【イベントレポート】ALIS×BUIDL ブロックチェーンを活用を推進する国際的組織INATBA始動!
はじめに
BUIDLインターンのshamo(@omahs_jef)です。
プレスリリースでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、この度、ALISとBUIDLは、EUのブロックチェーン国際標準化組織「INATBA(イナトバ)」に創設メンバーとして参加する運びとなりました。
(プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000043307.html)
それに際し、今回企業担当者様向けに、「国内・海外でのブロックチェーンプロジェクトの事例紹介/ブロックチェーン適用に関する相談会」と題して、イベントを開催しました。本記事ではイベントの内容をご紹介します。
登壇企業
ALIS
Vision:信頼の可視化で人のつながりをなめらかにする
・2017年設立、ICOを通じて日本初の規模の4.3億円を調達
・Ethereumを用いたソーシャルメディア、ALISを運営
・ブロックチェーンやCrypto economicsに関するR&D、企業向けの勉強会、ブロックチェーンを用いたサービスの開発・受託、トークンを活用したコミュニティマネジメントのコンサル等も行う。
BUIDL
Vision: Blockchainを活用した多くのアプリケーションにより、安全・公平そして透明性のある生活を人が過ごせる世界・時代の実現
・Ethereumを中心としてTech Neutralに開発とリサーチ
・大手企業(金融、電力、不動産など)の開発案件多数
・自社プロダクトも開発中
メンバー募集中!!
(会場の皆様のBUIDLの認知度は半分もありませんでした…精進します!!!)
発表
INATBAについて
最初に、ALIS CEOの安さん(@YasuMasahiro)とBUIDLのVice Presidentである宇野(@UNOkov )より、今回ALISとBUIDLの参加するINATBAについての紹介と、何故両社がINATBAへの参加に至ったのかの背景を説明しました。
INATBAに関して、業界の方々から見ても突然出てきた団体のように感じられたかと思います。INATBAとは、“the International Association for Trusted Blockchain Applications”の略称であり、2ヶ月ほど前から創設メンバーが徴集され、2019年4月3日にベルギーのブリュッセルにて設立が発表された団体です。
105の創設メンバーによって構成されており、純粋な日本企業としてはBUIDL、ALIS、Energy Gridの3社が参加しています。他にも、ブロックチェーン企業のConsenSysやMakerであったり、アクセンチュアやIBM、またNECやFujitsuの欧州法人などの有名企業も創設メンバーとして携わっています。
INATBAでは、俗に言うTrustlessなパブリックブロックチェーンに限らず、プライベートやコンソーシアムなども含め、DLT(分散型台帳技術)全般についてレギュレーションを策定し、政府や規制を乗り越えたブロックチェーンの社会実装を進めていくことを主目的としています。
具体的にはEU内におけるブロックチェーンの法規制を規制当局と透明性の高い対話を行いながら共に作成していくことや、各業界ごとにブロックチェーンの活用・ユースケースのガイドラインをそれぞれ定め、標準化を進めることが公式に宣言されています。
インターオペラビリティに関しても言及がありますが、こちらは業界内で今取り沙汰されているPolkadotやCosmosなどのチェーン間のインターオペラビリティのことではなく、ブロックチェーンを使用する際のデータ共有方法、他サービスとの連携面などの広い意味合いのことを指しています。ブロックチェーンの中で定義の曖昧な部分に関して議論を進めていく姿勢を表しています。
現在ブロックチェーン領域では、各国の各企業がそれぞれの動きを見せていますが、どこか似通った事業に偏ったり、また同じ失敗・障壁に苦しんでいる例も少なくありません。そうした動きを受けて、欧州では皆がそれぞれ独立して動くのではなく、情報をお互いに共有し、効率よくプロジェクトを進めていこうという流れがあります。INATBAの他にも、欧州内では様々なブロックチェーン関連団体の立ち上げが行われています。
