心が動いたことへの責任

azusa yamamoto
book list of the future
2 min readMay 8, 2017

8年前か、とある日本画家を取材したときに取材後の雑談の中で、ふと9.11の話題になった。
「あの映像を見て、私は咄嗟に『美しい』と感じてしまった。そんなこと思ってはいけないのに。どうしようもなく心を動かされた。その責任をとらなくてはいけないと思った」

衝撃だった。少なくとも、わたしのまわりで9.11をそんなふうに見ている人はいなかったから。彼はそれ以前から描いていた”堕ちるイカロス”のモチーフをなかば敬遠しつつ(“横に堕ちる”イカロスは、恐ろしいほど9.11の映像に似ていた)、いまも別の素晴らしい作品を発表し続けている。

今朝この記事を読んで、わたしは「美しい」と感じてしまった。

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この出来事がのちに与えた影響に比べれば、彼が彼である必要はなく、彼女が彼女である必要はなく、その事実の無意味さにいたく感動した。

その責任をわたしはどうやってとるべきか、悩んでいる。

(2017年3月21日のTwitterより、一部修正)

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