#分解のススメ 第8回 「電子立国日本の自叙伝」に見る半導体産業温故知新 金沢大学 秋田純一教授 講演 録画まとめ

分解のススメで過去のスピーカーが集まってるチャットで、秋田純一 @akita11 先生が

半導体って、プロセス(製造方法、ほとんど化学)、デバイス(半導体物性、ほとんど物理)、回路(電子回路)、アーキテクチャ(ほとんどアート)、の分野があって、相互にほとんど話が通じないくらい深く細分化されてるんですが、俯瞰できる視点が大事なんですよね。このあたりは、機会があれば。」
という話をしたところに高須@tksが食いついたところから始まったこの企画。スライドの全編が公開されています。

スライド、録画、Twitterまとめ公開

イベントの年齢アンケート(3/21–22日限定、是非回答お願いします)

半導体産業の一連の流れがわかってる人はほとんどいない。

たとえば「ムーアの法則」とか「TSMC」みたいな名前は有名で、ほとんどバズワードになってます。でも、「TSMCのどの技術が他の会社はできないの?」「その技術はなぜ他の会社にできないの?」「その技術があるのとないとでどう違うの?お金で言うといくらぐらい違うの?」みたいな具体的な質問に答えられる人はほとんどいません。分解のススメ第7回でも、清水さんからそうしたコメントが有りました。

非専門家が半導体を俯瞰して見られるようにしたい。

1990年に放映された、「電子立国 日本の自叙伝」という番組があります。この番組は全6回のテレビ放映で、シリコンを掘り出すところから、実際に製品を作って使うところまでをわかりやすく説明します。
今回のイベントでは秋田先生にその内容を振り返りながら説明いただきます。

「俯瞰した視点」には、社会的意義も含まれる。ムーアの法則とはなんで、コンピュータはなぜ社会をここまで変えたのか。

優れた分解者は、そのモノを作った社会までを、他の方法では不可能な高い解像度で理解します。ハードウェアハッカーのバニーの分解事例、テカナリエ清水さんの分解事例、Tomorrow56さんの100均製品分解などは、僕に中国の製造業について、他のどんな本よりも価値ある情報を教えてくれました。秋田先生の資料にももちろん、社会との関係は含まれます。

日本の半導体産業は何を成し遂げ、なぜダメになったのか。

「電子立国・日本の自叙伝」は、1990年、日本の半導体が世界を席巻し、今のファーウェイどころではない大バッシングをアメリカから受けている時代に撮影された、半導体製造の全行程を俯瞰した番組です。

そして、当時アメリカを追い越し、世界のピークだった産業は、現在はみる影もありません。

それはバッシングされたからなのか?政治的な問題だからなのか?技術ではスゴかったのか?
であれば、今のファーウェイや中国は、日本と同様の未来をたどるのか?
技術的にふかぼりできることはあり、それが世界の未来をみることにも繋がります。

半導体の未来は明るい

今も半導体は(世界では)絶賛成長産業です。半導体関係者ほど、「新しいイノベーションが発生して、まだコンピュータの性能向上と低価格化は続く」と口にします。よくわからない人ほど「ムーアの法則の限界」を口にする傾向があるように思います。

未来を考えるためのイベントです!

このイベントは、今後も僕たちの未来を左右するだろうコンピュータのことについて俯瞰する視点を身につけ、未来をさらに考えるためのイベントです。

日本が良かったでも、日本がだからダメだを話すイベントでもありません。

社会でなく、あなたの前にあるコンピュータともっと向き合いましょう。だからこそ見えてくる未来があります。

イベントはオンラインで、参加無料です。ご参加をお待ちしています。

(本イベントは終了しました。このページで録画を公開しています。)

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