スタートアップが知っておくべきマーケティングキャンバス | Onlab Study Hour

Mina Akasaka
BLUE DOTS
Published in
7 min readNov 2, 2018

Open Network Lab (以下、Onlab)は「世界に通用するスタートアップの育成」を目的に、Seed Accelerator Programを2010年4月にスタートしました。

活動資金やオフィススペースなどの設備を提供すると共に、事業のブラッシュアップを目的としたコンテンツやスペシャリストによるメンタリングを通じて、これまで90社以上のスタートアップを支援・育成してきました。Onlabでは、スタートアップの皆さんのためにこれだけは押さえておきたい基礎知識から最新TOPICまでを網羅した勉強会を不定期で開催しています!

10月31日のOnlab Study Hourでは、「スタートアップが知っておくべきマーケティングキャンバス」と題し、Onlab卒業生のsparcc株式会社 遠藤 結万さん(Onlab11期生)にお越しいただき、マーケティング戦略を作るためのフレームワークを使ったワークショップを行いました。

今回はその内容をレポートします📝

1. デジタルマーケティング市場の理解

SNSやリスティング広告、メディアによるPRなど、デジタルでの集客手段は増えたものの 、果たしてそれは目的にあったものなのでしょうか?

まずは、デジタル市場の特徴から押さえていきましょう!

  • キーワードで変わる市場
    例えば、Googleで「イヤホン 格安」「イヤホン おすすめ」というキーワードで検索すると、全く違う結果が出てきます。そのため、キーワード自体が一つのマーケットになっているとも言えます。また、最近ではInstagramやTwitter、Facebookなど各SNSそのものが市場になっているとも捉えることができます。
  • デジタル市場では選択肢が無限!
    コンビニでは、選べる数は目の前のものに限られますが、デジタル市場では選択肢が無数にあります。ユーザーの好みや価格帯によって市場は更に変わってくるため、競合はより細分化していると言っていいでしょう。情報量自体が多くなってきているため、ユーザーに選んでもらうことが難しくなってきています。
  • 市場に合わせた戦略がカギ
    各市場の特性を知った上で、それに合わせた戦略が重要です!Twitterではバズっているのに、Instagramではフォロワーが少ないということも…。一つの市場で勝ったとしても、他の市場で必ずしも勝てるという訳ではありません。特にスタートアップにとっては、サービスを作る際、どこのマーケットなら勝算がありそうか予め見極めておくことが大切です。
  • 集客レベルでの差別化が必要
    ユーザーがキーワード検索をした際、タイトルや説明文レベルで他のサービスとの違いがパッとわからないと集客に苦労します。自社のサービスの競合優位性を一言で言えるようにする必要があります。
  • マーケット自体の価値が変わる
    特にSNSは栄枯盛衰が激しいため、マーケットの移り変わりをしっかり捉えていくことが大事です。どの手段を使って、競合とどう差別化するか、予め戦略を持って臨みましょう!

2. 実践!マーケティングキャンバス!

デジタル市場の特徴を押さえたら、「マーケティングキャンバス」というフレームワークを使い、実際にマーケティングを考えていきましょう!

−その前に、マーケティングキャンバスって何?

ビジネスモデルキャンバスというフレームワークをマーケティングに当てはめたものです。上図のようにマーケティングモデルをPromotion,Attractなど各要素に分解して一つずつ考えていくため、今まで何となく行っていたことも深い視点から見つめ直すことができます。そして、実際に書き出し可視化することで、マーケティングを系統化して考えることもできるのです!

では、各要素について一つずつ見ていきましょう。

■Promotion:

お金をかけずに集客が見込めるもの以外は、予め広告予算を見込んだ価格設定が必要です。競合になりうるところがどのような集客をしているのか調べてみましょう。

■Attract:

ユーザーの課題をしっかり捉えていれば、何がユーザーに刺さるかが見えてきます。

■Memorize:

かっこよくても覚えづらいものは、もう一度探してもらえません・・・。自社のサービスや事業は端的に言語化できているでしょうか?

■Differentiation:

サービス設計でも差別化は重要ですが、集客を考えるときも検索やSNSなど競合との差分を考える必要があります!

■Closing:

契約率が倍になれば、広告の費用対効果が変わります。ユーザーが2回目も利用してくれる理由は何か考えてみましょう。

■Engagement:

ユーザーが誰なのかをしっかり把握しておくと、メール、電話、LINE、アプリなど、どんな方法でユーザーと繋がっておくと良いかがわかります。

■TripAdvisorの例:

■実際にやってみよう!
この記事をお読みいただいている皆さんも、是非ご自身のサービスをマーケティングキャンバスに落とし込んでみましょう!

■最後に
サービスを作った後にマーケティングを考えることは結構大変です。サービス設計と並行してマーケティング方法も考えていくことがオススメです。

自社のサービス・事業のブラッシュアップのために、ぜひ今回のマーケティングキャンバスを使ってみてください。

■sparcc株式会社 遠藤 結万氏
早稲田大学卒業後、グーグル株式会社(現グーグル合同会社)に入社し、広告営業本部に所属。中小企業向け広告コンサルティングを担当。その後起業し、中小企業が最適なマーケティングを行うためのAI代理店Admise を運営。レポート作成、LP最適化、CPC運用などを自動化する。著書に「世界基準で学べる エッセンシャル・デジタルマーケティング」
https://note.mu/yumaendo
https://twitter.com/yumaendo

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Mina Akasaka
BLUE DOTS

Open Network Lab HOKKAIDO program director / D2 Garage, inc.