何故ALISとBUIDLはINATBAに参加したのか
日本におけるブロックチェーンの領域は、良くも悪くも規制が先に進んでいました。それと比較すると、欧州には未だ明確な基準・ガイドラインが存在していない状態でもあります。
新たなイノベーションは、既存の仕組みとの隙間から事を起こしていく必要があり、特にファイナンスなどはその側面が強くなります。STOなど、日本でも今まさに議論、および法整備が進められている分野と言えるでしょう。
今回INATBAに参加するにあたり、ALISとBUIDLの両社は日本の規制の現状などを共有していきながら、欧州各国の行政などとの取り組みにも積極的に携わっていき、知見と経験を深めていきます。
また欧州では自然エネルギーやソーシャルグッドへブロックチェーンを適用しようとする動きが多く存在します。日本でさほど活発ではないそれらの事例についても情報として取り入れ、実利用に活かしていく意向です。
現在はINATBAでは、創設メンバー内でボードメンバーを選定し、今後の具体的な動きを議論しながら進めている段階になります。
宇野からは、実際にボードメンバーがどのように選ばれていたか、メンバー内ではどういった領域での話が主に挙がっているか、まずはどの分野が一番大きく動きそうかなどの裏側の話も多く話されました。
ブロックチェーン業界の俯瞰
会の後半では、BUIDLマネージャーの森田(@makionaire)を加え、3人のパネル形式でトークセッションを行いました。
トークセッションの前半ではブロックチェーン業界の全体像と現状についてが語られました。2018年発表のガートナー社のハイプサイクルによれば、現在幻滅期を迎えているブロックチェーン技術が大衆利用されるまでに、あと5–10年がかかると予想されています。そういった予測に関して、実際にプロジェクトに携わる立場としてそれぞれの見解を述べました。
宇野からは技術面だけでなく、大企業のPoCなどの案件に携わる中で実際にあった困ったこと、あるある話などのぶっちゃけトークが飛び出しており、会場の大企業事業担当の方々の共感を呼んでいました。
トークセッションの後半では、ブロックチェーン活用事例の100本ノックと題し、事前にリサーチをした世界のブロックチェーン100個のプロジェクトを業界・ベンチャー/既存企業・国別・利用チェーンなど様々な切り口からデータに分け、3人それぞれの視点から議論を行いました。
100個のプロジェクトは独自に調べたものであり、出来得る限り幅広い事例を取り入れようと試みたものの、当然ながら偏りは存在しており統計データとして示せるようなものではありませんが、それでも面白い話が繰り広げられたセッションでした。
その後、安さんと森田からそれぞれの注目するプロジェクトが個別に紹介されました。情報の価値をエンドユーザーに返すことを目的としたプロジェクト群を安さんは取り上げ、一方森田は実際の案件でも携わっていた金融領域におけるブロックチェーン活用に関して持論を述べ、それぞれの領域における深い知見を元にディスカッションを展開しました。
おわりに:Beyond PoCに向けて
会の最後には、前職で長年システム開発に携わっていた森田から、「Beyond PoC」に向けてというテーマで、ブロックチェーンの活用が単なる実証実験に止まらないための、各組織・企業の抱えうる課題への対策について述べられました。
何か新しいことをやろうと思った時には、0から全く新しいシステムを構築する事例ではない限り、既存のシステムへの影響を避けることは不可能です。BUIDLチームはそれらの問題にもしっかりと目を向け、お客様と対話していきながら、これまでの知見を活かしてブロックチェーンの真の社会実装に向けて取り組んで参ります。
まとめ
その後行われた懇親会でも、多くの企業の方々に参加していただき、非常に有意義な場を設けることが出来ました!会場に足を運んでいただいた皆様にはこの場を借りて改めて感謝申し上げます。
またBUIDLではブロックチェーンの社会実装を前進させるためのメンバーを積極的に募集しております。
興味のある方は下記Twitterアカウントにお気軽にDMください。新たな仲間をお待ちしております!
Let's BUIDL Together!!