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本を語ることで、本はその人を語る。

ito tomio
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Jun 23, 2015 · 6 min read

昨日、はじめてのブックジェリーをやった。本好きが集まって、テーマに沿ってお互いにオススメ本を紹介するという実にシンプルな趣向のイベントだ。期待通り、緩い空気の中で参加者の自由闊達なトークが行き交い、主宰者としては大いに満足したので、早々に毎月第4月曜日の継続開催を決めた。

普通、読書会というと、課題本を参加者全員が読んでから参加する、というようなスタイルが多いかと思う。でも、1冊を皆でつつき合うよりも、ひとつ獏としたテーマを掲げて、各自が「それなら、これかな」と思う本を持ち寄って「これはね〜」と語り合ったほうが、参加者の多様な読書経験を共有できて楽しいんじゃないかと思って、そうした。

そうしてよかった。あえて課題本を決めなかったことで、気づいたことがある。それは、各自が「それならこの本」と選択したその本で、その人の世界観がニョキッと表現されるということ。つまり、1冊の本のどこにブルブルっときたか、そこに感激する私を競うのではなくて、この本を選んだ私って実はこうなのよ、とそうとは意識せずに自身をつい吐露してしまうその瞬間を目撃できるということ。これが楽しい。

ちょっと、覗き趣味っぽいけれども、別に読んだ本の感想を言い合うために集まったわけではない。それよりも、その本を媒介にその人のことを知ることのほうが、わざわざリアルに集まって言葉をかわす尤もな理由だと思える。

で、イベントが終了してみんなが帰り、片付けも終わってから「ふ〜」と一息ついた時に、オツムの中に今度はこの言葉が浮かんできた。「じゃ、なぜ、自分はこの本を選んだのか」

本を読むことで、自分の世界が広がる。追体験できる。知識や情報を蓄積し、時には感情に流されて我を忘れる。その自分世界の拡張を、今度は人に話すことで、あらためて自分に本のほうから問い返してくる。「ところでお前は、なぜ、オレを選んだのか?」その問いに答えようとして、自分という正体にハッと気づく。「そうか、オレはそうなのか」

つまるところ、読書とは読む愉しみを与えてくれるものであると同時に、読み手を語ってくれるものなのだろう。実に不思議な因縁だ。

さて、今回のテーマは「旅」。旅することを書いたもの、旅先で起こったことを書いたもの、旅の目的を共有できるもの、旅がもたらす効用について、などなど、参加者にとっての「旅」を語る本がいくつも紹介された。著者にとってもいくつもの旅があり、読者にとってもいくつもの旅がある。

ここでくどくど解説は加えないが、興味がわいた方はAmazonでチェックされてみてはいかがだろうか。以下に、今回紹介された本を羅列して本稿を終わることにする。

※いつになく「ですます」調でないのは、先日の文章教室で思うところがあったからだ。また気が変わるかもしれないけれど。なお、タイトルはレイモンド・カーヴァーの村上訳をマネてみた。

『ガンジス河でバタフライ 』たかの てるこ
http://www.amazon.co.jp/dp/4344000382

『インドなんて二度と行くか!ボケ!!―…でもまた行きたいかも 』さくら 剛
http://www.amazon.co.jp/dp/4434133152

『アジアン・ジャパニーズ』小林紀晴
http://www.amazon.co.jp/dp/4795818223

『12万円で世界を歩く』下川 裕治
http://www.amazon.co.jp/dp/4022611847

『何でも見てやろう』小田 実
http://www.amazon.co.jp/dp/4061315838

『深夜特急〈第一便〉黄金宮殿』沢木 耕太郎
http://www.amazon.co.jp/dp/4103275057

『地雷を踏んだらサヨウナラ―一ノ瀬泰造写真・書簡集』一ノ瀬 泰造
http://www.amazon.co.jp/dp/B000J8QZ0C

『感動が共感に変わる!』中村伸一
http://www.amazon.co.jp/dp/4769609701

『日本詣で』嵐山 光三郎
http://www.amazon.co.jp/dp/4087478653

『バルカンの花、コーカサスの虹』蔵前 仁一
http://www.amazon.co.jp/dp/4947702729

『NO TRAVEL,NO LIFE』須田 誠
http://www.amazon.co.jp/dp/4902256088

『一生に一度だけの旅DISCOVER 世界の市場めぐり』ジョン・ブラントン
http://www.amazon.co.jp/dp/4863131682

『僕が旅に出る理由』日本ドリームプロジェクト
http://www.amazon.co.jp/dp/4902097494

『世界でもっとも阿呆な旅』安居 良基
http://www.amazon.co.jp/dp/434401748X

『英雄の旅 ヒーローズ・ジャーニー 12のアーキタイプを知り、人生と世界を変える』キャロル・S・ピアソン
http://www.amazon.co.jp/dp/4788907895

『らせんの法則で人生を成功に導く 春夏秋冬理論』來夢
http://www.amazon.co.jp/dp/4408111430

『日本酒全蔵元全銘柄―2581社3992酒銘柄別総さくいん付き』
http://www.amazon.co.jp/dp/4391106078

『にっぽん蔵々紀行』勝谷 誠彦
http://www.amazon.co.jp/dp/433473684X

『リサーフェシング ー 意識を探検するテクニック』ハリーパルマー
http://www.amazon.co.jp/dp/4990453603

『リビング・デリバレイトリー―自分が決める人生の生き方』ハリー・パルマー
http://www.amazon.co.jp/dp/4990162307

『オーパ! 』開高 健
http://www.amazon.co.jp/dp/4087504026

『芭蕉紀行』嵐山 光三郎
http://www.amazon.co.jp/dp/4101419078

『語るに足る、ささやかな人生』駒沢 敏器
http://www.amazon.co.jp/dp/4094081941

最後までお読みいただき有難う。では。

cahootz

「移働」が変えるこれからの社会とビジネス

ito tomio

Written by

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コワーキング・プロデューサー。メディア企画、執筆、翻訳、編集。2010年、日本で最初のコワーキングスペース「カフーツ」を神戸に開設。2012年、経産省認可法人コワーキング協同組合設立、代表理事就任。2014年、コワーキングマガジン発行。2016年、コワーキングツアー開始。訳書に『グレイトフルデッドのビジネスレッスン』他

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