君のプロダクトは「誰の」「どんな課題」を解決しているのか? | ユーザーインタビューの必要性
Open Network Lab (以下、Onlab)は「世界に通用するスタートアップの育成」を目的に、Seed Accelerator Programを2010年4月にスタートしました。
活動資金やオフィススペースなどの設備を提供すると共に、事業のブラッシュアップを目的としたコンテンツやスペシャリストによるメンタリングを通じて、これまで90社以上のスタートアップを支援・育成してきました。
今回は、初期のプロダクト開発に必要だと言われているが、なかなか有意義な結果に結び付きづらいユーザーインタビューについて説明します。
1. なぜユーザーインタビューをする必要があるのか?
世界中で日々新しいプロダクトやサービスがリリースされてはクローズしていきます。
Open Network Labの3ヶ月間のアクセラレータープログラムの中でも、多くのチームが応募時の事業からピボットを経験しDemoDayを迎えています。
スタートアップが失敗する理由をCBインサイトが調査した結果、トップに上がったのが、「ニーズがなかったから」というものでした。
なぜこのようなことが起こるのか?
それは実際のユーザーと作り手の思いが異なることが影響しています。
Onlab4期卒業生でもある、日本初のフリマアプリFRIL創業者堀井氏の言葉を借りれば、作り手は「俺が考えた最強のサービス」を作ってしまいがちで、実際に思い込みをもとに数ヶ月間開発したアプリをいざリリースしてみると、誰にも使われない、ということが往々にして発生しています。
これを読んでいるあなたも、開発中のサービスを使ってくれる具体的な人の名前を答えられるか考えてみると、その判断が思い込みかどうかのヒントになります。
そういった無駄な時間や費用を最小化するためには、自分の考えたアイディアが「仮説」に過ぎないと理解し、順番に各要素を検証していくことが重要となります。
その仮説検証の最初のステップが、ユーザーインタビューとなります。
2. インタビューの設計
Onlabでは、スタートアップにとっていいアイディアとは、”7つの質問”にシンプルに答えられるものだと考えています。
インタビューでは、なかでも人が欲しがるサービスの根幹となる「だれの」「どんな課題を」「どう解決するのか」の検証を行います。
よく、ユーザーの意見を聞いてもプロダクトがブレるだけだ、という誤解がありますが、プロダクト機能案を得るために聞くのではなく、自分の思い込みがないか、ユーザーの行動を観察することがインタビューの目的となります。
インタビューをする前にまずは事前準備です。
ユーザーから何を学ぶのか、考えなしにインタビューをしても学びがありません。
このサービスを使う人が、「誰で」「どんな課題をもっている」のか仮説を持ち、それを確認できる対象者に、その仮説を確かめるための質問を用意します。
Onlabでは、事前にインタビューシートと台本をまとめておくことをオススメしています。
こちらのFRIL共同創業者のtakejun氏のブログにインタビューシート例があったので参考にしてみてください。
もちろん、それらシートや台本は数回インタビューを重ねる中で、より効果的な質問ができるように随時修正していくことになります。
仮説が正しい場合、ターゲットとなる対象者5人に聞けば、1人は共感してくれる人を見つけることができます。見つからない場合は、「だれ」で設定した仮説が異なっている可能性があるので、別の属性の対象者へもインタビューを実施しましょう。
たいてい、10人ほど同じターゲットとなる対象者のインタビューを繰り返すと、パターンが見えてきます。インタビューを終えるべきタイミングは、学びがないインタビューが2回続いたとき、と考えておくと良いでしょう。
3. インタビュー実施時のポイント
効果的なインサイトを得るための7つの鉄則がこちらです。
最大限の効果をあげるためには、各状況に応じて、これらのポイント以外の工夫も必要になります。
Onlabの卒業生も、相手の緊張をほぐし、話しやすい雰囲気をつくるためにお菓子を提供したり、事実を歪曲してユーザーの声を捉えないために書記担当のメンバーと二人でインタビューをするようにしていたりと、各チーム工夫をしておりました。
皆さんも最大限効果を高められるよう方法を考えてみてください。(あるいはOnlabまでご相談ください!)
最後に
インタビュー後、正しいアイディアには、以下4つの要素が含まれている状態になります。
① 課題があることを確認できている
② それを解決できると確信できている
③ その解決をユーザー自身が行動に起こしたことがあると確認できている
④ その解決を妨げるものがない
スタートアップの皆さんも、このようなフローやポイントを意識しインタビューを行い、本当にユーザーの欲しがるものであるか確認してみてください。
次のステップは、
インタビューを経て獲得したインサイトをベースに、自分のサービスのコアなユーザーとなる人物のペルソナやカスタマージャーニーを描き、MVPに落とし込んでいきます。その方法については次の記事でお伝えしていきます。
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