戦うのは自分という中央集権のみ

wasabi
Build My Own Empire
6 min readApr 24, 2020

こんにちは、wasabiです。

この度 ”Build My Own Empire (通称BMOE)”という新しいブログを開始しました。

このブログでは「自分の人生のコントロールを失わずにテクノロジーと発展するための生き方」を自分なりに探していく過程を書いていきます。主なトピックとしては、非中央集権化、ブロックチェーン、データプライバシー、サイバーセキュリティ、ウェルビーイングなどを扱っていく予定です。

テクノロジーとともに自分らしく生きていくために。

こうしたトピックはなんだか難しいものに聞こえて、専門的なITの知識がない人には関係のないものだと思われがちです。しかし、こうしたトピックはそれぞれ私たちがこれから”人間主導 (Human-centric)”で生きていくために避けて通れない話であり、また「自分らしく生きていきたい」と思う人たち全員に新たな視点を与えてくれるものなのです。

自分らしく生きることがなぜ、セキュリティやデータプライバシー、ブロックチェーンに繋がるの?と一見すると関係ないように思えるかもしれませんが、すごく深い関係があります。

今のインターネットのあり方に疑問を持ったきっかけ。

私は日本で生まれ、大学を卒業してから日本の就職活動に疑問を持って2015年からドイツ・ベルリンへフリーランスの翻訳者・ライターとして移住をしました。新卒を蹴っていきなり海外に移住した人は当時稀で、こうした自分の体験をシェアしようとブログを開始しました。これが私がITに関わるきっかけでした。この経緯について、詳しくは2016年に登壇したTEDxYouthのトークにてお話ししています。

「レールを外れて初めて見えるもの」TEDxYouth@Kobe 2016

ありがたいことにブログで飯を食えるようになり、世界が変わりました。ブログを基軸としたビジネスを複数展開し、現在はブログで広がったネットワークを活かしてブロックチェーンやモビリティ関連の取材やコーディネート、通訳・翻訳業務をしている他、現在は欧州委員会から出資を受けているデータセキュリティのスタートアップにてリモートワークでマーケティングを担当しています。(このスタートアップについては後日詳しく紹介します)

全然「自由」じゃないインターネット。

インターネットのおかげでどこに住んでいても仕事ができるようになった一方で、私はその後1年半以上に渡る「鬱」を経験します。

Instagram、Facebook、Twitter、LinkedIn、LINE、Whatsapp、メルマガ、ブログ、メール、etc…一体私たちは今どれだけの情報の波に飲まれていて、右往左往させられているのでしょうか。そして、どれだけの人が「綺麗な一面」を見せるために必死になり、「失敗が許されないプレッシャー」を感じているのでしょうか。

情報発信をしている身として感じたことは「こんなの全然自由じゃない」という気づきでした。いつの間にか、手段と目的が逆転しているような感覚に陥ったのです。鬱になった時、私にはもう自分の人生を生きている感覚がありませんでした。自分の人生は誰かへの「見世物」に感じ、作り上げられたペルソナを忠実に守らなければいけないプレッシャーに苛まれていました。

今では多くの人が「情報発信がうまくなるために」頑張っています。情報発信がうまくなるということは、つまり今のインターネットの構造上大手のインターネットプロバイダーに認められる以外方法がありません。つまり、自由に生きることが誇大広告されている割に、実際は全く多様性がないことになります。まるで、テストの点数だけで人間の価値を決められてしまうシステムと変わりません。これこそが今インターネットが抱えている病だと思っています。

「便利だから」と言って、引き換えに私たちはこうしたサービスに自分の個人情報を渡し、企業はそれらをビッグデータとして売っています。それは本当にフェアなトレードなのでしょうか?

私は、今のインターネットと人のあり方を見ていて日本社会と共通するところがあると思っています。

学校で良い成績を取って良い企業に就職すれば、幸せな人生が待っていると教えられ、忠実にそれに従って生きていく。でも、万人がそうなるとは限らない。なぜか?それは結局つまるところ自分の言葉ではなく、「他人の価値観」に過ぎないからです。

自分の価値基準を他人に委ねてしまうことから、自分の人生におけるコントロールは失われていきます。そして、コントロールを失った人間は思考停止します。

自分のデータが誰にどう使われているのか?取引は公正なものなのか?こうしたことに意識的になるためにはまず、「自分のニーズ」を知る必要があります。自分自身に向き合って、自分の価値観を問いただし、何が欲しいのかをそれぞれが明確に持っていなければ多様性は実現しないのです。受け身では、多様性は享受できないのです。自分を認められなければ人のことを認めるなんて絶対にできないからです。

長くなりましたが、セキュリティやプライバシーに意識的になるということは、ただ単純に「パスワードを無くさないように気をつけよう!」と言った次元の話ではありません。

順番としては1.)自分が何者かを知り、2.)自分のニーズを知り、3.)自分のニーズを自分で認めてあげること(それが世間と違っていても) から初めて本当の意味で意識的になれるのではないかと考えています。特にこの3.)が難しく、私はこれを「自分という中央集権との戦い」と呼んでいます。

まだまだ書きたいことはたくさんありますが、今回は初回なのでこの辺で終わります。こんな感じで自分のコントロールを自分で持って生きていくための学習・実践過程をこのブログで書いていこうと思った次第です。どうぞよろしくお願いします!

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