Onlab生向けスタートアップバックオフィス勉強会レポート

Chika Takei
BLUE DOTS
Published in
5 min readMay 1, 2018

こんにちは!Onlab事務局 竹井です。

Open Network Labでは、Onlab生に向けた勉強会を定期的に開催しています。

4月20日(金)は、スタートアップが知っておくべき知的財産の基礎と事例を紹介する勉強会〜知的財産の基礎知識とスタートアップのネーミング戦略〜を開催しました!

左:Toreru 宮崎氏 / 右:matsuri technologies 吉田氏

講師にはOnlab14期生の株式会社Toreruの代表でもあり、弁理士でもある宮崎超史氏。matsuri technologies株式会社の吉田圭太氏をゲストに迎え,自社のサービス、プロダクトを守るための知財ノウハウについてお話しいただきました。

なぜ、今スタートアップに知財が必要なのか

■知的財産とは?
知的財産権は、創り出したアイディアの産物を守るための権利。
その中でも特にスタートアップに関連してくる権利
— プロダクトに用いられた技術やアイディアの模倣を防ぐ特許権、ネーミングやロゴの模倣を防ぐ商標権、デザインを保護する意匠権、著作物を保護するための著作権についてご紹介いただきました。

■なぜ、スタートアップに知財が必要なのか
知財がスタートアップに必要な理由は主に4つ。

①ネーミング変更などのリスク回避
②大企業にも対抗できる自社のプロダクトを守る
③ライセンス収入による収益化
④マーケティング・資金調達で有利

知財に共通することは、すべて模倣が可能であること。
そのため、他社とビジネス内容が重複した場合、権利を侵害してしまうことで会社の信頼を失うきっかけとなる可能性もあり、あらかじめのリスクヘッジ、そしてメリットを最大限に活かすために知財が必要となります。

スタートアップが特許・商標をとるベストタイミング

実際に商標、特許を取得する際のフローや費用についてはmatsuri technologiesの吉田氏から、民泊向けサービスを進める中で取得した事例をご紹介いただきました。

また、スタートアップのステージによって知財に関する行動は異なってきます。

プロダクトをローンチする前
このステージはまだネーミングを変更しやすい時期のため、まず似たようなものがないかプロダクト名の商標調査を行い、商標を出願。ローンチの後となると特許が取れなくなってしまう可能性もあるので、事前に弁理士と相談することが重要となります。

シード資金調達後
プロダクト名の商標出願に加え、プロダクトに使用している基本技術の特許を出願。さらに、自分たちのビジネスにジャンル名をつけ、それを商標として出願する方法があります。新たにジャンルを確立・浸透させていくことで自社の存在を有名にし、資金調達へつなげていくことができます。

シリーズA資金調達後
プロダクトのシリーズ化など、展開が広がり始めるこのステージでは他社に権利を取られないよう、プロダクト毎に随時商標を出願することが重要になります。また、これまでの実績をベースにした応用技術についても、競合他社をけん制するために随時特許を複数出願していくことが必要です。

■参考URL
特許・商標の検索サイト「J-PlatPat」
特許庁 「国内外ベンチャー企業の知的財産戦略事例集“IP Strategies for Startups”」

■登壇企業情報
株式会社Toreru
クラウド上で商標登録をするサービスを運営。従来の商標や特許などの取得に関する申請業務を改善し、効率化、コスト削減を可能にするビジネスを展開。

matsuri technologies株式会社
「民泊+マンスリー賃貸」の組み合わせ集客・管理支援ツール「nimomin」を運営。民泊営業の180日規制にも対応し、1物件に対し複数のオンライン不動産投資の平行運用を可能にした。

勉強会に参加したOnlab生・投資先からはこれから自社で特許・商標の取得を検討する中で、改めてその必要性を実感する機会になった、参考になったといったフィードバックをいただける会となりました。

引き続き、スタートアップのプラスになる勉強会を実施していきたいと思います!

Open Network Labシードアクセラレータープログラムは引き続き第17期生の募集を行っております!

・プログラム期間中の活動資金として最大1,000万円を提供

・1年間の活動場所(代官山・鎌倉・サンフランシスコ)を提供

・スタートアップ経営者やVC、卒業生によるメンタリングを提供

・約90社を超える投資家を招いたDemo Dayなど資金調達の機会を提供

上記に加え、今回の勉強会のような卒業生からの知見がどんどん溜まっており、より濃密なプログラムを提供できるようになっています。プログラムに関心のある方はぜひご参加ください!
エントリーは、こちらから!

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