的被害/加害が起きている現状を大人たちは知らなければなりません。現実を知って、学んで、子どもたちが育つ環境を守るのも大人の役割です。施設の職員の方だけでなく、地域や学校も子どもたちが生活する環境をつくっています。何かあった際に、調整できるのも大人だと思います。全てを管理することはできませんが、子どもに何かあった際は、いち早く気付いてあげなければなりません。だからこそ、「うちの施設は大丈夫」「そんなことは起きない」といって、考えを抑えてしまうのではなく、「もしかしたら…」という可能性を持って、子どもたちのSOSにアンテナを張っておくことが、子どもたちが安心できる環境づくりのための一歩になると思いました。

施設の職員さんも、学校の教員も、子どものことを大事に考えている想いは一緒のはずなのに、周囲の反応やルールに縛られてしまい、歩み寄ることが遅れてしまっては勿体ないですね。どうか手遅れになりませんように。

遂に、『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』が日本語に訳され、手に入りました。
ページをめくる度に感動しています。ココに日本の性教育を変える鍵があることは確かです。弊社もこのガイダンスを参考に取り組みを進めていければと思います。

ではでは。

▲岡山駅前。ここにしか居ないのかと思ったら、同じ像が色んな場所にありました。。

--

--